△ 不等辺ワークショップ第69回 (2009/09/05)


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写真  進行役を務めた林です。これを書いているのは9月21日です。すでに秋。すでに大型連休。昨日おとといと高校の文化祭がありました。東京では高校演劇の地区大会も始まっています。芸術の秋です。私も忙しくなります。私の日々の活動については「不等辺演劇倶楽部」のブログに詳しいです。よければご覧ください。あれやこれやしている間に、ワークショップから半月以上もたってしまいました。レポートを書くのが、毎回毎回おそくなってごめんなさい。通算でこれが69回目のワークショップでした。祖師ヶ谷大蔵は暑かった。まだ夏の日差しが残っていたころのことでした。遠い目をしながら(?)、ざざざっと振り返ります。

写真  会場でみなさんをお待ちする間、時間があったのでアシスタントの川田さんと「頭文字探し」をしました。あちこちのワークショップで最近よくやるんですが、会場内で例えば頭文字が「あ」のものを探す。空き缶(私が飲んだ缶コーヒー)とか。赤のチョークとか。ウォーキングのなかでこれをやろうと思ったので、あらかじめ下調べ。今回は「た」と「か」と「ら」の3文字でやる予定。「宝探し」ですね。やってみると、これがなかなか見つからないねー。特に「ら」がない。2人でさんざん探して、見つかったのが「ラジカセ」「ライト(天井の照明)」「ライン(ジャージの2本線)」ぐらいでした。あと強引に「ライトアイ(右目)」。考えてみれば、ラジカセで平原綾香の新作を流しっぱなしにしていたので、「ラブソング」とかもあるね。かっこいいね。目に見えないものを見つけたらすごいな。格好の準備体操になりました。アタマの柔軟体操。そうか、これ昨日の文化祭でもやればよかったな。失敗したな。

写真  『ウォーキング』でたっぷり歩き回り、小まめにコミュニケーションを重ねた後は、恒例の10秒スピーチです。写真 今回のお題は「10年前の夏の思い出」です。ただの「夏の思い出」ではなくて、ひねりを入れました。10年前、つまり1999年の思い出を、あたかもこの夏の出来事であるかのように語る。1999年にタイムスリップ。ただこれは私の説明が不十分でした。「10年前は私は○○歳で」みたいに話し始めた方が多かったです。それだと立ち位置が2009年のままですものね。年齢を言う必要はないんだけど、もし言うなら「いま私は○○歳で」です。ほんの10秒間だけ、普段の自分とはちがう自分(10年前の自分)になってみたい。このスピーチを素材にニックネームを作ります。「長い距離を歩いて旅行するのが好きで、東京から千葉県の銚子まで歩いていこうと思って地図やらいろいろ準備して」云々と語った私のニックネームは「マップル」になりました。いいねー。私、本当にマップルの地図を愛用していたんですよ。それが自分の呼び名になるなんてなぁ。「カシユカ」「ポカツカ」「タチッパ」「イヤダン」「バショウ」「プチ」「ミサチュウ」「デングリ」「チャリツー」そして「マップル」。字面だけ見ると覚えにくいかもしれない。でも由来となったエピソードがありますからね。エピソードとひっくるめて覚えちゃおう。そうか、ことによると10年前から実際にその名前で呼ばれていた可能性もあるんだね。

写真  世間話フルーツバスケットは初めてのゲームです。私テキにはこれが今回のハイライト。8月末に教員免許の更新講習会があり、それ用に考案したものです。これは林成彦の完全オリジナル。このゲームが経験できるのは、私のワークショップだけですよ。ルールはシンプルです。基本は普通のイス取りゲーム。それをペア単位でプレイ。写真 さらにイスごとに場所の設定を決めて、その場所にふさわしいお喋りをするというものです。考えてみれば「世間話」でもないし、「フルーツバスケット」でもないな。まぁいいや。場所の設定は「牧場の柵」「食卓」「病院」「開演前の映画館」に決まりました。隣にいる相手が同じでも、病院にいるときと映画館にいるときとではちょっとちがう自分になる。同じ場所にいても、隣にいる相手が変わるとまたちょっとちがう自分になる。環境によっていろいろな自分が現れる。それを30秒ごとにパノラマ的に体験するゲームです。さらにこのゲームにはもっと壮大なおもしろみがあるのですが、それの説明は割愛。やればすぐに実感できます。さっきは10秒間だけ10年前の自分になりましたね。今回のワークショップでは「いろいろな自分」になっているなぁ。これも「自分探し」? でもよくあるモラトリアム的な「自分探し」とはゼンゼンちがいますね。ここでは、すでにある自分のいろいろなパターンを再現してみる。自分をシミュレートする。たまにはそういうことをやるのって心身にいいと思います。「自分」のストレッチですね。

