△ 不等辺ワークショップ第76回 (2011/05/28)


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写真  進行役を務めた林です。いま羽田空港にいまして、もうすぐ沖縄行きの飛行機に乗ります。たぶん機内でも書きます。なんだか村上春樹の「ノルウェイの森」みたいな始まり方だ。いま6月12日です。ワークショップから半月もたってしまった。レポートが遅くなってすみません。「ノルウェイの森」みたいに回想しながら書きますね、半月前のできごとを。これ、なんとか今日中に書き終えてしまいたいな。

写真  5月28日の東京は雨でした。とんでもない強さの台風2号の影響で、東京はすごい量の雨が降った。ちなみにあの台風で沖縄はものすごい強さの風が吹いたそうです。街路樹はポキッと折れていたし、信号機は横を向いちゃっていた。晴れれば一年でいちばん気候のいい時期なのに、今年の5月ワークショップはむしろじめじめ。残念ね。いつものようにウォーキングでスタート。会場でさがしものをするゲーム。いつもは頭文字さがしオンリーですが、今回は「赤いもの」「1万円以上しそうなもの」「やわらかいもの」「頭文字が【や】のもの」の順に4つのさがしものをしました。印象に残っているのが、最後の「頭文字が【や】のもの」のときに、さっき見つけた「【や】わらかいもの」をもういちど指差した人。写真 おおおお! あなたの頭がいちばんやわらかいですよ! 意表をつかれました。歩き回りながらアイコンタクトをとり、挨拶を交わします。今日の挨拶は「ソリュ!」。フランス語だそうです。知らず知らずみんな颯爽と歩いている。「たまご爆発」は初めて。名古屋の小熊ヒデジさんに教わったゲームです。「たまごバクハツ!」っていうセリフにそもそも破壊力がありますよね。ことばの語感の魅力。しかも自分の一言でたまごが一斉に爆発する、あの痛快さ。

写真  今回は人数が多かったので、いつものスピーチに代えて3秒自己紹介。輪になって一言ずつ自分を語ってぐるぐる回します。途中から普通に「山手線ゲーム」に移行。「魚」で1周、「鳥」で1周、「肉料理」で1周。さいごの「肉料理」のときの答えが今日のニクネームです。写真 私は「魚肉ソーセージ」です。肉っていいなぁ。野菜より肉だよなぁ。野菜の名前で呼び合うよりもぐっと親密になれる気がする。4つのグループに分かれて、グループ名決め。一人ひとりの肉料理が大きなお皿に盛り付けられた定食(?)をイメージして、そのスペシャルな定食に名前を付けます。それがグループ名です。「酢豚うどんまんステーキ巻きおにぎり添え」「魚肉炒めと親子丼肉豆腐付きセット」「カレー風味の雀の丸焼き入りライスバーガー小龍包付き」「ロールちゃん」。どのお皿もとってもデリシャス。極端なハイカロリー定食。写真 ところで「ロールちゃん」って、何かしら。かわいいけど。グループ対抗でテマリをしたあと、早速グループ創作に取り組む。各定食の調理プロセスを15秒で身体表現してもらいました。できあがった作品はとっても素敵。雀が捕獲されるシーンから始まったりして見応え十分。「ぶたにく」というタイトルの写真集がありまして、かわいい子豚がお母さん豚のお腹にいるときから始まり、この世に生まれてすくすくと育ち、やがて豚肉になるまでをダイジェストした、ある意味では衝撃的な写真集なのですが、それを思い出しました。
 
写真  後半はじっくりグループ創作。クラフトエヴィング商會のじつは、わたくしこういうものですをテキストとして使います。写真 この本をワークショップで使うのはなんとなんと9年ぶりです。2002年にやって以来。よければそのときのレポート(第9回第10回第11回)をご覧ください。同じ本を使っていても、その扱い方は以前とは大きく異なります。ここに、この9年間の私の成長を感じたいと自分で思いました。坊主頭だった9年前と現在との違いは見た目だけではないのだ。じゃ何がどう変わったのかというと、主にグループでの対話と議論にフォーカスしている点なのですが、ここにはその内容を書かずにおきます。ごめんなさいね。というのも今回のこのワークショップがあまりにもおもしろかったことに味をしめまして、これの翌週には岩手県で同じことをやり、今週は山梨県でもやる予定で、7月には東京都と福岡県でもやろうかと考えています。このワークショップをもって全国各地に出向く。そして「じつは、わたくしこういうものです」と言うがごとく、そっとこのワークショップを受講者のみなさんに差し出そうと思います。いま私はこういう演劇とその創作プロセスをおもしろいと思っているんです。私はそういう者です。

