△ 不等辺ワークショップ第73回 (2010/11/23)


トップページ > ワークショップ > 第73回

<前一覧次>

写真  進行役を務めた林です。いま福島県の会津若松市でこのレポートを書いています。今日は朝から小雨が降っていて、けっこう寒いです。おとといから高校演劇の福島県大会を観に来ています。去年はこの大会の審査員を務めたのですが、今年は純然たる観客です。高校演劇の一ファンとして県大会を満喫しています。こうして電車で遠出して宿泊して高校演劇の大会を観るというのが、いまの私のいちばんの楽しみだなぁ。ついさっき3日間全15作品の上演が終わったところです。審査員の方々はいまごろ審査でたいへんでしょう。たいへんなものなんです。審査を待つ間、私は近くの食堂でのんびりとPCに向かっています。名物のソースかつ丼に舌鼓を打ちつつね。おいしいです。

写真  さて11月23日のワークショップをレポートします。前回が1月でしたから、10ヵ月も間隔が開いてしまいました。ちょっとブランクが長すぎですね。このワークショップのやり方というか、勘を忘れてしまって、どこか手探りしながら進行していた感じです。やっぱりコンスタントにやらないとだめだなぁ。そう思ったので次回は1月22日(土)にやろうと思います。2ヶ月後です。興味がおありの方、お早めにお申し込みください。

写真  だいたいいつも最初の1時間はウォーキングペアゲームです。今回もそう。ただその中身が以前とは変わっています。ペアで両手を合わせて動いて行くゲームが私は気に入っていて、最近はあちこちでよくやっています。おもしろかったでしょ。あれは青山学院大学のワークショップデザイナーコースで習ったものです。そういう勉強をこの10ヵ月のお休みの間にしていました。ペアで取り組むゲームなのにパートナー以外とも絡みがあるのが味噌です。かなり体を動かしますしね。あれをやったら休憩を入れます。ちょっと休みましょう。

写真  ここからは福島県大会の会場ロビーで書いています。いま場内では生徒講評委員による講評がおこなわれています。さてレポートの続き。15秒スピーチのお題は「家電の思い出」です。写真 印象に残っている家庭用電化製品のエピソードを語ってもらいました。性能とか特徴とか家電そのものについてじゃなくて、その家電にまつわる個人的エピソードを聞きたいですね。ちなみに私の場合は高校の修学旅行のとき、友達が持ってきたウォークマンを床に落として壊してしまったことです。申し訳なさすぎて忘れられない。行き帰りの車中で音楽を聴きたいからこそ持ってきたウォークマンであろうのに、それを旅先で壊してしまうなんて。痛恨の思い出です。そんなエピソードを語ったところ、私のニックネームは「痛恨」に決まりました。痛恨。他の方々もスピーチ内容をヒントにニックネームをつけます。「パナソニック」「腹痛」「嵐」「角煮」「ヨドバシ」「ママレンジ」「今のより」「パープル」「ブラウン管」「UFO」「タイトル」「返品」。そして私が「痛恨」。ニックネームの50音順に並んだり、頭文字のアナグラムでテマリのチーム名を考えたりと、積極的にこのニックネームを活用しています。そうそう、今回の『テマリ』はハイレベルでした。練習ではカウントが50を超えるチームがあった。すごい。なのに本番は数字が伸びない。じつは今回にかぎらずその傾向があります。本番はなかなか練習通りに行かない。おもしろいものですね。ここで2回目の休憩。

写真  後半は一気に進めました。まずはおなじみの世間話フルーツバスケットから。挙がった場所は「月面」「観覧車のなか」「四季自由劇場の客席」「山手線の車内」「女子更衣室のなかのベンチ」。あと一ヶ所あったはずなのですが、思い出せない。挙がったものでは断然「女子更衣室のなかのベンチ」が興味深いなぁ。そんな場所で交わされるガールズトークは、耳に毒な気もするけど、聴いてもみたい。しかもこのゲームでは座っているのがガールズであるともかぎらない。男子がそんな場所でどんな話をするんでしょう。おもしろいな。