写真  この後は秘密のゲーム、そしてペンキ屋と続きます。『秘密のゲーム』もこのワークショップでは初めてのゲーム。どんなゲームかは秘密です。またこんど詳しくね。最近これもあちこちでやっていまして、2学期に入ってから授業ではこればっかりだったりする。写真 このワークショップでもまたやります。お楽しみに。ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。お疲れさまでした。レポートが遅くなってごめんなさい。アシスタントは川田未奈さんです。川田さん、お忙しいのに1日お付き合いくださってありがとうございました。佐世保と長崎についての話はおもしろかったなぁ。私は日本地図が好きなんですが、長崎県のことはあまり知らなかったです。もう20年以上も長崎県には行っていない。また行きたいなぁ。それも演劇の仕事でだったりしたら最高です。呼ばれたら馳せ参じます。

写真  このところ毎回、ワークショップのレポートを書くのに苦心しています。時間がかかる。以前はそんなことはありませんでした。書きたいことがたくさんあって、すぐに書けた。2005年〜2007年の3年間に、私はこのワークショップを32回もやっています。ほぼ月イチのペース。ということはほぼ月イチでレポートを私は書いたわけだ。ほんの3年ほど前の自分に感心します。写真 レポートがすぐには書けなくなってきた理由は明らかです。認めたくはないけど、私のなかでこのワークショップの優先順位が下がってきたのでしょう。以前はこのワークショップが全てでした。演劇活動を続けていく上の最後の砦でした。いまはおかげさまでいろいろな仕事をいただけるようになりました。それらはどれも大きな責任を伴うものばかりです。例えば高校演劇の審査員がそうです。今年も私はいくつかの大会で審査員を務めますが、背負っている責任の重さにいつも震え上がります。これまでの私の全てを懸けて、上演される作品に向き合う。審査講評に命を懸ける。以前は、それと同じぐらいの意気込みで1回1回のワークショップに臨んでいました。失敗したら演劇人生が終わってしまう、ぐらいの。いまはそんな意気込みはもちろんありません。ワークショップがどんどん軽くなってきています。よくないよくない。

写真  次回は11月7日(土)の予定です。通算で70回目の「俳優を目指さない演劇ワークショップ」です。じつは5年前もちょうど11月7日にやりました。このワークショップがいまの形態になって1歩目を踏み出したのが、その日でした。私にとってワークショップ記念日です。その日、また「5年前の自分」になれたらいい。もういちど初心に戻り、再び1歩目を踏み出したいと思います。多くの方のお申し込みをお待ちしています。よろしくお願いします。

 不等辺△劇団WS管理部 林成彦(はやしなるひこ)


写真 こんにちは。
アシスタントとしてご一緒させて頂きました川田です。
「みさちゅう」というNAMEでお邪魔しました★
今回2回目のアシスタントでしたが、お声掛け頂いた時は非常に嬉しく当日も本当に楽しい時間を共有できました。
お会いできた参加者の皆さん、林さん、本当にありがとうございます。

写真 皆さんのBESTショットがピントのずれなく撮れたらよかったのですが、枚数は多いけど、失敗が多そうです。未熟な腕前で失礼しました…。
参加された方の活き活きした「イイ顔」は、記憶の中にはあるのですが、アウトプットとなると難しいなぁと実感です。

さて、私は、このワークショップが「自分らしい元気な楽しい場」になれるから大好きです。だからレギュラー化しております。
心の中では「自分が中学生や高校生の頃にクラスメイトとこのワークショップを共有出来てたらなぁ」という思いでいっぱいです。
それは「相手を受け入れて、自分も出す」というとても大切で大事な姿勢を、シンプルに楽しく、時には難しく実感できるからだと思います。
もちろん今回もそれを体で感じとりました。
想像力豊かな皆さんにも、勝手ながら爆笑させてもらいました!

またこれからもお世話になるかとは思いますが、その時はどうぞよろしくお願いします。
いよいよ次回は70回!素敵ですね〜^▼^今からとても楽しみです。


★アンケートより

写真 ○あたたかな雰囲気で、あまり緊張せずに参加できました。
○ひとつひとつのゲーム、エクササイズが興味深かったのですが、セリフ、言葉を使ってやるものが特に面白かったです。
○こういった体験授業を何回か受けました。こういうゲーム形式のやり方があるのかと思いました。良い経験をしました。
写真 ○訪ねる側と迎える側に大変興味がありました。
○やっぱり秘密のゲームやあいうえお作文がおもしろかったです。
○秘密のゲームが印象的でした。
○「話に乗る」ことが難しいと改めて思いました。自分の引き出しをもっと開けやすくしたいと思います。
○大学で演劇の科目を選んだのですが、このようなワークショップを受けるとますますやる気が上がってきて、未来に進んでいきたいと思います

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