#144 決定!2代目デジカメ

2000/11/22

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 デジカメがどんどん高画素化高額化していき、手頃なデジカメが見つからずうんざりしていたところ、近くのパソコンショップに並ぶメガピクセルデジカメのラインナップの片隅に「大処分品」と書かれたデジカメがあった。それが三洋電気製のデジカメDSC-X200であった。

 DSC-X200は女性をターゲットとしているらしく、良く言えばスマートな、悪く言えばあまり高級感のない風貌をしている。しかし85万画素という性能は私にとっては充分だし、本体重量も200g以下と軽く、何より価格が2万円以下というところが魅力的である。だがしかし、安物買いの銭失いということにならないかと、念の為に買う前にWebなどでいろいろ情報を集めてみた。するとDSC-X200は、そのかわいらしい風貌に似合わず、実はかなりの性能を持っていることが分かり、ますます気に入って次の日には速攻で買ってしまったのであった。

 三洋電機というのはデジカメという分野では後発だったことと、製品のデザインが凡庸であるせいか、幾百とある各社デジカメのラインナップの中ではあまり目立たず、雑誌の紹介記事などでも取上げられることがなぜか少ない。しかしながら、実は民生用のデジカメの4割近くは三洋電気が心臓部を作っているとのことで、実は影のデジカメ最大手メーカーだったりするところが侮れない。

 その三洋電気の自社ブランドのデジカメは、早くから動画機能を売りにしてきた。このDSC-X200も最大320×240のサイズのQuickTimeフォーマットの動画記録機能を備えている。また撮るだけでなく、映像の前後カットや接続などの簡易編集をデジカメ上でやってしまうなどの機能もある。更に、最大秒7.5コマの連写機能や、露出をアンダーからオーバーまで自動的に変化させながら7連写する機能まで持っていたりする。

 そしてその動画や連写機能に裏打ちされた動作スピードには目を見張るものがある。起動・記録・再生時間は、どれを取っても1秒かからない爆速ぶりで、使っていく上で「遅い」と感じるシーンが皆無である。更にレンズカバーがスイッチを兼ねているので、起動から撮影までの動作が非常にスムーズで、かつシャッターを押してからのタイムラグも短いため、突然のシャッターチャンスを逃さない。銀塩コンパクトカメラと変わらないクイックな動作は、一度使ってみると他のメーカーのデジカメを使えなくなるほど快感である。

 液晶も1.8インチ11万画素低温ポリシリコンTFTを搭載しており、明るくて見やすい。高機能なコンパクトデジカメは得てして液晶をけちったりするのだが、DSC-X200はその点違う。下手をすると、実際に記録してパソコンで見る画像よりも綺麗に感じることがある。また静止画像にも約4秒の音声メモを入れることができるので、何を撮ったかを声で記録できるのも便利である。

 電源はニッケル水素電池2個なので、一日使い続けるとちょっとくたびれるようであるが、電池残量警告が出た後でも、液晶を非表示にして光学ファインダーで撮影すれば、しばらく使い続けることが可能だ。細かいことだが、この光学ファインダーがついているのもポイントが高い。デジカメになじみのない人にとっては、カメラはどうしても光学ファインダーを覗いて撮ろうとするようなので、そういう人に撮影をお願いするのにも余計な説明や気兼ねが要らない。

 操作ボタンやスイッチは日本語で書かれているためわかりやすく、アイコンを4方向キーで選んで機能を選択する方法はわかりやすい。なおパッケージには、ニッケル水素電池2本とその充電器、4Mbyteのスマートメディア、ビデオ出力ケーブルまで同梱されている。2万円で一切附属品を買うことなく楽しめるという点でも、非常にお買い得である。

 2万円にして必要充分な機能を備えているDSC-X200であるが、残念なことに今では店頭で見かけることはほとんどないようだ。デジカメは欲しいけど高くて手が出ないし、かと言っておもちゃのようなものはちょっと、という人なら、DSC-X200は充分満足できる機能を備えた製品なので、もしも店頭で投げ売りされているのを見かけたら、儲けものと思って買っていただけたらと思う。


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