△ 「時空の異邦人」シーン5


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村の入り口。お菊とおきじがしゃべりながら通り過ぎる。その後から牙が登場。スマートフォンのような物を
持って、何かを確認し二人を追う。再びお菊とおきじが通り過ぎる。牙が追って来て立ち止まる。

「間違いねぇ。」写真

牙、後ろからの気配を感じ、刀に手を置く。みね、おね、登場。

「ぬしらか。」
みね 「牙様。例の社を見つけました。」
「まことか!」
みね 「はっ。」
「ようやった。」
みね 「恐悦至極。」

嬉しそうなみねを横目で見るおね。

「やはり電光様の予言通りじゃ。」
おね 「牙様の方は?」
「ああ、こっちも見つけた。あの二人のどちらかが『のちの目』じゃ。追うぞ。」
みね・おね 「はっ。」

3人はける。三たびお菊とおきじが歩いて来る。

お菊 「じゃから、なんでもいいんじゃ。父上がなんと言おうと、桃太郎さんのお役にたてれば。」
おきじ 「お菊さんはよほど桃太郎にほれておるんじゃな。」
お菊 「え?そんな、ほれとるなんて…」
おきじ 「ははは、わかりやすいのぉ。」
お菊 「おきじさん。」
おきじ 「なんじゃ?」
お菊 「今まで聞かんでおったけど…」
おきじ 「ん?」
お菊 「その…おきじさんは桃太郎さんの…」
おきじ 「桃太郎の?…(フッと笑って)ただの剣術の師匠じゃ。」
お菊 「ほんにそれだけぞ?」
おきじ 「心配せんでええ。桃太郎もお菊さんにほれとる。」
お菊 「ほんに?じゃったら…(照れて)よいの。」

おきじ、気配に気づき刀に手をかける。

お菊 「おきじさん?」
おきじ 「三人…牙か?」
お菊 「牙?」

牙、みね、おね登場。

「さすがじゃなおきじ。人間にしては鼻がきく。」
おきじ 「やはり。」
「ずいぶん久しゅうしとったが、元気そうじゃな?」
おきじ 「うぬが現れたと言うことは、電光も動きだしたか。」
「ああ、でも仇はうてぬぞ。」
お菊 「仇?」
「そいつのおやじは電光様に殺されたんじゃ。」
お菊 「え…」
おきじ 「電光はどこにおる?」写真
「連れて行っても良いぞ。うぬが『のちの目』ならの。」
おきじ 「『のちの目』?」

牙、おきじに斬りかかる。数たち交わし、つばぜり合いに。牙がスマートフォンの様な装置をおきじにかざす。

「残念じゃがうぬではなかったわ。みね!おね!そっちのおなごじゃ!」
みね・おね 「おう!」

みね、おね、お菊をつかまえる。

お菊 「なにをする!はなせ!」
おきじ 「お菊さん!」

おきじ、お菊を助けたいが、その隙もなく牙に攻撃される。お菊はみねおねに連れて行かれ、おきじは牙と戦いの末、斬られる。

おきじ 「うっ…」
「確かに腕はあげたのぉ。でもそんなもんじゃ仇うちなどまだまだじゃ。」

牙、去る。

おきじ 「くっそぉ。」

おきじ、追ってはける。

(作:松本仁也/写真:はらでぃ)

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