△ 「A1-PANICS!」第6回


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越智 「…う?うう…ぐああっ!!」

苦しみはじめる越智。

小田嶋 「サルッ!どうした、サルッ!!」
小川 「しっかりしろ、おい!」
美咲 「ちょっと!どういうこと!?」
大須 「わ、わかりません、今までこんな反応しめした人はいなかったので…」
安永 「ね、外した方がいいんじゃないですか?!」
岸野 「そうだな、外そう」舞台写真

あばれる越智。

敦子 「ダメだわ、暴れて…」
小田嶋 「桑田、足おさえろ!小川は上半身だ!おい、おちつけ、サル…」

と、だんだんおさまってくる。

越智 「ハァ…ハァ、ハァ…」
小川 「大丈夫か?越智…」
越智 「スミマセン…もう平気っす…」
敦子 「どうしたのよ」
越智 「…このサボテンつけたとたん、アタマが割れるように痛んで…」
有川 「すごーぃ」
桑田 「拒否反応かな」
大須 「いや、反対に彼の潜在能力と、ものすごい力で反応しあったとも考えられますっ!」
越智 「何スかソレ」
岸野 「このサボテンはな、頭につけることによって、その人間の眠れる力を引き出してくれる、ありがたーいサボテンなんだ」
越智 「ヘェー。で、誰かめざめたヒトはいるンすか?」
大須 「今のところ、有川さんと桑田さんが…」
越智 「どんな?」
大須 「有川さんは、照明を自由に操れる力で、桑田さんは…」
越智 「桑田さんは?」
大須 「…どんな曲でも、踊ってしまう、力…」
越智 「…。しーろーのーパーンダを、どれでも全部並べーて」

踊る桑田。

桑田 「試すなァ!」
越智 「ホントだ、スゲェや」
岸野 「そんなわけで越智、お前にも今、熱い期待がかかってるんだよ」
越智 「ハァ。あんまし、前と変わんないスけど」
大須 「そ、そのうち現れるかもしれません」
小田嶋 「まあいい。早いとこメシにしよう。それでなくても、遅れてるんだ」
「ハーイ」
有川 「いただきます」

食べる。
越智、1コ手にとり、再び苦しみはじめる。

越智 「ぐああー!!ウォー!」舞台写真
敦子 「外そうよ、やっぱり!」
岸野 「越智!しっかりしろ、おい…」
越智 「う…うめ…」
岸野 「どうした?!何が言いたい!?ン?」
越智 「…うめ干し…」
小川 「何が?!何がうめ干しなんだ!?」
越智 「アアアアアアアッ!!(cf:『AKIRA』の鉄男)」

パカッ。
越智が割ったオニギリは。
たしかに梅干し。

「…」

越智ハアハアしながら次々にオニギリを手に。

越智 「…シャケ…メンタイ…タラコ…タラコ…ウメ干シ…オカカ…オカカ…スカ」
桑田 「スカ?」
越智 「…入れ忘れだ…多分」

あわてて割る。

敦子 「…当ってる…全て」
美咲 「なんて…なんてことなの…」
大須 「クレヤボワイヤンスだ…」
小川 「暮にはハワイダンス?」
大須 「やめましょう、ムリなツッコミは。クレヤボワイヤンス。すなわち、透視能力のことです」
安永 「透視!」
岸野 「スゲェ…」
大須 「さぁ、越智さんこれを見て!」舞台写真

大須、バービーちゃんとリカちゃんを持つ。

大須 「オニギリの中身が見えるなら、これもきっとわかるハズ!バービーちゃんとリカちゃん、パンツをはいてないのは、どっち!?」
越智 「…ウ…」
岸野 「大須…なぜ、そんなモノを…」
大須 「こんな時のため、常に携帯してるんです!良かった!役立って」
岸野 「ち、違う、俺のききたいのはナゼそこでバービーちゃんとリカちゃんが…」
大須 「さあ、答えて下さい!パンツをはいてないのは!?」
越智 「…ウウ…は、はいてないのは…」
大須 「はいてないのは!?」
越智 「(崩れおちる)…ダメだ…わからない…」
大須 「そ、そんな!なんでオニギリの中身は当てられてパンツの有無が当てられないんです!?」
越智 「わからない…とにかく、見えないんだ何も…」
大須 「変だな…じゃオニギリは…」
越智 「タラコ・シャケ・オカカ・シャケ・スカ・スカ・スカ・スカ」
有川 「今度はスカばかっりね」
越智 「配分をあやまって、具が切れたんだ」
安永 「どうせ私は使えない女よォ〜!」
小川 「てことは、何かい、越智に透視できるのは…」
大須 「どうやら、オニギリだけのようですね…残念ながら」
美咲 「あーあ、せっかく愛が握ってきてくれたのに、メチャクチャになっちゃったね」
安永 「いいんです。どうせスカばっかりですから」
小川 「ひねるなよ」
小田嶋 「残りは、あとで食おう。悪かったな安永、片付けてくれや」
安永 「ハイ」
敦子 「小田嶋さん、ちちまめ5の衣装合わせ、あと越智だけなんですけど…」
小田嶋 「そうか。サル、向こうで衣装合わせて来い」
越智 「ういーす」

越智、安永のヨコを通る。安永、アタマを振る。

越智 「あぶねェ!気をつけろよ!」
安永 「アーラ、ごめんなさい、何せオニギリの具の配分もできない女ですから」
越智 「逆恨みすンなよ」
安永 「…せっかく岸野さんにいいとこ見せたかったのに…」
越智 「ン?何か言ったかサボテン小僧」
安永 「大ッキライ!アンタなんか!さっさといけ!」

突く。

越智 「イテ!イテテ!やめろよバカ!」

ひとしきり作業が続く。

大須 「何なの優作ちゃん。さっき敦子さんが言ってた、ちちまめ5って」
岸野 「今度の芝居に出てくる役だよ。地球の平和を守るため、秘かに活動を続ける、ちちまめ5」
大須 「なんなの、ちちまめって」
岸野 「乳首のことさ」
大須 「優作ちゃん高校のときと何にも変ってないね」
岸野 「あんときは楽しかったな。金も使いたい放題だったし」
大須 「あれは全部僕のこずかいだったでしょ。だいたいどこの世界に高校生の自主映画で300万も使う所があるのよ」
岸野 「今度のはもっとすごいんだ。彼らは常人とは違うちちまめの色をしている。そこからこの名がついたんだ。メンバーは、ちちまめレッド、ちちまめグリーン、ちちまめピンク、ちちまめブルウ、そしてちちまめブラック」
大須 「イヤだね、ちちまめブラックって」
岸野 「しかしある時、平和をおびやかす、悪の軍団が現れた。それが、ちちなし坊一!」
大須 「ひょっとして、それ…」
岸野 「乳のまわりだけお経を書き忘れたんだ」
大須 「優作ちゃん高校の時よりレベル落ちてる…」舞台写真
岸野 「ちなみにレッドが小川、グリーンが敦子、ピンクが美咲、ブルウが俺、そしてブラックが越智だ」
大須 「ブラックはやっぱり」
岸野 「遊び人。という設定だ」
大須 「品も落ちてる…」
岸野 「歌もあるんだぞ。何?聞きたい?よーし」

以下、「ボ○テスV」の歌そっくりな「ちちまめV」の歌。
団員徐々に集り踊りはじめる。

大須 「…パクリじゃんか」

(作:中澤日菜子/写真:広安正敬)

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