△ 不等辺ワークショップ第74回 (2011/01/22)


トップページ > ワークショップ > 第74回

<前一覧次>

写真  進行役を務めた林です。これを書いているのは1月29日(土曜)です。いま夜の11時です。アジアカップの決勝戦のキックオフまであと1時間です。それまでにこのレポートを書き上げてしまいたい。ガッツだ。書く作業に集中するぞー!

写真  さて22日のワークショップです。いつものように最初の1時間ほどはウォーキングと呼んでいるウォーミングアップの時間です。久しぶりに「坐骨歩き」で体を温めました。挨拶として靴の裏と靴の裏でキスをする。楽しい。このゲームのことは次回から「クツクツ」と呼ぶことにします。会場を歩き回りながら、アイコンタクトを交わす。ふと思いついて、目のやり場を相手の目ではなくて相手の右ひざにしてみました。そうしたら、相手が見やすいようにちょこんと右ひざを上げる人が何人か現れました。すばらしい。その仕草がラブリーだったので、右ひざと右ひざでキスをするというルールにしました。楽しい。フリースタイルのフォークダンスのようでした。7人組と7人組でそれぞれ輪になって、輪の状態のまま歩き回るというゲームをやる。そもそもこれ自体が思いつきだったのですが、おもしろかったので目を閉じてやってみました。円形の奇妙な生き物のようです。他の生き物に(背中が)触れるたびに「う」とか「う?」とか「う!」とか、声が出る。それが円形生物の鳴き声のようでした。個体ごとに性格のちがいも感じられる。不思議な光景でしたし、不思議な体験だったのではないかしら。

写真 写真  進行の手順としては、次はいつもなら何らかのスピーチ。そしてそれに基づいてニックネームを考えます。今回はそれらに代えてアナグラム劇をおこないます。これは青年団演出部の高橋直人くんのワークショップから着想を得たものです。まず自分の名前を1文字ずつカードに書き、それをあれこれ並べ替えて新しい文を作ります。小林賢太郎のひとりコントにもこういうネタがありましたね。私の場合「ハヤシナルヒコ」から「ハシルコヤナヒ(走る子、ヤな日)」という文ができました。自己紹介を兼ねて全員がそれを発表。おもしろかったですね。名前が類推されてしまいそうで、参加者の方々のアナグラム作品をレポートしにくいのが残念。ちなみにアシスタントの土田悠くんは「ダチユウツ(ダチ、U2)」でした。みなさんのアナグラム作品からニックネームを作ってもよかったな。次回はそうします。

写真  今回はここで早くもグループワークをおこないます。3つのグループに分かれます。各自のアナグラム作品を自分のセリフだと考え、グループの全員がちゃんと自分のセリフを言えるような短い劇作品を作ります。それが『アナグラム劇』。難しいかなとも思ったのですが、できあがった作品は3つとも充実していました。5つのセリフを巧みに1シチュエーションにまとめた作品もあれば、ひとつのセリフごとにひとつのシチュエーションを作り、それを連続上演した作品もありました。どれも見応えがありました。自由に遊んでいただくことが大切です。バラバラなものをひとつにまとめあげる。アタマ使うよなぁ。でもそういう作業を楽しみたいですね、演劇を使って。

写真  ここでアシスタントの土田くんに30分ほど進行をお任せ。土田くんタイムです。嘘をテーマにしたゲームをふたつ。詳細は土田くんのアシスタントコメントをご覧ください。このレポートの下のほうにあります。嘘かぁ。嘘は難しいなぁ。私は顔に出ちゃうタイプだからなぁ。そんな私でも嘘をつくことはやはりあるわけで、じゃあどんなときに自分は嘘をつくのか。みたいなことを掘り下げて考えてみたくなりました。「じゃあどんなとき?」と聞かれても、嘘の答えを言うかもしれないけどね。…わぁ、いまオーストラリア戦がキックオフです。これは嘘じゃないです。間に合わなかったなぁ。私は0対2で日本が負ける気がします。応援はもちろん日本ですよ。がんばれニッポン!

写真  おなじみの世間話フルーツバスケット。挙がった場所が「人力車のなか」「スキーリフト」「拘置所」「ディズニーシーのベンチ」「映画館の客席」「温泉」。あとひとつあったはずだけど思い出せない…。「温泉」はいいですね。たしか初めてです。「温泉」に浸かっているときと「スキーリフト」に乗っているときとでは体の状態がまったく違うだろうなぁ。オーストラリア戦はいま前半が終了。まだ0対0ですが、勝てそうな気がしない。香川がいないと点の入りそうな気がしません…。

写真  最後は本日2回目のグループワークです。会話のスケッチを素材に遊びます。第72回のときとはブラッシュアップのルールを変えています。あのときはこちらの指示する都道府県の要素を盛り込んでもらいました。…おおおおお、日本が先制した!! おおおおおおおお、日本が勝ったぁぁぁぁ!!! すごいなぁ。試合の後半から延長にかけてテレビ観戦に集中してしまったので、筆の運びが遅いです。えっと。今回はスケッチをもうひとつ選んで、ふたつのスケッチを組み合わせること。そして場所の設定を変えること。このふたつをルールにしました。スケッチの様相ががらりと変わる。特にドンキホーテをフリーマーケットに変えたチームが印象に残っています。セリフは同じなのに登場人物を変えたアイデアが秀逸。みなさん、お疲れさまでした。

