2025年9月の映画  戻る
寒いのが好き Some Like It Cold
第21回大阪アジアン映画祭 2025 (大阪・関西万博に合わせ3月やなく8月下旬から9月上旬に開催)
2025年 韓国 127分
監督 ホン・ソンウン
メモ 2025.9.4(木)中之島ABCホール
感想
映画を楽しみながらパワハラやセクハラや差別を「そういう時代やった」っていう人がいるけど、へえーそうなん、時代のせーなん。
戦争中で戦地にいかされたり殺したり殺されたり、色んなことを我慢したり見て見ぬふりしたんは「そういう時代やった」ってはわかるけど。
パンデミックはどっちなんかな とぼんやり思っていた。
映画上映後、韓国の監督さんとプロデューサーさんの舞台挨拶があり「国家人権委員会」の依頼で作成したって話をされた。なるほど。
といっても、コミカルなところもたくさんあって小難しくなく面白い。ユーモアは大事。
 
舞台挨拶後、質疑応答があり(おそらく業界の人であろう)男の人がふたり質問をされて、最初の人は
「主人公は失業するとか、結婚がうまくいかなくて『なるようになれー』になったけど、そういうのがなくてもこういう行動をとったと思われますか?」という質問に困りながらも監督さんとプロデューサーの人は「そう思います」と答えられていた。うーん、質問者の意図が掴めない。
パンデミックは第四次になっているし、狩る方もPTSDになっている人もいて世の中が倦んでいるというのが描かれた上で「ラクダの上に積まれる最後の藁の一本」は話を進めるのに必要と思うけど。
 
次の人の質問は「感染しても記憶を失ったり失わなかったり、理性が残ってたり残っていなかったりは何故?」で、監督さんは・・・ひとことで言うと「多様性」と答えられていた。
 
私が聞いてみたかったのは「吸血鬼映画やないのは何故ですか?」
これは自分で答えが出せる。吸血鬼やとコスチュームやらメイクやらにお金がかかる。空も飛ばなあかんし。次に500年以上も歴史がありひっそり身を隠していて、いまさら人類と派手な事を起こす必要がない。 そして発生地は武漢やらなんやらではなくトランシルヴァニアってわかってるんやし謎が少ない。しかも勝手に根絶する訳にはいかへんし。
 
何かをどこかに届けるってロードムービー韓国映画なんで「鯨とり(コレサニャン)」(1984)を思いだした。
最後はほぼ写さずに冷凍庫に住んでいるとわかる「必要かつ十分」な作りにセンスの良さを感じる。
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愛はステロイド LOVE LIES BLEEDING 愛は血を流す
2024年 英国/米国 104分 A24
監督 ローズ・グラス
キャスト クリステン・スチュワート(ルー「トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン 」)/ケイティ・オブライアン(ジャッキー)/エド・ハリス(ルーの父)/アンナ・バリシニコフ(デイジー)
メモ 2025.9.1(月)大阪ステーションシティシネマ
感想
土地は乾いて、空気は煮詰まったアメリカ、ニューメキシコ州の片田舎で息苦しく生きているルー。そこにベガスに向かう途中のジャッキーが現れる。時代は1989年 スマホはまだない。
邦題の『愛はステロイド』って・・・なんなん?と見る前は思っていた。見終わったら、この映画の愛はステロイドかもしれん と思う。暴力に勝つためには暴力しかない。