△ 「時空の異邦人」シーン9


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ざくろ、桃太郎、犬吉、吉山登場。

ざくろ 「足元にお気を付けくだされ、この辺から崖が多いでの。」

吉山、足をすべらせる。

吉山 「うわっ!」

犬吉が支える。

犬吉 「おっと!」
吉山 「すいません。(下をのぞき込み)うわ、落ちたらいちころだこりゃ」
犬吉 「ほう。雷様が「落ちる」心配されるとはのぉ。」
吉山 「(苦笑いして)確かに。」
犬吉 「大丈夫じゃ、ぬしはわしが守る。」
吉山 「あ…」写真
犬吉 「いかがした?」
吉山 「…いや、犬吉さんにそっくりな人に、よく同じ事言われてたんで。」
犬吉 「わしにそっくり?ほう、会ってみたいのぉ。」
吉山 「あ…ええ…」
ざくろ 「おお、あそこじゃ。見えますかの?あちらの山中の木が倒れている場所じゃ。」
桃太郎 「見えるぞ!あそこか?!」

吉山、インカムで通信。

吉山 「吉山です。今アジトの位置を確認。ポイントはF205012。うわ、雑音多いな距離的に限界か。」
ざくろ 「あと一息ですじゃ。」

牙登場

「いいや、ここまでじゃ。」
桃太郎 「牙!」
吉山 「こいつが牙。」
「久方ぶりじゃの。桃太郎。この顔の傷をつけられて以来じゃ。」
桃太郎 「ああ。」

みね、おね、お菊を連れて登場。

桃太郎 「お菊さん!」
ざくろ 「無事じゃったか!」
みね 「ああ無事じゃ。」
おね 「もう、我らの仲間じゃがな。」
桃太郎 「なんじゃと?!」
「お菊、こん中に殺してはならぬ者は?」

お菊、みんなを見渡す。

お菊 「おらぬ。」
桃太郎 「お菊さん?」
ざくろ 「いかん。電光の術中じゃ。」

吉山、銃を構える。

吉山 「お菊さんを放せ。イカズチをくらいたいか?」

おね、お菊に刀を向ける。

おね 「そんなことすりゃ、こいつを斬ってこの崖から落とす。」
犬吉 「大事な「のちの目」を殺せるのか?」
みね 「また探せば良いだけじゃ。」
桃太郎 「くっそお!」写真
「桃太郎。うぬは我が斬る。」
桃太郎 「…望む所。」
「うぬらは手を出すな。」
みね、おね 「はっ。」
吉山 「桃太郎さん。」
桃太郎 「おぬし達もじゃ。」

吉山、インカムで通信を試みる。桃太郎と牙、対峙する。

「こん時を待っておった。」
桃太郎 「よほど傷を増やしたいようじゃな。」
「たわけ!」

戦いが始まる。強さは同等。が、次第に桃太郎が優勢になり、崖に追い詰める。

みね 「牙様!」
「手を出すな!」
桃太郎 「観念しろ!」

みね、お菊の腹を叩く。

お菊 「うっ!」
桃太郎 「お菊さん!」

桃太郎の隙を狙い、牙が桃太郎を崖に追い詰める。

桃太郎 「卑怯な!」

牙、桃太郎を崖から落とす。

桃太郎 「うわあ!」
吉山 「桃太郎さん!」
「後は雑魚どもか。」
犬吉 「くそおっ!」

ざくろも参戦。が二人でも苦戦し、犬吉、崖から落とされる。

犬吉 「うわっ!」
ざくろ 「犬吉殿!」

次はざくろが追い詰められ、落とされる。

ざくろ 「うわぁ!」
吉山 「ざくろさん!」
「さて、後はうぬ一人。時はかけぬ。とっとと倒してうぬらの社に行かねばならんからな。」
吉山 「タイムマシンで何をする気だ。」
「フッ。あの世で知るがよい。」

牙、吉山に襲いかかる。吉山、牙の手を撃つ。牙の刀がとぶ。

みね・おね 「牙様!」写真

牙、素手で吉山と戦い、吉山も健闘するがやはり崖から落とされる。

吉山 「うあぁ!」

みね、牙に駆け寄る。

みね 「牙様!」

牙、みねをなぐる。

みね 「うっ!」
「手を出すなというたはずじゃ!」
みね 「申し訳ございません。」
「…次は社じゃ…」
みね・おね 「はっ!」

全員はける。

(作:松本仁也/写真:はらでぃ)

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