△ 不等辺ワークショップ第44回 (2006/12/10) 後編


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 レポートの後半です。ひきつづいてリーダーを務めた林です。大豆ワークショップ、別名『まめくらぶ』の様子をお伝えします。

写真  まずはお出掛けです。お買い物に行きますよ。外に出られるように準備をお願いします。もう日も落ちて、さすがに寒いですね。「寒冷地用」のホッカイロが手放せません。ぞろぞろと近所のスーパーマーケットまで、10分ほどのお散歩です。私のワークショップで会場の外に出たのはこれが初めてです。せっかくのお散歩ですからね。もっとお散歩そのものを楽しめればよかったな。日のある時間帯にね。もっとあたたかいといいね。それは今後の楽しみにとっておきましょう。

写真  『まめくらぶ』のルールを説明します。4グループに分かれてもらいましたね。各グループに、食べ物の「作品」を作ってもらいます。お皿が舞台です。主役は大豆食品です。豆腐か納豆。どちらかをかならず使ってください。グループごとにお財布をお渡しします。なかに500円入っています。これで「共演者」を用意してください。食べ物を買ってくださいね。混ぜたり並べたり、どう演出してもいいです。食べ合わせ、取り合わせ。色や形。なにに重点を置いてもよし。いままで食べたことのないようなものができると、私はうれしいです。凝った料理はできません。道具は包丁とまな板と電子レンジがあるぐらいです。どんな作品を作るか。500円でなにを買うか。グループで相談してお買い物をしましょう。レシートとおつりはお財布に入れて後で返してください。注文は以上です。15分以内にお願いね。じゃ、どうぞ!

 500円で買い物をするって、子供のころを思い出しますね。買えるもの、限られるもんなぁ。横山さんには3000円お渡しして、ビールやおつまみを適当に見繕ってもらいました。そうしたらレジでお金が足りなくなっちゃったそうです。3000円でも出ちゃうんだなぁ。500円って厳しいなぁ。大人になって、自分の財布を持たないってこと、普通ないですもんね。あ。ちなみに買ったものは使い切る、作ったものは食べ切る、というのもルールです。無駄を出さないようにしましょうね。

写真  私は引率する立場でしたので、私自身はちょっと外れるのだけど、このお買い物タイムはよかったなぁ。ああして「誰かと夕食のお買い物をする」って、なんて幸せそうなんだろう。みなさんの様子を眺めていて、天然ホッカイロのように胸があたたかくなりました。本当に。だって、しないですもの。私は普段。そんなの。見ていて、その素晴らしさにやられました。ほっこりとした感動があった。「どうしようか」とか「なににする?」とかって、相談しながら店内を歩いている。たまたまだけど、男性3名はそれぞれ別のグループに分かれました。いいなぁ。ああいうのは。初対面の相手とスーパーマーケットに買い物に来るってこと自体、あまりない体験でしょう。緊張や気まずさも少々ありつつね。たぶん。でも新鮮な体験だったのでは。

写真  白いお買い物袋を提げて、夜道をぶらぶらと会場に戻ります。こう、張り詰めたものが全然ないのが、いいですね。私たちは初対面なのに、穏やかな気分の帰り道。「夕食のお買い物」効果かしら。さぁ畳の上にレジャーシートを大きく広げましょう。創作タイムのはじまりです。グループ毎にお揃いのエプロンを着用します。道具に限りがあるので、グループ同士お互いに譲り合ってくださいね。その間にこちらでは「豆クイズ」の準備をします。お皿に5種類の豆をざらざらっと並べます。ざっと大豆、ひよこ豆、とら豆、黒豆、青大豆。名前は伏せています。それぞれの豆の名前を当ててください。眺めてよし。触ってよし。グループで相談してよし。ちなみに火を通していない豆は食べないほうがいいです。豆クイズのことはもうまるっきり横山さんにお任せでした。