写真  アシスタントをお願いしたのは古木友香理さん。写真 いつもありがとうございます。参加者としてもぜひまたおいでください。ワークショップの合い間合い間にBGMとして流したのは山崎まさよしの「明日の風」でした。次回のワークショップは7月24日(日曜)の予定です。11年目を迎えてますます好調の「俳優を目指さない演劇ワークショップ」です。興味のある方はぜひお申込みください。今回はちょっと高校生が多かったね。20代30代の方々、遠慮なさらずにぜひ!

 さて。ワークショップ後は近くの居酒屋でうちあげ。今回はひさしぶりに「感動した作品の山手線ゲーム」をやりました。自分が感動した作品について、一人ひとつずつ順繰りに語っていくというものです。作品のジャンルは不問。できれば最近のもの。写真 今回挙がった感動作品は、「週末ヒロインももいろクローバー」、五木寛之の「林住期」、三島由紀夫の「不道徳のすすめ」、海外ドラマの「glee 踊る♪合唱部!?」、岩井俊二の「スワロウテイルバタフライ」、映画の「海炭市叙景」、恩田陸の「チョコレートコスモス」、映画の「行け! 男子高校演劇部」、ドラマの「ひとつ屋根の下」、ロックミュージカルの「レント」でした。みなさんもよければチェックしてみてください!

 不等辺演劇倶楽部 林成彦(はやしなるひこ)


写真 今回アシスタントを務めさせていただきました古木です。
 お話をいただき、当日打ち合わせのために少し早く行ってみると、リーダーの林さんから今日のメンバー構成についてのお言葉が。…若い…。平均年齢が若すぎる! さらに過去最高とも言われる人数! 私の緊張感はいやが上にも高まっていきました。

写真  そして一時少し前にスタート。いつもはいろんな活動の中でアシスタントさんも少し入ったりするのですが、今日はその隙間がなく(とにかくすでに物理的にね)、私はひたすら写真を撮りまくり、あとは単なる観客と化してしまいました(*с*)

 しかし、打ち合わせのときには、この活動はどーなっちゃうんだろう、とか、果たしてこれは成立するんだろうか、とか、ちとハードル高くない?とか思ってた諸々のタスクを、皆さん次々にクリアするばかりか、与えられた時間に反比例するかのような見事な出来ばえ。観客冥利につきました!

 今回は内容的に形が面白いものが多く、被写体の多さも半端ないし、写真のできは保証できませんが(ごめんなさい)カメラマンとしても楽しかったです。できることなら動画を撮ってWEBで公開したいくらい素晴らしいCMやDVD作りができましたよね?皆さん?

 林サン、参加者の皆さん、ありがとうございました!
 次回はいち参加者としてまたココに来たいです☆

 古木友香理


★アンケートより

写真 ○雰囲気がすごく楽しく、エチュードやCMがおもしろかった。
写真 ○たまご爆発が楽しかったです。
○呼び方がまさか「肉ネーム」になるとは思ってなかったです(笑)
○食べ物を身体で表すのが楽しかったので、部活でやってみたいです。
○前半戦は身体を目一杯動かし、後半戦は頭フル回転。密度のめっちゃ濃い4時間でした。
○身体を動かしてから考えてゆく、その流れが今回はとてもよくて、その理由もわかった気がします。
○普段のワークショップだと学生だけのものが多く、他の年代の人と関わることってあまりないんですが、今回は色々な人と関われて、色んな考えがあるのがわかって楽しかった&勉強になりました。
○高校生が多くてびっくりしましたが、みな自分が高校生だった時よりしっかりしていて、頼もしかったです。

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