△ 不等辺ワークショップ第49回 (2007/05/26)


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写真  ワークショップ管理部の林です。5月26日のワークショップをレポートします。今回は進行役を瀧原弘子さんにお任せしました。私はアシスタントに専念。デジカメを持って、みなさんの写真をばしばし撮影。調子に乗って「584枚」も撮ってしまいました。そんなの、撮りすぎ。厳選した15枚をレポートに掲載しますね。ご参加くださったのは18名のみなさん。午後1時から6時半まで。いつもより長い5時間30分。ひょっとしたらこのワークショップで一番多くのものを得たのは私なのではないかしら。いい勉強になりましたよー。アシスタントをしつつ、考えたこと等をレポートにまとめたいと思います。徹底的に私の主観ですよ?

写真  プログラムの第一部は『自由で大胆な“からだ”を取り戻す』。自分の骨格の絵を描くことから始めます。ワークショップが始まって早々に画用紙を配り、お絵かきの時間が始まるのです。これがすごいなー。ちょっと意表をつかれました。私が進行役のときは、最初の1時間はコミュニケーションを図るゲームばっかり。矢継ぎ早に繰り出します。歩いて走って声を出して名前を呼んで。私は最初の1時間に命を懸けていると言ってもいいです。そうしなきゃいけないという強迫観念みたいなのがあったんだなー。どんなやり方にも良い悪いはあって、ワークショップの進行に正解はありません。なるほどなぁ、こういうのもアリなんだなぁと感心しました。

写真  絵を描くことで自分の体に意識を向ける。そして体の使い方について、発見を促すようなエクササイズが続きました。これは私の弱点なんです。もっと勉強しよう。私は身体技法の勉強が足りない。自分に「ないものねだり」です。学校の演劇の授業のときも、よく思うのです。講師仲間はみんな、身体技法の知識が豊かなんだよなー。いろいろ詳しい。みんな違って、みんな良いの。金子みすずじゃないけど。よし、気合いが入った。今日から勉強するよ! 弱点強化!

写真  偉そうですが、これは瀧原さんに私がアドバイス。第一部のエクササイズの中で、参加者同士の関わりを促すともっとよかったですよ、きっと。体についての発見があって、みんな感心したりおどろいたりしていました。その表情を眺めているのは私もうれしい。ただみんなが、みんなで笑っている顔は、あんまり見られませんでした。私は「え、いいの? こんな静かでいいの?」と、実はハラハラもしていました。例えば、グループで骨格の絵を見せ合ったり。あるいは骨格の絵を床に撒いて、誰の骨格かを当てたり(骨格神経衰弱?)とか。参加者同士の関わりが促されるし、ゲーム的な楽しさもある。いまの内容を損なわず、オプション的に楽しさも付け加えられたらなぁ、惜しいなぁと思いました。ま、私の意見を真に受けないでね。いかに笑わせるか、いかに楽しませるか、「4時間で100回笑わせる」のが目標の私なので…。

写真  このワークショップは午後1時に始まります。八幡山の会場は採光がよくて、会場内は初夏の日差しがいっぱい差し込みました。これは私の想像です。たぶんワークショップが午後6時開始だったら、もっと深い体験が得られたのではないだろうか。自分の体にじっと向き合うのには、今日は外が明るすぎて、集中しづらくはなかったか。芝居の本番もそうですよね。マチネとソワレでは観客の集中度が異なるもの。一般にマチネは滑りやすい。稽古だってそうだ。日のある時間帯は散漫になりやすい。集中を促すには、昼で、外が明るいのは不利です。夜だったらなぁ、外が暗きゃなぁ…と思ったりもしました。

写真  第二部は『普段の自分とはちがった動きをする』。参加者同士のコミュニケーションが促され、みなさんの顔が活き活きとしてきました。私はそういう顔を見るのが大好きです。写真が下手くそでごめんよー。決められたフレーズのみで会話を図るエクササイズ。仙台市の市民センターから持って来たチラシが床に撒かれる。そこから各自が思い思いにフレーズを抜粋します。「太白区民合唱祭」とか。写真 「エポカ21」とか。東京では新鮮なフレーズですよねー。上手いなぁと思った。で。フレーズ本来の意味は無視。1対1の会話から始まって、グループになり、グループとグループが統合され、最後には全員でひとつの会話の輪を作る。この流れがきれいでした。見ていて感動的ですらありました。ペアで同時に話すというエクササイズも楽しい。思うに、相手が自分の話を一所懸命聴いてくれるのが、自分のエネルギーになるんでしょうね。真剣になればなるほど、ペアがシンクロする。自然と表情が和らぐ。和気藹々とはこのことだなぁ。

写真  第三部が『体の反応とわきあがる感情を大切にする』。これのハイライトは、やっぱり鬼ごっこだ。鬼にタッチされたら「劇的に死んでいく」。その死に方を瀧原さんが口伝てで演出します。あれ、難しいですよねー。簡単にできることじゃないよ。あとで尋ねたら、事前に死に方のストックとかを準備していたわけじゃないそうです。一人一人を見て、その場でセリフを作って与えたんだそう。すごいなぁ。みなさん、自分の死に方、覚えてます? あれ、みなさんならではの個性を捕らえた死に方なんですよ!

