#165 ADSLは来たけれど(前編)

2001/05/08

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 4月も下旬にさしかかった頃、携帯電話にNTT東日本から電話が来た。フレッツ・ADSL開通の準備が整った旨の連絡である。

 NTTがついに重い腰を上げ、東京や大阪などの都市部から先行してサービスを開始したフレッツ・ADSL。何しろ既存の電話回線を流用してISDNより桁一つ速い常時接続回線が手に入るとあって、早くも今後の家庭での通信環境の主流になるであろうという予測も多い。

 私も東京に移転する際に申し込みをしたのだが、3月上旬に依頼した時点で、申し込み殺到のため機器が供給不足にあり、サービス提供は5月中旬になると言わていた。そんなにかかるのかと思いつつもCATVや他のADSLサービスに浮気せずにじっと待っていたところだったのだが、当初の予想よりも早く開通が決まってくれて何よりであった。工事日は4月27日に決定。いよいよ我が家に再び高速回線がやってくる。

 回線調査の結果、工事は局内のみでOK、屋内の配線工事も自分でやると言ったので、初期費用は契約料800円プラス基本工事費1000円プラス交換機等工事費1800円と最少額ですみそうだ。それでも合計3600円もするから無視できる金額でもないし、それぞれいったい何のための費用なんだかよくわからないが、これらは最初の1回だけだからまあよかろうということで目をつぶる。

 フレッツ・ADSLの場合は、既存の加入回線をスプリッタで分岐して電話と共用する場合と、加入回線とは別に新たに回線を設置する場合の2種類から選択できる。後者の場合工事費は若干安くなる(前者2800円/後者2000円)が、月々の利用料は高くなる(機器レンタル料込みで月当たり前者4600円/後者6200円)し、前者の場合でもADSLと電話は同時に利用可能なので、加入回線を持っている人は、前者を選択する方がよろしいかと思われる。もちろん私もそうした。

 ちなみに機器レンタル料とは、ADSLモデムと回線共用の場合のスプリッタのレンタル料のことで、もちろん機器を買い取ったり自前で用意できれば、これらのレンタル料は発生しないが、買い取り価格の原価償却期間を考えると、今のところレンタルした方が安くつく。そのうち動作確認がなされた市販のADSLモデムが安く手に入るようになってから機器の購入を考えても遅くはないだろう。

 レンタルしたこれらの機器は、開通に先立ってNTTから宅配便で送られて来た。配線工事と言っても大したことはない。まずモジュラジャックからの線をまずスプリッタにつないで電話線とADSL回線とに分岐し、電話線の方を今まで使っていた電話やFAXなどの機器に、ADSLの方をADSLモデムにつなぐ。ADSLからは10/100base-Tの口があるので、それとパソコンに設置したLANボードまたはLANカードをLANケーブルでつなげば、配線工事は完了。ちなみに、LANケーブルとLANボードまたはLANカードは、利用者が自分で用意する。とは言っても最近ではケーブルは数百円、LANボードも安い物なら1000円前後で手に入る。LANカードの方が若干高いが、それでもせいぜい3000円程度だ。

 機器とは別に、ADSLを利用するためのソフトも郵送で届く。PPPoEというプロトコルを制御するためのドライバと接続ツールである。これらはCD-ROMで供給されるものをインストールすればよいようだ。

 フレッツ・ADSLの場合は、これらのNTT側の設定とは別に、プロバイダとフレッツ・ADSL接続の契約をする必要がある。もちろん契約しているプロバイダがなければ、フレッツ・ADSL接続に対応したプロバイダに加入し契約しなくてはならない。とは言え最近では、大手のプロバイダはほとんどフレッツ・ADSL接続サービスを提供しているので、自分が現在加入しているプロバイダで契約するのが無難である。ちなみに私が加入しているASAHI-NETは、フレッツ・ADSLオプション料金が950円と安く、またオンラインによる設定で即日利用可能になるので、大変お得で便利である。

 というわけで準備も楽々終わって、今日から快適接続環境だ、といくはずだったのだが、そうは問屋がおろさないのであった(続く)。


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