2022年5月の映画  戻る
ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス DOCTOR STRANGE IN THE MULTIVERSE OF MADNESS
2022年 126分 米国
監督 サム・ライミ
キャスト ベネディクト・カンバーバッチ(ドクター・ストレンジ)/エリザベス・オルセン(ワンダ/スカーレット・ウィッチ)/ソーチー・ゴメス (アメリカ)/キウェテル・イジョフォー(モルド)/ベネディクト・ウォン(ウォン)/レイチェル・マクアダムス/プロフェッサーX
メモ 2022.5.23(木)大阪ステーションシティシネマ
感想
「ドクター・ストレンジ」映画化2作目。あらすじは、よくわからない。
1作目は確か天才外科医が交通事故にあって、たいへんやなあ。でも修行して魔術師となり復活してよかったなあ であった。
マーベルコミックの映画は「アベンジャーズ」もボツボツみているだけなので、関連がわからない。
お話は、だいたいこういう感じ。
ドクター・ストレンジの前に見知らぬ少女と「モンスターズ・インク」のマイクが変化したみたいな一つ目オオダコが現われる。
オオダコは何故か怒り狂っている。少女にはマルチバース(多元宇宙)を移動する能力があった。
ただし自分でそのパワーを制御できない。危機に陥るとぽんぽん飛んで「そうなっちゃう」らしい。
多元宇宙に穴が空き、怪物が出現し、カオスとなりそうな「ほころび」を繕うため、最強の魔女ワンダに助けを求める。
が、なぜか、「危険な情事」みたいになっていく。
 
前にも書いたけど先輩に美しい映画が好きな美しいシネフィルがいてはって、「山の郵便配達」が良かったとか。
でも「飛んだり跳ねたり」の映画は好きではないの(たしか「マトリックス」のことやった)。
私は「飛んだり跳ねたり」の映画も好きなもんで、あれよあれよと楽しみました。
自分の経年劣化と共に凡庸なCGには胃もたれしがちやし、「トータルリコール」「インセプションみたい」と数々の名作を思い出させるところもありながら
オオダコと鏡の部屋、多次元世界サーフィン、そして堕天使ルシファーあらわるみたいな姿がいい。
1作目より面白い作品になっている。ゾンビになったドクターも見れる。
CGでなんでもできるようでありながら、超一流の造形、見せ方とそうやない一線があるのね。
カマー・タージ(ネパールの砦)での戦いは、「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」の向こうをはっているみたい。
 
観客は高校生くらいの男の人が多かった。
帰りしなに「マーベルは次々と(人を組み合わせて)作品作るから次もあるなぁ(終わりがない)」
みたいなため息とおしゃべりが聞こえてくる。
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インフル病みのペトロフ家
2021年 146分 ロシア
監督・脚本 キリル・セレブレニコフ
原作 アレクセイ・サルニコフ
撮影 ヴラディスラフ・オペリヤンツ
編集 ユーリ・カリフ
キャスト セミョーン・セルジン(セルゲイ・ペトロフ)/チュルパン・ハマートヴァ(元妻・ペトロワ)
メモ 2022.5.11(水)シネ・リーブル梅田
あらすじ
1991年12月のソ連邦崩壊から13年後の2004年ロシア、エカテリンブルク。
インフルエンザにかかったセルゲイ・ペトロフは高熱に浮かされ、夢か現実かの世界に迷い込む。
感想
不条理物は苦手かな・・・と思いながら見に行く。
やっぱりわけわからない。カオス。そやけど、フランス物みたいにスタイリッシュやなく
辛気臭くもなく、わけわからないのにわかりやすい。面白い。
 
熱に浮かされ現実と妄想と過去の記憶がごっちゃになった長回しシーンがあると聞いてたので目を凝らす。
そやのに、半分を過ぎるくらいでやっと「ここなん!」と判る。それくらい自然。どうやって撮ったの。どこかで繋いであるの?
 
27年前の1977年、主人公は子供時代のソビエトでヨールカ祭りという新年を祝うお祭りで雪娘と手をつないでもらった楽しい思い出がよみがえる。
2004年、その思い出と共に熱の下がった「セガのソニック」(かな)のキャラした息子をヨールカ祭りに連れて行く。
あー親子の男同士のええ話やったなあ。。。と思ったら、ここから裏にあった雪娘のサイドストーリーが始まる。
 
雪娘の着ているセーターと図書館のおばちゃんが編んでいるセーターの柄が似ている。同一人物なの?
主人公セルゲイの元妻は本当に誰かを殺しちゃったの? 警備員さんなの? 
離婚の原因は元妻の浮気? 浮気相手が警備員さんやったの?
「フルスタリョフ、車を!」と同じ。寒くてウォッカを浴びるほど飲んでてわけわからない。頭ぐるぐる。
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アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督〈自己検閲〉版 
ベルリン国際映画祭金熊賞
2021年 ルーマニア/ルクセンブルク/チェコ/クロアチア 106分 
監督・脚本 ラドゥ・ジューデ
キャスト カーチャ・パスカリュー(エミ)
メモ 2022.5.4(水)シネ・リーブル梅田
あらすじ
感想
「コレクティブ 国家の嘘」に続いてルーマニア映画を見る。
 
夫と激しくナニしているプライベートビデオが世界に拡散し、教師生命の危機に陥ったエミ。保護者への説明会で吊るし上げにあう。
保護者会は、コロナ禍でマスクをして校庭で開かれる。
 
ハレンチ教師!と断罪はエキサイトし、教育よりもよりよい学校に入るため受験への技術を偏重し、学校の評判を落としたくないっという保護者のエゴがむき出しになる。
更にそれぞれの世間体、見栄が出現し、ユダヤ人やロマの民族の問題へと波及し、ルーマニアの黒歴史に広がっていく。
 
映画は三部構成になっていて、パート1はエミがルーマニアのブカレストの街をひたすら歩いている。
その歴史ある建物のある街は車が我が物顔でのさばっている。
 
パート2は風刺であり、知識のないウチにはよくわからない。あれよあれよという感じ。
ただ記憶に残った話がふたつあった。
1989年のルーマニア革命で革命派が追われ逃げている時にチャウシェスク政権に近いルーマニア正教会は、門を開けなかったこと。
もうひとつはメデューサの話。
ペルセウスはメデューサを倒すため、盾にメデューサの顔を写した→現実は厳しくて直視できない。→鏡(=映画)に映して見せるしかない。
ってこと。
 
パート3は、
イチ教師のポルノやらなんやらゆうよりも、歴史は繰り返すんやから、
いままで失敗し血を流してきた数々のことを、ひととして、国として、子供たちに伝えなあかんやろっ(炎)
という風に感じた。
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