2026年7月のミステリ 戻る

重力アルケミック 
2017年 柞刈湯葉(いすかりゆば)著 279頁 星海社FICTIONS
あらすじ
主要エネルギーが石炭、石油ではなく重素の地球(重力を操れるらしい)。過去には重素の争奪戦で戦争が起こり、長野と高知で細々と重素を採掘している日本は派手に負けた。
ところが重素の取りすぎ(という説が濃厚)により、地球がブクブクと膨れ始める。隣町はある日夜が明けるとはるか向こうにある状況。
今では東京大阪間が5千キロ(現実は400キロ)という2013年。元は会津若松市だった若松に生まれ育った湯川航18歳は、「遠くに行きたい」というただそれだけで、はるばる東京の豊島区にある大塚大学理工学部重素学科に進学する。長距離バスで4日かかった。もはや列車は運行していない。重素学科は今では斜陽の学問(原子力学科みたいかな)
感想
歴史改変小説というか、地球改変小説というか。読んでいて、楽しい。
改変具合が面白いねん。特に面白かったのは、
19世紀の半ばに、スネッフェルス山の火口に降りて地底世界を探検し、地球空洞説を証明したリーデンブロック教授のことは歴史と理科で習う
ジュール・ヴェルヌの『地底探検』が史実になっている。
また、パソコン→スマホとダウンサイジングされたのではなく、携帯→パソ・コンと「携帯市場の飽和にあわせてどんどん携帯の巨大化」がされたこと。