#224 ついに来たぞ100Mbps(後編)

2003/09/30

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 さて、ADSLよりも10倍速い回線がやってくるとなると、それを迎える方もある程度の準備がいる。今までのADSLの環境では、電話線の口がある居間からパソコンのある部屋まで、フラットな電話線を引き回したのち、パソコンの近くのモデムに繋いでそこからLANケーブルを引いていた。しかしBフレッツの場合、同じく居間にあるLANの口からルータ、もしくはパソコンまでを直接LANケーブルで結ばなくてはならず、相当長くしかもフラットなLANケーブルが必要になる。もちろん、このように煩わしい配線が不要な無線LANをこの機会に導入しても良いのだが、どのみち使用するパソコンはデスクトップだし、無線LANの場合は適切な設定をしないと外から傍受される可能性があるというセキュリティの関係もあるし、現在の規格では最大スループットが54Mbpsまでしかでないので光の場合はそれがボトルネックになる可能性もあることから、やはり有線で引き回すことにした。

 また、現在使っているブロードバンドルータも、スループットがそれほど高くなく、高速通信の上でボトルネックになりそうなので、新たに高速ブロードバンドルータを購入することにした。高速対応のルータはいろいろあったが、せっかくなので、付加機能としてプリントサーバ機能のついたものを購入した。これを使えば、プリンタを直接ルータにつなぐことができるので、ネットワークに接続するすべてのパソコンでプリンタを共有することができる。

 LANケーブルやルータの追加購入に加え、当然ながらBフレッツそのものの契約料や工事費もかかり、こうしたもろもろの投資がだいたい2万円くらいになってしまったので、月利用費がわずかばかり安くなるだけでは金額的には割に合わなかったかも知れない。もっとも、現在Bフレッツを契約してアンケートに協力すれば、工事費の倍額近い商品券またはクオカードをくれるキャンペーンをやっていたりしているので、金券としてはいくらか回収できる目算である。

 そういう次第で、契約から2週間ほどで工事があり、いよいよ開通。しかし工事に立ち会っていた妻の話によると、最初は思うように速度があがらなくて、NTTの作業者が宿舎のIT化工事を施した業者に連絡したりして、工事の内容について不備があるとかないとかいろいろ揉めたりしたらしい。まあ結果的にはどうにか予定通り工事も終わったとのことである。

 ここからは私の仕事。接続線を変更し、ルータを入れ替え、プロバイダの契約を変更し、何度かトライした後にようやく接続に成功する。ADSLの時代から充分に速いと思っているので、実際普通にWebPageなど見ている分にはそれほど劇的に早くなったと感じるほどではない。とは言え、メガバイト単位のファイルを落としたりする時には、さすがに以前より早くなったと実感できるし、先に述べたように、ADSLのように上りと下りの速度が違うと言うことはないから、特にWebPageの更新など、アップロードに関しては、ADSLよりもかなり速度が向上したのが実感できる。気になるスループットは約20Mbpsとのことで、100Mbpsとまではいかないものの、従来の5倍ほどの速さになっている。

 ただ、ここまで通信速度が速くなってしまうと、むしろ世の中のWebサーバや途中の経路の方がボトルネックになっていると感じることもある。あっちのダウンロードは速いけど、こっちのダウンロードはいまいち、と言った具合であったりする。贅沢な悩みである。それにしても、2400bpsのモデムを使っていたころから比べれば、約10000倍の通信速度になっているのだから、ここ数年の通信環境の向上には目を見はるものがあると言える。こと自分の環境に関して言えば、もうこれ以上速くなることはないし、そんな必要も(今度こそ)ないだろうと思われるが、未来のことは誰にもわからない。


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