△ 不等辺ワークショップ第50回 (2007/06/30)


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写真  進行役を務めた林です。ワークショップの様子をレポートします。6月30日(土曜)。午後1時ちょうどです。車座になって、いつものように「初めて参加なさった方」に手を挙げてもらいます。15名の参加者のうち半分ほどの方の手が挙がりました。来てくださってありがとうございます。きっと2度目3度目の方々よりも大きな不安と緊張を抱えていることだと思います。みなさんのことをいちばん大切に思って、私は進行します。いつもそうです。なにより初めての方こそが楽しんでいただけるように。そして今後2回3回と参加してくださるように。そうやって1回1回のワークショップを大事に大事に進行して、今回が通算で50回目です。

写真 そうかぁ。50回もやってるんだなぁ。よく続いたなぁ。ワークショップの最後、参加者の方々から花束までいただいちゃいました(初めて来た方には、なんのことかよくわかんなかったよね。私事でごめんなさい)。ありがとうございました。2001年2月に第一歩を踏み出して、これで50歩です。私の足跡が50個、地面にスタンプのように押されているわけです。たとえ話をするよ。手紙を1通書くごとに、胸を焦がすほど好きな女の子に一歩ずつ近づいていける気がした、そうやって1通1通大事に手紙を書いていたように、1回1回大事にワークショップを進行することで、私は胸を焦がすほど好きな「何か」に一歩ずつ近づいているのだと信じています。その「何か」って何なのや、自分でもまだようわかれへんのよ。それをきちんと見定めようと、また一歩ずつ進んでいきます。もっともっと遠くまで歩いていきます。今後もどうぞよろしくおつきあいください。参加者のみなさんあっての「俳優を目指さない演劇ワークショップ」です。

写真  さて。主なゲームを振り返りましょう。まず、ペアになって会場を歩き回りましたね。この会場にある「なにか危ないもの」を2人で見つける。のっけから、実はこれ、私が今回のために案出した「必殺のアイデア」でした。誰かとおしゃべりしながら2人で歩くっていうの。日常生活ではごく当たり前のことですよね。歩いているからこそ、誰かと2人だからこそ、頭が活性化したり、気付いたりすることがあるんだと思います。どうかしら。初対面の相手といきなり2人で歩くのって、プレッシャーもあるでしょうけど、でも歩きながらだとある程度ごまかせたりもできないかな。ペアで歩いているのは自分たちだけじゃないし。

写真  「ペア・ウォーク」で始まったからってわけでもないが、今回はペアで取り組むゲームが多かったですね。「前後左右ジャンプ」というゲームもそう。ルールはシンプルで、向かい合って「前」「後ろ」「左」「右」に、ぴょこんと跳ぶっていうだけのもの。これがなかなか難しい。間違えちゃったら負け。16名なのでうまい具合にトーナメント戦ができました。優勝するには4連勝しなきゃだめ。私はこのゲーム、すっごい苦手で、見本を見せることすらできない。1回も勝てなかっただろうなぁ、きっと。

写真  目を閉じて輪を作る。「暗闇リング」。初めて試したゲームです。今回のワークショップでいちばん強い印象を与えたのがこのゲームのようですね。「これって人生みたいだ」という感想を聞かせてくれた方がいます。私たちは、もっとわかっているようで、実は手で触れられる範囲のことしかわかっていない。私たちは、思っている以上に小さな世界にいて、思い切って大きく動かないとなかなか新しい人と出会うことができない。なるほどなぁ! 私はたしかに一部始終を見ていましたが、だからってそれは「神」の立場ってわけじゃありません。私は何も知らないもの。ひとりひとりがどのような経験をしたのか、私には想像もつきません。どんな出会いや、どんな失敗や、どんな迷いや、どんな不安や、どんな喜びがあったのか。みなさんご自身の経験はまったく固有のもの。そういう意味で、たしかに人生に似ているかもしれないですね。私もナマの、自分だけの経験をしてみたかったな。

写真  今回のアシスタントは田澤恭平くんです。田澤くんは「和楽加音(わらくかのん)」という演劇チームを主宰していて、ワークショップ活動にも意欲的です。以前彼にアシスタントをお願いしたとき(第45回)と同じように、今回も『田澤くんコーナー』を用意しました。1時間、まるまる田澤くんにお任せ。プランも進行もタザワ・オリジナルです。写真 私も楽しみ。一言ずつぐるぐる何周も回す「自己紹介」は初体験でした。今回はいつもの『ジャグリング』をやっていません。それの代わりに、こういう形で参加者の方々のプロフィールが少しずつ明かされていくのは楽しい。ワークショップ全体のバランスの観点から「おおお。田澤くんナイス!」と、私は内心で快哉を呼んでいましたの。「島乗り」も楽しかったが、極めつけはやっぱり「クモノス」ですよね。傍で見ていて、これはすごいなと感心しました。みんな燃えていたもんな。これ、田澤くんが自分で考案したゲームなんだそうですよ。すっばらしい!

