△ 「時空の異邦人」シーン20


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舞台上に吉山、おじい、おばあ、桃太郎、おきじ、犬吉、大猿、ざくろ、あんず、お菊、ボックスを運ぶ瀬名と大林の12人

犬吉 「あれが、鬼ころし…」写真
大猿 「みつこうてほんに良かったのぉ。」

瀬名、「鬼殺しってなんのこと?」的リアクション。

吉山 「本当にお世話になりました。」
おばあ 「元気での。」
おじい 「うう、もう二度と会えんのじゃろか?」
おばあ 「これ,泣くなおじいさん。おじいさんが無くと、わしまで…うう…」
吉山 「みなさんもお元気で。」
ざくろ 「さみしゅうなるのぉ」
あんず 「なるのぉ。」
桃太郎 「気が向いたらいつでも落ちて来なされ。」
吉山 「ああ。」

瀬名がカメラを持って出て来る。

瀬名 「はい、みなさんこっち向いてぇ。僕と同じ事言って下さいね。オニコロシ!」
みんな 「オニコロシ!」

フラッシュがたかれる。みんなもの凄く驚く。

みんな 「うわああっ!」
あんず 「稲光じゃ!。」
瀬名 「ごめんごめん。実はこれ、一瞬で絵を描く道具なんですよ。はいどうぞ」

瀬名、ポラロイド写真を桃太郎に渡す。

桃太郎 「一瞬とや?!」
犬吉 「どれどれ…なんじゃこれ?真っ暗じゃ。」
瀬名 「そのうちゆっくり絵が現れますよ。」
大猿 「ほ〜う、雷様の国は本当にすごいのう。」
大林 「準備できたぞ!」
吉山 「それじゃみなさん、雷に当らないよう、少し下がってて下さい。」

みんな下がる。

桃太郎 「おさらばじゃ!」
吉山 「おさらばじゃ!」

吉山、ドアを閉める。タイムマシンの起動音。どんどん大きくなり。稲光の様な光とともに消える。

おじい 「…行ってしもうたのぉ。」
おばあ 「…いってしまいました。」
桃太郎 「無事に天に戻られたかのぉ。」
お菊 「きっと大丈夫じゃ。」写真
おきじ 「おお!桃太郎!さっきの絵、いつの間にか出てきとるぞ!」
桃太郎 「おお!本当じゃ!」
お菊 「なんじゃこれ?まるで生き写しじゃ!」
ざくろ 「こりゃみごとじゃ!」
あんず 「わちにも見しちくり!」
みんな 「うぬはダメじゃ。」
あんず 「ふぇ?」
みんな 「うそじゃ」

みんな大笑い。すると舞台端に女性が現れる

「桃太郎、おきじ。」

みんな注目。

犬吉 「…・誰じゃ?」
おきじ 「…母上…。」
桃太郎 「母上?!」

みんなざわつく

おきじ 「母上!」

おきじ、駆け寄って母に抱きつく。桃太郎もついて行く。

「おきじ、よう頑張ったのぉ。」
桃太郎 「妖術が解けたのでございますね?」
「ああ…そうじゃ。」
桃太郎 「母上!」

桃太郎も母に抱きつく。みんなこの三人を取り囲む。しあわせな空気の中、ゆっくり暗転して行く。

(作:松本仁也/写真:はらでぃ)

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