 さて20分ほどの創作タイムが終わりました。できましたね〜。4作品が出揃いました。作品名は「林さんバーグと豆腐のショートケーキ」、「12月の風に納豆をのせて」、「お花畑」、「ハンバーグケーキ」です。それぞれの写真は「不等辺演劇倶楽部のブログ」にも掲載しています。よろしければそちらもご覧になってください。作品をお互いに鑑賞&味見&品評&採点します。横山さんに炊いてもらった豆ごはんをいただきつつ、ビールを飲みつつ、大豆作品に舌鼓を打ちました。

写真  採点のために六角形のレーダーチャートを用意しています。採点項目は味のよさ、見た目のよさ、栄養のバランス、品数の多さ、買い物上手さの5項目。それぞれが5点満点。それに豆クイズの正解数を加え、30点満点で評価します。「味」と「見た目」はグループ同士でお互いに評価してください。「栄養のバランス」はご専門の横山さんにお任せです。資料は各グループのスーパーのレシートです。買った品目を見て、6大栄養素のうちのいくつを概ねカバーできているかで評価します。「品数の多さ」は、500円以内で何種類の品目を買ったか。たくさん買った順に評価。「買い物上手さ」は、買い物の金額が500円に近かった順(おつりが少なかった順)に評価しました。…ああ、たいへん。

写真  審査結果の発表です。じゃかじゃかじゃかじゃか、じゃん! 30点満点でなんと27点。クイズが3点、栄養が4点だった以外は全て満点。ダントツの高評価を得た「お花畑」の優勝です。スタ丼、ちゃんこのお二人、おめでとうございます! でも他のグループのみなさんもとってもよかったです。大事なのはプロセスですから。歩いて、相談して、決めて、買って、帰ってきて、広げて、開けて、出して、切って、並べて、混ぜて、チンして、名前をつけて、披露して、食べて、飲んで、片付けて、というそのプロセスを楽しんでいただければ、採点や評価はおまけみたいなものです。初めてのおつかい。初めての大豆ワークショップもこれで終了です。みなさん、ご馳走さまでした。お疲れさまでした。どうでしょう。普通の打ち上げより、100倍は楽しかった。んじゃないかな。どうかしら。

写真  2006年のワークショップ活動もこれでめでたく終了です。ご参加ご協力くださったみなさん、お蔭さまで無事に1年を締めることができました。ありがとうございました。特にこの1年間はアシスタントのみなさんに本当に助けていただきました。全員がもともとは参加者としてこのワークショップにいらした方々です。横野さん。松浦くん。冨田さん。近藤直子さん。近藤樹里子さん。寺澤さん。桜庭さん。横山さん。お世話になりました。事前に十分な打ち合わせもできず、十分なお礼もできず。みなさんのご好意に甘えてばかりでした。申し訳ない気持ちと感謝の気持ちでいっぱいです。みなさんに一層楽しんでいただけるように、今後もますます精進します。ぜひまた参加者としても遊びにいらしてください。どうぞよろしくお願いいたします。

 不等辺△劇団WS管理部 林成彦(はやしなるひこ)


 コモンズへまたいらしてくださいね。どうぞ豆豆しい良いお年を。
 (アシスタント・横山紀子)


★アンケートより

写真 ○初めてワークショップに参加しました。なので比べることはできないですが、とにかく楽しかったです!
○「ウォーキング」、その時の状況によって人の行動はどうなるかのゲームが楽しかったです。
○「バースデイ」のゲーム、楽しかったです。もう少し時間を使ってもよかったと思います。
○「バースデイ」の連想ゲーム、おもしろかったです。
○「ごみ問題」、レイをかけられてうれしかったです。
○「ごみ問題」、感情を込めて相手に伝えるゲームが楽しかったです。
○「ごみ問題」、出題者にとってよかったことを言う点、伝えること感じることの大切さを学びました。
○「まめくらぶ」はとても新鮮でした。
○演劇は(ワークショップは?)「自分を解放すること」と聞いたことがありますが、なるほど、納豆…いや納得です。
○元気になりました。ありがとうございました。
○ひさびさに来ましたが、相変わらず居心地のよい空間でした。
○声がいいですね! じゃなくて? 輪の中にとけ込める。
○また参加したいです!

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