△ 「時空の異邦人」シーン1


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明転。タイムマシンに乗っているサルベージ・ワンの5人

朝倉 「到達までの時間は?」
大林 「あと5分21秒。誤差0・0034秒」
朝倉 「チェック。目標時空時は」
津田 「誤差125時間32分44秒。」
朝倉 「チェック。目標時空高度は?」
瀬名 「1634メートル。誤差3・25メートル。」
朝倉 「チェック。座標は?」
吉山 「誤差北緯02分、東経02分。」
朝倉 「チェック。全て異常なし。順調順調。」

津田、吉山の握っているお守りに気付く。

津田 「あれ?吉山?まだ握ってんの?」写真
吉山 「あ、本当だ気付かなかった。」
大林 「中身はおふだか何か?」
吉山 「ええ、なんか紙にくるまれた薄い板みたいな。」
瀬名 「あ〜、わかるわかる。子供の頃、中身引っ張り出してこっぴどく怒られたよ。」
吉山 「あと(お守りの中から取り出す)二千円札。」
津田 「二千円札?」
吉山 「ナンバー見て下さい。」
津田 「ナンバー?…うわ!なにこれすげ!7777777!」
瀬名 「うそ、7が7つ?!」
大林 「本当だ!これはすごいですね!」
吉山 「超縁起いいからって、母が入れてくれたんです。」
朝倉 「なるほどね。大事にしろよ。」
吉山 「はい。」

アラームが鳴る。

朝倉 「どうした?」
大林 「エネルギーシステム、レッドランプです。」
朝倉 「なに?!」
大林 「こんなばかな!なんで急にこんな数値に?!」
津田 「システムナンバーは?」
大林 「6番から12番です。」
朝倉 「リアハッチの脇か。」写真

朝倉、立ち上がり後ろに向かう。

吉山 「隊長!」
朝倉 「直接見てみる。」
大林 「危険です!」
津田 「僕も行きます!」
吉山 「津田さん!」
津田 「ゲージを頼む!」

朝倉、津田、裏にハケる。

大林 「くそっ!どうなってんだ?!」
吉山 「リターンは?」
大林 「この時点からじゃ不可能だ!」

爆発音。タイムマシンが激しく揺れる。

全員 「うわああ!!」
瀬名 「何だ今のは?!」

朝倉から通信

朝倉 「朝倉だ!」
吉山 「隊長!どうしました?」
朝倉 「これは故障じゃないぞ!明らかに人為的に仕掛けられたものだ!」
大林 「は?!」
瀬名 「人為的って、それじゃ…」
津田 「隊長まずいです!こっちにも…」

更に爆発音。

全員 「うわあっ!」
吉山 「隊長!津田さん!」
瀬名 「今のは?!」
大林 「まずい!リアハッチが損失した!」
吉山 「何だって?!」
瀬名 「それじゃ隊長達は…」
大林 「時空間に…」
吉山 「そんな!」

吉山、立ち上がり後ろに向かうが、瀬名に止められる

瀬名 「やめろ!お前も死ぬぞ!」
吉山 「…ちくしょう!」

更に爆発音!

全員 「うわああっ!」
大林 「シートに戻れ!一か八か、エマージェンシー・ランディングに切り替える!」
瀬名 「不時着か?!」
大林 「行くぞ!カウントファイブ、フォー、スリー、ツー、ワン、ドライブ!」

爆音とともに、タイムマシンが激しく揺れる。

全員 「うわあああああ!!…」

照明が落ち、轟音と悲鳴が反響し、やがて消えて行く。映像。

(作:松本仁也/写真:はらでぃ)

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