#153 欧州紀行雑感(前編)

2001/01/31

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 先日、妻とともにオランダ・ベルギー・フランスの美術館めぐり8日間のパックツアーに参加してきた。海外に行くのは初めてではないが、欧州に行ったのは初めてである。回ったのはごく一部であるし、現地正味5日間少々という慌ただしい旅行であったのだが、向うで見聞したことを、電脳的なものを折り交ぜながら記録する。

 初日は12時間の空の旅。太陽の方向に進むので、成田を11時に飛び立っても、オランダアムステルダムに着いたのは同日15日である。昼間を12時間経験したようなものである。おかげでほとんど眠れもせず、もちろん廉価なエコノミークラスの席なので、着いた頃にはぐったり。最近はエコノミー症侯群、すなわち、狭い座席空間に長時間座ることによる血流障害が文字どおり致命的になるケースが取りざたされており、そのせいかトイレ付近では座席を立って屈伸運動などしている人も多く見かける。

 到着したのはアムステルダム郊外にあるスキポール空港。広大な空港ではあるが未だ建設途上らしく、完成すると欧州最大、世界3位の面積を持つ空港になるそうで、新しく綺麗な空港である。ターミナルは巨大で端から端まで歩けば30分くらいの距離があり、免税店の多さはまるで百貨店のようだ。構内にはmultiphoneと呼ばれる情報端末的な公衆電話があったり、インターネットカフェなどもあって、適当に時間をつぶすこともできる。とっても近代的な空港である。

 アムステルダムは古い建物が多く集った街であるが、店の看板などにはURLをそのまま書いたようなものもあり、インターネットの普及率も高いようである。なお、オランダの国識別コードは.nl。Netherlandsから取っているのであろう。ほかの国でもそうだったが、URL標記における第2レベルの区別(日本だと.co .or .ne .go .ac など)は特にないようである。

 オランダでは、レンブラントの「夜警」などを所蔵したアムステルダムの国立美術館、ゴッホの作品を数多く所蔵したゴッホ美術館、そしてフェルメール「青いターバンの女」などを所蔵したハーグのマウリッツハイス美術館などを見学した。特に国立美術館は部屋の数がハンパじゃなく多く、入口で館内案内図をもらっておかないと、集合時間までに出口に戻れなくなりそうである。建物を含めた美術品の質と量は日本のそれとは比べものにならない程で、ただただ圧倒させられるばかりであった。なおここに示したとおり、どの美術館もそれぞれWebSiteを持っている。特にマウリッツハイス美術館のそれはなかなかセンスが良い。

 次に行ったベルギーのブリュッセルでも、王立博物館というこれまた巨大な美術館を見学。現代美術などを納めた別館は地下8階まであるというとんでもない広さである。とても与えられた見学時間では回りきることができない。WebSiteもあるようだが、残念ながらこちらの方は見たところまだあまり充実していないようだ。ちなみにベルギーの国識別コードは.be。

 ブリュッセルは欧州共同体すなわちEUの本部や付属機関が多く集る街であり「Capital of Europe」として、EUグッズなどを売る店があちこちにあった。ブリュッセル街の中は現在なぜか工事ラッシュで、あちこちの建物が取り壊され改造改築されている。面白いのは、古い建物の外側の壁を綺麗に残し、内部のみを新しくするという方法で改築している。古い様式の建物を大事に残すようにということで、非常に感心させられたが、それにしても器用なことをするものだと思う。

 今回の旅行では、新しいデジカメに4,8,16Mbyteのスマートメディアをそれぞれ1枚づつ持っていく。640×480のサイズで撮れば、400枚は写真を撮ることができる。電池も2セット用意し、充電器もちゃんと220V対応である。もちろん愛用のHP200LXもお伴。旅の記録は随時LXに書き溜めていく。そうしておかないと、余りにも多くのものを見聞するので時間がたつにつれどんどん忘れていってしまう。

 旅が進むに連れ徐々に溜まってきた写真とお土産と疲労を乗せて、移動のバスは最後の目的地パリへと進む。(続く


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