 休憩中はギルバート・オサリバン、ヴァルティナ、マドンナらのCDをかけっ放し。最後の1曲は私のたっての希望で(?)、奥華子の「ガーネット」でした。今回は18名もの方々がご参加くださいました。ありがとうございました。うち10代の参加者が3名です。そして20代30代40代…と、タテに長く、年齢バランスもよかったです。色々な年代の方々が満遍なくご参加くださるのが理想です。毎回こうだといいなぁ。10代の人たちも、遠慮しないで遊びに来てね。

写真  最後に、瀧原弘子さん。進行役、お疲れさまでした。ありがとうございました。レポートでは偉そうなことも書いてごめんなさい。瀧原さんはこのワークショップのためだけに仙台から来てくれたのです! 朝の新幹線で来て、5時間半のワークショップを進行して、打ち上げの後は夜行バスで仙台に帰ったそうです。仙台でも全6回のワークショップを進行中のさなか、一日これのために時間とエネルギーを割いてくれました。本当に感謝しています。とっても勉強になりました。今後もまた一緒におもしろいことやりましょうね!

写真  瀧原さんは仙台市を拠点に活動する劇団「三角フラスコ」で女優をなさっています。4月には大阪で、5月には弘前(青森県)での公演を終えたばかり。秋には東京公演が予定されています。会場はこまばアゴラ劇場です。詳細はおって「不等辺演劇倶楽部」のブログでもご案内します。瀧原さんはきっと主役です!(だよね?)

 次回のワークショップは6月30日(土曜)です。「俳優を目指さない演劇ワークショップ」です。進行役は私です。次回が通算でちょうど50回目なんですよ。2001年に第1回をやって、はるばる来たよ第50回。だからって、なにも特別なお祝いをするつもりもないんです。ただじっと万感の思いを胸に進行しようかなーと。。。来てくださるのが、なによりのお祝い。林を喜ばせると思って、どうぞ多くの方のご参加を。次回も和気藹々とやりたいものです。お申し込みをお待ちしています。

 不等辺△劇団WS管理部 林成彦(はやしなるひこ)


写真  今回進行役をつとめました瀧原です。
 開始早々「骨格の絵をかく」なんてちょっと難しいようなところから入ってしまいましたが、もっと楽ちんにからだを使えるきっかけになればいいなと思います。
 前半の静かな雰囲気とはがらっとかわって、後半のゲームはずいぶん盛り上がりましたね〜。「鬼ごっこ」の個性的で壮絶な死にっぷり、みなさん見事でした。
 初めての東京でのワークショップ。幅広い世代のたくさんの方に来ていただき楽しい時間をすごすことができました。また機会があればぜひ遊びに(!?)来たいと思います。ありがとうございました。


写真 今回のワークショップは、リーダーが違うということで本当に新鮮でした。
リーダーが違うだけでここまで変わるものなんですね!!
いつもは参加者全員で盛り上がる感じなのに、今回は自分一人と向き合うという感じでした。
普段あんなにまじまじと自分と向き合ったりしないのでいい経験になりました。
骨格や歩き方肩の使い方などなど、私は日常生活でどれだけ身体を無駄遣いしているんだと…。
それにしても気持ちがいいワークショップでした。
途中うつらうつらしてしまいましたが、ワークショップでそれってなんだか素敵なことのように思います。

いつものワークショップだと「もっと参加者の人と話したかった!」って思うんですけど、今回はいつもより思いませんでした。
多分自分と向き合うということでお腹一杯になってしまったんです。
反省ですね、自分と向き合うだけじゃ意味ないのに…。
次回は今回の事を意識して参加すれば、とても楽しめるはずです。
頑張ります!!
ありがとうございました。

山田 歩


★アンケートより

◆雰囲気&内容について

写真 ◇静から動へのコントラストがよかったと思います。
◇アイスブレークゲームから始まると思ったら、骨格の絵を描くことが最初にあってビックリ!!
◇最初の絵がけっこうプレッシャーでした。早く描かなきゃとか。
◇自分の骨を意識するということはなかったので、新鮮でした。
◇体のことをもっと知りたいと思った。新しい自分が見えた。
◇前半であった「自分の骨格について知る」ということがとても新鮮でした。
◇前半の不思議なもの(骨格や関節など、自分の体を知るもの)はかなり納得したり驚いたりしました。
◇自分の体に目を向けて、新発見が色々ありました。(足の指が感覚うすい等)
◇体のひとつひとつを触らずに意識するのが、わかってるようで全然わかってなかったのが新鮮。
◇階段の昇り方降り方、体を伸ばすエクササイズは早速今日から実行させていただきます。
◇目線送りゲームで、伝えるコトも大切ですが、受け取る方もちゃんと伝わったと相手にわかるようなリアクションをとるコトも大事だと思いました。
◇2人ペアで同時に喋るの、楽しかったです。
◇最後の死に方の演出がおもしろくて素晴らしかったです!!

◆リーダーについて

写真 ◇とてもわかりやすくて、丁寧に教えてくださってうれしかったです。
◇落ち着いた声で、なんとなくリラックスできてしまうような感じでした。
◇きれいな女性の方がリーダーということでびっくりでした。
◇あまりにも声がよかったので、動かずに確認のとき、眠りそうになりました。

◆その他

写真 ◇「俳優を目指さない」ということで少し気楽に参加できるワークショップがあって嬉しいです。
◇すごく楽しみ、期待していたワークショップでした。また参加したいと思います。
◇企画してくださっている林さんの、楽しく!という感じや、楽しんでもらおうというお気持ちが伝わってまいりました。
◇4回目くらいですけど、いつも緊張します。ワークが始まるまで。これはいくらやっても慣れない。居心地が悪いです。初参加の方となにも変わらないよなと思います。
◇気合いの入った熱い感じだったら嫌だなぁと思っていましたが、いい意味で力の入っていない感じがほっとしたというか、やりやすかったです。
◇前半は理科の授業みたいで、どんなことをするのか不安でした。知らない人ばっかりの所にひとりで来たのも初めてなのに「ワークショップ」なんてできるのかと思ったけれど、後半は楽しくできていい雰囲気でした。音楽がよかったです

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