△ 不等辺ワークショップ第45回 (2007/01/27)


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写真  リーダーを務めた林です。2007年の1回目。通算でこれが45回目。この「俳優を目指さない演劇ワークショップ」も7年目に突入です。よく続いたなぁ。自分でびっくり。今年もほぼ毎月1回のペースで実施します。どうぞよろしくお願いします。会場はいつもの八幡山。今回のアシスタントは田澤恭平くんにお願いしています。簡単な打ち合わせと応急処置(田澤くんが自転車で転んだんだそうです。大丈夫だった?)をすませ、参加者のみなさんをお待ちします。会場ではアンジェラ・アキのCDをかけっぱなし。お天気がいいと、会場の雰囲気も明るくなりますね。私たちはすっかりリラックス。BGMを、気分でザ・ハイロウズの「日曜日よりの使者」に切り替えて午後1時。時間通りにワークショップがスタートです。シャラララ〜、シャララララ〜♪

写真  『ウォーキング』と呼んでいるゲーム。毎回やっていますが、内容は毎回変わります。なぜなら事前に内容を考えていないから…。気分とノリと勢いで、その場その場でルールを作っています。いろんなゲームのルールが複合されるのが自分でおもしろいです。ぱっと3秒間で50音順に並んだりしましたね。アイコンタクトを交わすごとに笑顔の目盛りを1から10まで上げていくの、あれ完全なアドリブです。でもおもしろかったね。そうそう、最初に会場の観察をしたんでした。「赤いもの」「やわらかいもの」「立派なもの」「筆舌に尽しがたいもの」を探してもらいました。探してみると見つかるものですねー。「筆舌に尽くしがたいもの」があの会場にあるなんて。ちなみにこのルールは最近読んだ「考具」(加藤昌治著)という本からヒントを得ました。

写真  『ジャグリング』のなかでニックネームを作っています。「OK」「江戸」「ガオカモンカフェ」「東急」「ミニストップ」「ファミマ」「スタバ」「郵便局」「あべひげ」「演舞場」。これはなにかと言いますと、この1週間以内に自分が実際に行った場所を挙げてもらい、それを元に作ったニックネームです。ちなみに「あべひげ」は私です。仙台の、とってもワンダフルな飲み屋さんの名前です。仙台で演劇をやっている方ならきっと誰もがご存じのお店。これらのニックネームを使って、キャッチボールをしたり、名前オニをしたりしました。写真 そうそうそう。偶然だけど、打ち上げでも似たようなことをしましたね。流れで。いわゆる山手線ゲーム。飲みながら、この1年間にマチで見かけた有名人を挙げたんでした。「ビル・ゲイツ」とか「ハンカチ王子」とかね。名前を忘れてしまったけどジャイアン役の声優とかね。こう、挙がる名前に統一感がないのがいいですね。ニックネームはそれでもよかったなー。ニックネームを呼ぶときは、かならず「あ!」と叫んで指差しながら言うとか。それもいいな。来月はそれかな。

 『テマリ』は燃えます。本気でやらないと勝てない。自分にできることをきちんとやって、あとはチームメイトを信じる。球技も演技も、本質は同じなのです。精一杯やったなら試合に勝てなくたっていいじゃないですか! 負けたっていいじゃないですか! 罰ゲームをさせられたっていいじゃないですか! みんなで歌を歌わせられたっていいじゃないですか! 「チューリップ」の歌、とってもよかったです。みなさんの表情がいいし、いい声が出ていた。あ。ちなみに財津和夫じゃなくて、咲いた咲いたのチューリップです。

写真 写真  『ZOO』はひさしぶりだなぁ。動物園を抜け出した動物たちが自分探しをするゲームです。今回はかな書きで2文字の生き物に限定しました。このゲームは難しいですよねー。私はこれ、実は苦手です。かつて私が「ラッコ」だったとき。もちろん私は自分がラッコだということをまだ知りませんよ。私が「私は4本足ですか?」と質問したら、相手に「いいえ」と言われました。このたった一言で私は自分を見失った…。相手はラッコの前足を「腕」だと思っていたんだな。与えられる情報が真実だとは限りません。不正確な情報に振り回され、アイデンティティを見失う者たち…。見ていて切なくなります。

 今回のワークショップで特筆すべきは、なんと言っても『田澤風シェイプアップ』です。アシスタントの田澤くんにワン・コーナーを丸々お任せ。進行も内容もです。なにをやるのか私も知りませんでした。田澤恭平くんは「和楽加音(ワラクカノン)」という劇団を主宰しています。写真 劇団のワークショップ(私も参加しました)では進行役を務めています。それならばと、中盤の進行役を彼にお願いしたのでした。途中で進行役を引き継ぐのはプレッシャーもあったろうと思います。そもそもお願いしたのが当日でしたし。田澤くん、お疲れさまでした。ありがとうございました。学校に授業に行くときは大概チーム・ティーチングの形をとりますから、途中で進行役がチェンジするのは実は珍しいことではありません(私たちの授業だけかな?)。ですが、この「俳優を目指さない演劇ワークショップ」では、今回が初めてでした。私にとっては非常に新鮮でした。参加者のみなさんはいかがでしたか? 田澤くんさえよければ、ぜひまた登板を願いたいと思っています。

写真  さて、その『田澤風シェイプアップ』。参加者のみなさんに「自分が経験したマヌケ話」を語ってもらうことから始まりました。なるほど。ワークショップ後の反省会で、田澤くんの話を聞いて私はすっかり納得です。参加者のみなさんが、その場の全員に向かって話をする(それを他の全員が聴く)機会は、このときだけでしたね。たしかにそうだ。私が進行した部分にはなかったね。参加者のみなさんにバランスのとれた演劇体験をしていただく、これは重要な時間でした。考えたなぁ。2グループに分かれ、マヌケ話のひとつを選んで、その瞬間を捕らえた「写真」を撮ります。スナップショット。瞬間画像。互いに見合った後、その「5秒後の写真」を作り、変化のプロセスも見せる。うん。なるほど。こういうの、私はやったことがないな。いいね!