写真  最後のゲームはNHKの「ブラタモリ」のようにマチをぶらぶら歩きながらお喋りをするというもの。仮にゲームの名前はブラタモリということにします。今回選んだマチは新宿です。新宿と言えば、私はいま会津若松の駅前のバスターミナルのベンチで、まさに新宿行きの高速バスを待ちながらこれを書いています。福島県大会の閉会式が終わって、雨のなかを劇場から駅前まで歩いて戻ってきました。私はこれから大量の仕事が待つ東京に戻ります。正直、気が重い。サザエさん症候群ならぬ、閉会式症候群です。まぁいいや。まずは新宿という大きなマチのなかから、アンケート方式で具体的な場所を3ヵ所ピックアップ。「東急ハンズの文具フロア」「JR新宿駅の改札口」「マルイの屋上庭園」が選ばれました。いったんここで切って高速バスに乗ります。高速バスのなかでPC作業はできないだろうなぁ。きっと寝るだろうなぁ。疲れているし。

写真  段落が変わっていきなりですが、私はいま羽田空港で飛行機を待っています。高速バスで会津若松から帰京したのは日曜日でした。今日は水曜日。これから愛媛県の松山行きの飛行機に乗ります。3日間も間が空いてしまった。話をレポートに戻すと、参加者の方々に3つのグループに分かれていただいて、各グループに上記の3ヵ所のうちのひとつを付与。その場所にいるという態で短いお芝居を作ってもらいます。人の出ハケとか、話題とか、登場人物同士の関係とかにもいろいろと制約を加えつつ、どんどんブラッシュアップ。最終的には実際に新宿のマチを歩いているという態で、上記の3ヵ所をぐるっと一周します。こう書いてもきっとよくわからないね。まぁいいです。たぶんまたいつかやると思うので、興味のある方はワークショップにご参加ください。実際に体験していただくのが一番です。

写真 ちなみにこのゲームはもともとは学校でやるワークショップのために考案したものです。学校内の具体的な場所をいくつかアンケート方式で選び、グループでお芝居を作って、最終的には実際に本当に学校内を全員でぞろぞろ歩きながら、お芝居で学校をひとめぐりするというものです。写真 9月にはこれを山梨県の甲府昭和高校で演劇部員の生徒たちとやりました。その甲府昭和高校演劇部は、11月の山梨県大会で最優秀賞を受賞し、来年1月の関東大会に出場します。すばらしい。12月(今月!)には同じ作品で「高校演劇サミット」にも参加してくれます。参加してくれますと書いたのは、「高校演劇サミット」を企画し、実現に向けて奔走している主催者のひとりが私だからです(青年団演出部の先輩、西村和宏さんと私)。12月17日(金)〜19日(日)の3日間。会場は小竹向原のアトリエ春風舎です。珠玉の高校演劇作品を小劇場で鑑賞するという企画です。出場校は甲府昭和、都立飛鳥、都立世田谷総合の3校です。よろしければぜひ!

写真  いまは愛媛県の西条市内のホテルでこれを書いています。松山空港から車で西条市に移動。明日はこのマチの小学校でワークショップです。最後の『ブラタモリ』がぶらぶらと新宿のマチを歩くゲームだったので、このレポートも各地を移動しながら書いてみました。だからなんなんだ。単に読みにくいだけですね。まぁいいや。アシスタントをお願いしたのは川田未奈さんです。川田さん、一日お付き合いくださってありがとうございました。またぜひ! 会津若松でも書きましたが、次回のワークショップは1月22日(土)の予定です。「俳優を目指さない演劇ワークショップ」です。2001年2月に第1回をやって、次回で丸10年だ。長く続いたなぁ。私も歳をとるわけだなぁ。そして今後もぶらぶらと歩いて行こうと思っております。どうぞよろしくお願いします。

