△ 「背中のイジン(再演)」シーン24


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明転すると下手灯り。瀬名診療所の病室。周人はベッドで眠っている。満から話を聞き
道子、典子、森島、おじい、花音が沈んでいる。

森島 「なんだよそれ…」写真
花音 「…ホントにどっちも助けるって道はないの?」
「その武者の話では…」
典子 「そいつがウソをついてるって事は?」

満、首を横に振る。

おじい 「別の人間が身代わりになる事はできんのか?私の命ならいつでもくれてやる!」
「問題は彼らが『守護霊』と『それを宿す人間』だという事なんです。」
花音 「他の人間の命じゃ、何の代わりにもならない…」
道子 「私は信じない。」
典子 「母さん…」
道子 「私は医者よ。このまま黙ってどちらかの死を選ぶなんて、そんな事認められる訳ないじゃない。」
周人 「そうか…俺、死ぬのか…」
道子 「周人。」
周人 「周作さんは?」
「僕の家だ。さっき妹が戻って来てな。彼をみてくれている。」
周人 「そうか…。花音?」
花音 「なに?」
周人 「周作さんの所に行ってやってくれないか?あいつきっと、落ち込んでるからさ。」
花音 「…うん…わかった、行ってくる。」
おじい 「とにかく、医者としてやれるだけの事はやろう。」
道子 「どちらも死なせやしない。」

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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