写真  また田澤くんからバトンタッチ。『イスとり系』から最後の『ペンキ屋』につなぎます。BGMは2曲。1曲目は、ホンダのCMで使われていた「ロミオとジュリエット」。2曲目がエルトン・ジョンの「ユア・ソング」でした。ほぼ時間通り、午後5時にワークショップは無事に終了です。ご参加くださったみなさん、お疲れさまでした!

写真  自分のお気に入りの曲をBGMとして使うのが私の楽しみのひとつです。稽古場にいつも持っていく。いま一番のお気に入りは中村中(ナカムラアタル)の「友達の詩」です。ご存じですか? 歌声は、薬師丸ひろ子の声にパンチを利かせたみたいな感じですね。そして詩がとてもいい。「手をつなぐ」とか「並んで歩く」とかって、私のワークショップっぽいじゃないですか。今回もそう、いつもやりますからね。そして「友達くらいでいい」ってのがね、いいですね。ワークショップに来てくださったみなさんと、ワークショップ以外の場でお会いすることって、私はほとんどありません。毎回とっても楽しいですけどね。でもべったりと馴れ合ったりはしないで、一回一回新鮮な時間を楽しむ。そういうスタンスがいいよなぁと自分では思っています。ワークショップの集まりは劇団ではないしサークルでもない。下心は一切ない。「友達くらいでいい」。この「友達の詩」を、もちろん今回のBGMに使うつもりで、前日にツタヤでCDを借りました。で、CDの解説書を読んで、初めて中村中が「戸籍上は男性」だということを知ったのです。性同一性障害であることをカミングアウトしているそうですね。

写真  触れるまでもなく先の事が 見えてしまうなんて
 そんなつまらない恋を 随分続けて来たね♪

 胸の痛み 直さないで 別の傷で隠すけど
 簡単にばれてしまう どこからか 流れてしまう♪

 手を繋ぐくらいでいい 並んで歩くくらいでいい
 それすら危ういから 大切な人は友達くらいでいい♪

写真  …そうかぁ。そう思って読んでみると、なんて重くつらく悲しい歌詞なことか。世の中には私の想像の及びもつかない悲しさがあるんだ。まずびっくりしてしまって、次にすっかり恥ずかしくなってしまい、今回はこの曲を使いませんでした。実はこのレポートを書いているいま(2月2日深夜)も、パソコンに向かいながら「友達の詩」を聴いています。やっぱりこの曲はいいな。次回のワークショップではこっそり(かどうかわからないけど)どこかで使おう。ま、それはそれとして、次回のワークショップは2月24日(土曜)です。多くの方のお越しを楽しみにお待ちしています。ありがとうございました。2007年もどうぞよろしくお願いいたします。

 不等辺△劇団WS管理部 林成彦(はやしなるひこ)


写真 こんにちは。アシスタントをやらせて頂いた田澤恭平です。

アシスタントは初めてで、況してや自分の時間まで頂いてしまって、内心おっかなびっくりでやらせて貰いました。

このおっかなびっくりがあなたに伝わって、マイナスに作用していないことを祈るばかりです。

僕個人の感想を単純なことばにするならば、楽しかった、です。

アシスタントはゲームにあまり参加できないから面白くないのではないかとおもうかもしれませんが、そんなことはなく、参加している気持ちで見ているのは楽しい限りなのです。

林さんとの反省会で(打ち上げの後に反省会をするのです。)、反省はいくつも出てきたのですが、最低限の対処対応は出来たとおもいます。

このおもいが独りよがりではなくて、あなたも、楽しかった、とおもってくれていたら嬉しいです。

田澤恭平


★アンケートより

写真 ○人と目を合わせることが苦手なのですが、今日はたくさん合わせることができました。
○心と身体がやわらかくなりました。ありがとうございました。
○心をゆるめることができました。日常でもそうありたい!!
○『テマリ』がとても熱くなりました。
○『ZOO』は情報収集というコミュニケーションの最たるものですね。
○『ZOO』が面白かったです。初めてやったけど2回やりたい。2回目はちょっと難しいレベルで正解したい。
写真 ○『ZOO』は思ったとおりに自分の動物を絞り込めないもどかしさを感じました。
○田澤くんコーナーが、写真というので、やりやすい考えやすいなって思いました。
○フルーツバスケット好きなはずなのに、テーマが思いつかず焦ったです。
○もう一度やりたいと思ったのは『ペンキ屋』です。リベンジしたい!!
○『ペンキ屋』、何回もやってみたいゾ!
○『ペンキ屋』は身体を使うとイメージが広がることを実感できました。
○『ペンキ屋』のルール説明時に「ことばを受けて素直に言う」みたいなことを言われてたと思うんですけど、それで気楽になれたというか、面白いこと上手いことを言わなきゃとかじゃなく、素直にセリフを言うんだなとわかって、それができてよかったです。
○案内、アンケートの紙が一新。新年という感じです。

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