 不等辺△劇団WS管理部 林成彦(はやしなるひこ)


写真  お疲れさまです。今回アシスタントを務めさせて頂きました川田です。久しぶりのワークショップの開催で、不意にアシスタントを依頼されビックリしました。当日は、この半年ぐらい眠ってた細胞が開くような環境に幸せと高揚感と緊張感とでドキドキが溢れた一日となりました。

 林さんの作り出す場は、カラオケや遊園地その他世の中にある遊び方とはひと味もふた味も違い、知恵と工夫がつまっています。遊ぶきっかけ・ルールが提示され、遊び方を自分達でつくりあげて、そこにいるその時の自分達にしか出来ないアイデアが生まれて…。なんて幸せな事なんだろうと思います。

写真  今回途中から参加したゲームで再発見し実感した事がありました。それは「三人寄れば文殊の知恵!」という事です。私一人じゃ思いつかない事を4人のチームで考えると、アイデアが浮かぶ!まとまる!おぉ〜 凄いなぁ!正直なところ、個人的にはチームプレーが苦手な性格でチームがまとまらなかった時の気苦労から逃げてたりするのですが、チームで動くことの良さを肌で感じました。逃げずにチャレンジ!ですね。勉強させて下さって本当に感謝します。

 また、今回お会いできた参加者の皆さんにも感謝申し上げます。一緒に楽しい空間を創って頂いて本当にありがとうございました。

 アシスタントとしてあまり貢献できていないとは思いますが…、これからも参加者orアシスタントとして関われていけたら幸いです。それまでにカメラワークスキルをもう少し上げておきたいです^▽^;最後に、忙しさでヘトヘトになっている林さんの気苦労が心配です。

 今年も残すところあと僅かですが…、皆さん、体には気をつけてお互いに程よく生きていきましょう♪♪ 本当にありがとうございました。

 川田未奈(かわだみな)


★アンケートより

写真 ○みなさん、にこにこ感じのよい方ばかりで楽しかったです。
○雰囲気がとてもよかったです。進行側のおふたりの雰囲気も大好き。メンバーにも恵まれ、あっという間の4時間でした。みんなで“演劇をつくる”のがよかったです。
○「テマリ」は本気で燃えました!!
○「テマリ」「世間話フルーツバスケット」が楽しかったです。
写真 ○「世間話フルーツバスケット」がおもしろかったです。なぜやるのか、何に気付いてほしいのかが明確にわかったからだと思います。
○終盤のシーン作りが難しく、だからこそおもしろかったです。
○初対面のメンバーでストーリーをつくり上げていく達成感が味わえて、とても充実した時間でした。
○後半でやった芝居は、ハードルは高かったですが、おもしろかった。
○カギを落として全員でひとつの話を作っていくゲームがおもしろいなと感じた。やり方によっては、演劇って幾通りも変えられるんですね!
○林さんは本当にいつも感心するほど丁寧で、でも作っていく時にちょっと丁寧だけでなく、もっともっとと参加者に求めた瞬間もあって、「おっ!!」あたらしい魅力発見!と思いました。
○態度やしゃべり口調などがわかりやすく、ああいうものが欲しいです。
○緊張することなく、プレッシャーも与えられず、この短時間で10名の人とコミュニケーションができる進行は見事です。
○実はワークショップ初参加だったので、どんな感じかイメージがつかなかったけど、きちんと仲間になれた感じがしてよかった。厳しすぎることも甘すぎることもない感じが心地よいです。
○演劇教育ってなんじゃいっ!!と大混乱していました。すこーし頭の中が整理されて(私はやっぱり動いてナンボ)、また明日から勉強続けられます〜。
○アシスタントのパナソニックさんもお疲れさまでした。

<前一覧次>


トップページ > ワークショップ > 第73回