写真  再び私です。『ペンキ屋』は車座でまず2周。車座の段階でテーマを付したのは初めてでした。「青春」、そして「出会いと別れ」。そのテーマのままペンキの部屋に入ります。BGMは1部屋目がさだまさしの「北の国から」。2部屋目が尾崎豊の「アイ・ラブ・ユー」でした。タテに年齢幅の広い私たちが、この部屋のなかでだけ、青春っぽい感じでヨコの繋がりを感じる。これこそ演劇だなぁ。いいなぁ。いつもだったら、この『ペンキ屋』でワークショップはおしまいです。でも今回は必殺のアイデアがあったのだ。最後にもういちど「ペア・ウォーク」をします。ペアを作って、2人で会場をぶらぶらと歩き回りながら、今日のワークショップの感想をシェア。これってとっても豊かな時間だったんじゃないかしら。歩きながらおしゃべりするのって、いいですよね。2人って、いいですよね。

 ご参加くださったみなさん、お疲れさまでした。ありがとうございました。アシスタントの田澤くん、体験レポーターの山田、どうもありがとう。みなさんがアンケートに感想を書いてくださっている間、BGMとして山崎まさよしの「明日の風」を流します。この曲が、私の最近のお気に入りなのです。歌詞が「いいなぁ」と思うんです、聞くたび。

写真 写真  ありったけの君の声を聞かせてほしい今すぐに♪

 本当にそうなのです。思ったこと感じたことを、ありったけ聞かせてください。遠慮は無用です。参加者の方々の声こそが「神の声」です。1回ごとにきちんと振り返り、きちんと反省して次回に活かす。過去の49回があって今日の第50回があり、みなさんの言葉が第51回をよりよいものにします。次回は7月28日(土曜)です。ぜひ楽しみになさってください。また新しい出会いがあることを私も楽しみにしています。

 ありったけのこの声を届けてほしい君のとこへ♪
 悲しみを残したまま僕らは次の場所へもう踏み出してる♪
 明日に向かう風が街を吹き抜けてく♪
 振り返ればあの道から♪
 あの日の2人が僕らを見送ってる♪

 不等辺△劇団WS管理部 林成彦(はやしなるひこ)


写真 おはこんばんちわ〜。アシスタントを務めました田澤恭平です。
至らぬ点もございましたが、楽しく過ごしていただけたなら、これ幸いでございます。

さて、僕が一部担当させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
僕は勿論芝居畑ですが、芝居らしいものだけをやろうとはおもっていません。今回はプロジェクトアドベンチャーにあるものから引用、そして芝居要素を足して、やらせて貰いました。
写真 プロジェクトアドベンチャーが何かは、まだ僕にはしっかりと説明できません。これが少し申し訳ないのですが、ワークショップでもなくレクリェーションでもない。そして、ワークショップでもありレクリェーションでもあるのです。
芝居で演じるのも楽しければ、ワイワイ汗かいて遊ぶのも楽しい。
楽しいことをしていて、人と、何か通じることが出来たら素敵だとおもうのです。

またいずれアシスタントをやらせて頂けたら良いな、とおもっています。その時は是非に、またおいで下さい。
駄文失礼致しました。


写真 今回、私はすっごいテンション上がりました。
皆さんはどうでしたか?
蜘蛛の巣や輪になるとか、みんなで力をあわせて行うゲームが多かったからかな。
でもやっぱり一番の理由はメンバーが良かったんですね。
皆さんありがとうございました。
私はいつも、性別や年齢のギャップを感じるのですが、今回はあまり感じませんでした。
いつもならもっと他の参加者の人たちを、観察するのに、今回はしなかったような気がします。
自分が楽しくて周りを見ていませんでした。
これは反省です。
「あー楽しかった」だけで終わってしまいました。
取り合えず楽しむのは大切ですが、それから何か学びとらなくては!!
まぁ少しずつやっていこうと思います。
本当に皆さんありがとうございました。

山田歩


★アンケートより

◆雰囲気&内容について

写真 ◇頭も使って体も使って、ありえない体験ばかりさせてもらいました。自分に足りないもの、苦手なことが見えてきた気がしたので、また何度か参加したら克服できたりするのかなぁと思いました。
◇最初「一体どんなことすんだろう?」ってすごい不安やったんですが、すぐにリラックスできて素に近い自分でいることができました!!
◇私は演劇とかまったくの門外漢だったけど、スムーズにひとつひとつついていけたのでよかったです。
◇もっと厳しいのかなと思ったけれど、こんなに楽しいワークショップは初めてでした。
◇手の感触を頼りに相手を探すゲームは発見でした。一人一人の違い、それを覚えている感覚…。
◇目をつぶって手をつなぐ。五感のうちひとつを失うことで他の感覚が鋭くなることに気付きました。
写真 ◇目をつぶって手をつないでひとつの輪になれるのかドキドキしましたが、目を開いた時の心がワ〜っとうれしくなる感覚がずーっと最後まであって、とても楽しかったです。
◇目をつぶり手をつなぐゲームが楽しかったです。色々な手の感じがあり、暗闇のなか不安な気持ちで手を探し求め相手を見つけられた気持ちの安心感というか…。途中経過をビデオで見てみたいです。
◇手つなぎとペンキ屋が好きです。一文ずつ言っていく自己紹介もいいアイデアですね。
◇ラストが盛り上がるといいなぁ。ペンキ屋で不完全燃焼っていうか、くやしい。もっとやりたい!と思ってしまいました。
◇雰囲気作りと周到に練られた受容力を高めていくメニューの展開はすばらしい! なので終わりの方はもう少しリスクがあっても耐えられたのでは? その方が得るものは大きいはず。
◇とても楽しかったので、これからもぜひ続けていってください。「俳優を目指さない」という謳い文句が、参加しやすかったです。

◆リーダーについて

◇成さん、うまいっ!!

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