写真  次回のワークショップは3月26日(土曜)の予定です。ぜひ多くの方々に足をお運びいただきたいです。以前はワークショップのたびに宣伝チラシをたくさん印刷し、都内のあちこちの劇場に折り込みに回っていました。ワークショップ1回につきチラシ8000枚とか10000枚とか。劇場で「わーくしょっぷ」と手描きで書かれたチラシをご覧になった方も多いと思います。でも前回と今回は1枚もチラシを撒いていません。折り込み0枚。チラシ折り込みに行きたくても、今はその時間がとれないのです。

写真  この「俳優を目指さない演劇ワークショップ」の第1回は2001年2月でした。これで丸10年。次回の第75回から11年目に入ります。長く続けてきて、10年前と今とで変わったことと変わらないことの両方があります。変わったのは私の日常です。おかげさまでワークショップを仕事としてやる機会が増え、それに伴って自由になる時間は激減しました。以前はこのワークショップが私の演劇活動のほぼ全てでしたが、今は違います。多くのワークショップ経験が相互に、効果的に影響しあえるように知恵をしぼります。チラシによる宣伝は今後なかなかできませんので、このレポートやクチコミが頼りです。今回は14名もの方々にご参加いただきました。写真 ありがとうございました。またぜひご参加を、そしてお知り合いの方々にもお声掛けいただけると大変うれしいです。10年たってもこのワークショップに臨む私のスタンスは変わりません。初めての方でも輪に入りやすい遊び場を、演劇を使ってプロデュースするというものです。今後も1回1回、そのつどそのとき私が「これはきっとおもしろいぞ」と期待する遊び方を用意し続けます。ぜひ楽しみになさってください。これからもよろしくお願いいたします。祝アジアカップ優勝。祝ワークショップ10周年。いま午前3時です。祝杯をあげて(一杯だけね。嘘じゃないです)寝ることにします。

 不等辺演劇倶楽部 林成彦(はやしなるひこ)


写真 久しぶりの参加、そして2回目のアシスタントを務めました土田です。
今回、自分はワークショップの目標が「役職を忘れる位楽しむ」だったのですが、、、達成できませんでした!写真を撮るのに気を取られてしまったからです。参加者の皆さんの表情とか動きが面白くて思わずシャッターを押すのに夢中になっていたのでした。良い写真が撮れているといいのですが。
アシスタントで参加してみて、林さんが繰り出すメニューに皆さんが引き込まれる様子が良くわかりました。盛り上がっていく時って、参加者間で熱気があるんですよね。あれが楽しくて何度もワークショップに参加しているのかもしれません。
 
写真 そして、なんと今回は土田タイムを設けてもらいました。今回はゲームを二つ、以下に紹介します。
「ボール回し」輪になってボールを回します。その時に「これは○○で拾ったボールです。」と言うのですが、○○は各自が自由に考えて言っていいというルール。これは本で読んだゲームをそのまま拝借しました。祖師ヶ谷大蔵の駅前から、海外、さらに人体を通って旅をしてきたボールは今僕の部屋にあります。
もうひとつは「うそつきゲーム」二人ペアになって世間話をするのですが、一人はホント、一人はウソしか話してはいけないというゲームです。ウソをたくさんついてもらいました。人によってもウソの定義が違うんですね。ウソにも色々あって、大げさなウソ、もっともらしいウソ、小さなウソ、皆違います。ウソを限定してやってみたらどうだっただろう?機会があればいつかどこかでやってみたいですね。それにしても林さんの落ち着いた進行は分かりやすくてなんて安心感があるのだろう。アシスタントするたびに思います。

林さん、参加者の皆さんありがとうございました。
また遊びにいきます。


★アンケートより

写真 ○みなさん真剣に取り組んでいて好感が持てました。
○雰囲気がやわらかくてまったり(良い意味です!)できました。
○前回同様、とても雰囲気がよく、楽しくあっという間に時間が過ぎました。
○盛りだくさんの内容で雰囲気も楽しくよかったです。
写真 ○きちっきちっと時間を区切ってテンポよくワークが進んであっという間の1日でした。細やかな配慮もあって思いやりを感じます。
○体を手タワシで洗うのは楽しいし、運動的でした。
○輪になってみんなで歩くのはおもしろかったです。
○名前をバラバラにしてセリフをつくる寸劇作りが楽しかったです。
○名前で入れ替えてグループで発表したのとかおもしろい。
○嘘をつくゲームは相手の理解によって全く違うゲームを作ることになり、おもしろい経験でした。
○フルーツバスケットの二人組で場を決めて右左が変わっていくのが好き。
○世間話フルーツバスケット、もっとやっていたかった…♪
○世間話フルーツバスケットはおもしろいですね。
○世間話フルーツバスケットがすごくおもしろかったです。学校でやってみようかな(笑)
○世間話フルーツバスケットは2回目だったのですが、やっぱりおもしろかったです。場の設定があると意外と嘘もすんなり出てくる気がします。

<前一覧次>


トップページ > ワークショップ > 第74回