#223 ついに来たぞ100Mbps(前編)

2003/09/06

<前目次次>


 モデムによるパソコン通信の時代に始まって、CATVのインターネット実証実験、都内に引っ越してからのADSL1.5Mbps化8Mbpsへの変更と、きわめて短い間に我が家の通信環境は大きく進歩した。ADSLはその後も12Mbps、24Mbpsとどんどん速度を上げたサービスを提供しているのだが、とりあえず自宅の通信環境については、値段が高くなるのならこれ以上はもういいや、と思っていた。

 ところが、昨年度末になぜか我が家のある団地でIT化なる工事が行われ、電話線のモジュラのある口にLANケーブルの口が新たに付け加わった。なんでも光ファイバーを使った高速通信環境ができる環境にしてくれたらしい。そしてその後しばらくしたら、NTT東日本の人間が、Bフレッツマンションタイプの説明会なるものを、団地の空き部屋を使ってやるというので、時間もあることだし、話だけでも聞きに行くことにした。

 NTTが始めたADSLに代わる次世代の通信環境Bフレッツは、既存の電話回線によらず光ファイバケーブルを使った通信である。ADSLの場合、電話回線で使われていない帯域に関して、上り速度と下り速度を非対称にするという技術によって高速通信を実現するのだが、交換局までの路線長が長い場合や、他の回線との干渉があったりする場合などは、期待する速度が出なかったりする場合がある。しかしBフレッツの場合は、電話回線とは別の線を使うので、路線長の違いによる速度の差は基本的には発生しない。またADSLのように上りと下りで速度が違うということもない。

 もっとも幸いにして現在の私のADSLの環境では、家の中で長い電話線を張り巡らせているにもかかわらず、8Mbpsのサービスで4〜5Mbpsのスループットが出ていた(ちなみに交換局までの路線長は1km強と考えられる)ので、そこそこ恵まれた環境にあった。ただ、1.5Mbpsから8Mbpsに変えた後、たまにだが、つなぎっぱなしにしているルータとの通信が時々切れるという現象が生じていた。このあたり、ADSLの高速化による無理が少しきているのかも知れない。とは言え、トータルで見たら今の通信環境には速度の面で何ら不満はなかったので、別にほかのサービスに乗り換える気はなかった

 ADSLに比べてBフレッツの敷居が高いと感じるのは、利用料金がそこそこ高いこともさることながら、やはり既存の電話回線を使うわけではないので、初期投資として安くはない工事費がかかってしまうということもあるだろう。特に集合住宅の場合は、自分がオーナーでもない限り、工事にあたって所有者の許可を得る必要があり、そうそう簡単に導入できるものではない。しかし我が家の場合、なぜかインフラ工事だけはすでに終わっているので、あとは申し込んで個別の工事費を支払えば、すぐに使えるという環境にあるらしい。その点では非常に恵まれた環境にあると言える。

 NTTの説明によれば、私の住む団地の場合は、回線終端装置まですべて整っているため、Bフレッツの場合はLANケーブルとNIC(Network Interface Card)のみ用意すれば良いらしく、ADSLの場合のモデムのように、別途機器をレンタルする必要がないそうである。そして気になる料金だが、Bフレッツマンションタイプにはタイプ1とタイプ2があり、より多くの加入者が見込める場合はタイプ2で月々の利用料金が2850円(税抜き)とのことである。ちなみに現在のフレッツADSL 8Mタイプの場合は、月額利用料2650円がマイライン割引で2385円で、プラスモデムとスプリッタのレンタル料が490円だからあわせて2875円(税抜き)。Bフレッツにした方がわずかながら安上がりである。ちなみに契約しているプロバイダ料金はフレッツADSLでもBフレッツでも変わらないので、利用料が安くなって10倍速くなるのなら、乗り換える価値もあるだとうと思い、即日契約してしまった。最初は今のままでもいいやなんて考えていたのに、腰が軽い私である。(つづく)


<前目次次>