2026年7月のミステリ 戻る

騎士爵家 三男の本懐
 
2025年 龍槍椀 (りゅうそうわん)著 桑島黎音 (くわしまれいん)イラスト 293頁
あらすじ
王国の辺境の地の騎士爵家。領地は持たない傭兵軍団
その家の三男に生まれた男は前世の記憶持ちだった。
感想
西洋の中世を模したファンタジー、魔法も出てくる転生ものと思っていたら、婚約破棄される悪女ものにもなっていく混合スタイル。
『薬屋のひとりごと』を更に進化させて個人の名前や家の名前がでてこないのが特徴。
格調高くするためと思うけど、出てくる言葉がみょうに難解。御宸襟ごしんきんなんて言葉初めて知った。
尊い方のお気持ちだそうです。スマホ片手に読む。
どことなく有川浩に似ている(『空の中』『海の底』は面白かったけど『図書館戦争』が甘すぎて読むのをやめました)
小難しい言葉は使われていても293頁サクサク読める。元はWEB小説で人気が出て紙で出版されたそうです。
頑張ってはるんやけど、銃の構造なんてフツー知ってる?(私は知らない) 前世に工作機械を扱っていたとか趣味やったとかもろもろ布石がいると思う。
「私、気になります!」
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重力アルケミック 
2017年 柞刈湯葉(いすかりゆば)著 279頁 星海社FICTIONS
あらすじ
主要エネルギーが石炭、石油ではなく重素の地球(重力を操れるらしい)。過去には重素の争奪戦で戦争が起こり、長野と高知で細々と重素を採掘している日本は派手に負けた。
ところが重素の取りすぎ(という説が濃厚)により、地球がブクブクと膨れ始める。隣町はある日夜が明けるとはるか向こうにある状況。
今では東京大阪間が5千キロ(現実は400キロ)という2013年。元は会津若松市だった若松に生まれ育った湯川航18歳は、「遠くに行きたい」というただそれだけで、はるばる東京の豊島区にある大塚大学理工学部重素学科に進学する。長距離バスで4日かかった。もはや列車は運行していない。重素学科は今では斜陽の学問(原子力学科みたいかな)
感想
歴史改変小説というか、地球改変小説というか。読んでいて、楽しい。
改変具合が面白いねん。特に面白かったのは、
19世紀の半ばに、スネッフェルス山の火口に降りて地底世界を探検し、地球空洞説を証明したリーデンブロック教授のことは歴史と理科で習う
ジュール・ヴェルヌの『地底探検』が史実になっている。
また、パソコン→スマホとダウンサイジングされたのではなく、携帯→パソ・コンと「携帯市場の飽和にあわせてどんどん携帯の巨大化」がされたこと。