2022年7月の映画  戻る
ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 JURASSIC WORLD: DOMINION
2022年 147分 米国
監督 コリン・トレヴォロウ
脚本 エミリー・カーマイケル/コリン・トレヴォロウ
キャスト クリス・プラット(オーウェン)/ブライス・ダラス・ハワード(クレア)/キャンベル・スコット/ディワンダ・ワイズ(パイロット・ケイラ)
メモ 2022.7.30(土)なんばパークスシネマ
感想
007?と思うようなオートバイで逃げるシーンもあり映像は楽しめたんやけど、お話が。いまどき、ほんとに、雑。
それともウチのおつむが足りてないから、映画の意図がわからないのか。もやもやする。
 
恐竜と話が通じるかも・・・ってよりも、エサと思って頭からパクッってする方が納得しやすい。知能があれば人類と同じ考えを持つにいたるのか?
大企業は悪であり楯突く人たちは目的が手段を正当化するとばかり破壊工作してる。「ワクチンは毒!」って言っているひとたちみたいに見える。
孫娘を保護してるってゆーけど、見方を変えれば拉致監禁。
最後は遺伝子操作で逃げないようにしているんやろか。やっぱり遺伝子操作なのか。翼のあるヤツラはどーしたんやろう。
遺伝子をいじるのとかクローンを作るはいいの悪いのどっちなの?白黒つけれないの?
 
サム・ニール、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム、BD・ウォン(ドクター・ウー)と『ジュラシック・パーク』のメンバーが出てはりました。
お元気なのは何よりでなつかしくはあるけど、出てはるだけ。こういう面々に頼らざるをえない映画。
最後に言いたい事は、DOMINIONを「新たなる支配者」って訳するのは変やなかろか。内容にあっていない。
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クラバート 
1977年 73分 チェコスロヴァキア
監督・脚本 カレル・ゼマン
原作 オトフリート・プロイスラー
メモ 2022.7.27(水)九条シネ・ヌーヴォ
感想
1971年にドイツのオトフリート・プロイスラーさんが書かれた児童文学『クラバート』を1977年にチェコスロヴァキアのゼマン監督がアニメ化した作品。
作者のオトフリート・プロイスラーさんと河合隼雄さんの対談を読むと、元になるのはヴェント地方の古い伝説だそうです。
(ヴェント地方は旧東ドイツのチェコとポーランドの国境近く)
オトフリート・プロイスラーさんは学校の先生を20年されていて、『クラバート』を完成させるのに長い年月をかけられたとか。
 
この厳しくかつ不思議なお話を映像は73分に凝縮させている。必要かつ十分、その理解度に圧倒される。
産業革命前のヨーロッパ世界は、庶民は食べるだけでせいいっぱい。なのに領地争いで王侯貴族が始める戦争だらけ。
クラバートは親方(マイスター)の支配下、粉ひきの辛い労働と哀しい出来事、そして外の世界がかいま見られる3年間を仲間たちと過ごす。
少しづつ自由に憧れ美しい歌声に惹かれるクラバート。
この親方は孤児たちをお腹いっぱい食べさせ、屋根のある寝床を提供する。そういう力を持ち悪人ともいいきれない。
息子が乗り越えなければならない父親にも見える。
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キャメラを止めるな! 
2022年 112分 仏
監督 ミシェル・アザナヴィシウス
メモ 2022.7.23(土)大阪ステーションシティシネマ
感想
上田慎一郎監督作「カメラを止めるな!」を「アーティスト」の監督さんがリメイクしたフランス版。
早口でポンポンまくし立てるコメディにフランス語と韓国語は合うと思う。
リメイクなのでどうしてもおぼつかない記憶を頼りに日本版との違いを探し比較してしまうねんけど、ほとんど同じ。
 
大きな違いは3つと思う。
主役が庭というか野原を逃げ回るシーンはほとんどない。あのシーンは揺れる画面がちょっと辛かった。ゆえにB級度は低め。
奥さん(監督アザナヴィシウスさんのパートナーだそうです)の狂気も低め。名優が出てはるそうで、全体に洗練され格調は高め。
 
音響係が追加されていて、このひとの訳わからなさ、??? とまどい 手出しできない様子がおかしい。観客の視点らしい。
 
ラストはピラミッドというよりエッフェル塔みたいで。「フランスでは組体操せーへんのかな」と思ったけど、ラストのラストの笑いに生かされていました。
確かに梯子はピラミッドよりエッフェル塔に似ている。
マダム・マツダの「真珠湾・・」のすごみも含め、楽しかった!
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悪魔の発明 
1958年 82分 チェコスロヴァキア
監督 カレル・ゼマン
原作 ジュール・ヴェルヌ
メモ 2022.7.13(水)九条シネ・ヌーヴォ
あらすじ
世界征服を企むダルティガス伯爵が海賊を手先にし天才科学者を拉致、大西洋の秘密の島でとてつもない兵器を開発させる。
ついでに拉致された博士の助手が計画を阻止すべく奮闘する。
感想
「地底旅行」「海底二万里」「カルパテ城の謎」のジュール・ヴェルヌ(1828-1905)原作「悪魔の発明」(1896)をチェコスロヴァキアのカレル・ゼマン監督(1910-1989)が1958年に映画化したそうです。
 
お話はともかく、潜水艦、潜水夫、気球、軍艦が出現し、実写、アニメーション、切り絵が融合された作品で独特の味わい。
すごいわ。
海底ケーブルが出てきた時にはびっくりした。調べたら英国と米国の間で1866年に敷設されたのが最初らしい。
海底ケーブルは5G社会に向けてこれから変わるんやって。中継器が少なくてすむようになるとか。
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エセルとアーネスト ETHEL & ERNEST
2019年 94分 英国/ ルクセンブルク
原作 レイモンド・ブリッグズ
メモ 2022.7.1(金)
感想
『スノーマン』『風が吹くとき』を描かれた英国の絵本作家レイモンド・ブリッグズさんが両親のなれそめから亡くなるまでの43年間を 絵本化した『エセルとアーネスト ほんとうの物語』のアニメ化。103頁の本を94分のアニメにしてあるのでアニメの方がより詳しい。
(と、昨日から感想を書き始めたら、レイモンド・ブリッグズさんは8月9日88歳で亡くなられていた。合掌)
レイモンドは両親に孫を見せれなかったこともあってこの本を残されたのかもしれない。
エセルの声は『秘密と嘘』のブレンダ・ブレシン。
 
お母さんのエセル(1895-1971)とお父さんのアーネスト(1900-1971)はふたりともロンドンの下町育ちだが、エセルは中流階級のメイドをしていたこともありロイヤルファミリーを敬い保守党支持者、一方アーネストは労働党の支持者。
性格もエセルは真面目で固い、アーネストはご陽気と正反対。
このお父さんがすごいねん。ミルクの配達で家族を養い、中古の家を買いローンを払い、中古を探してきてレンジも替え大工仕事で家を整えていく。
常に新聞を読みラジオを聞き情報収集にも余念がない。目端の利くタイプ。
お母さんは実直でカーテンを縫い、家具のカバーを作り毎日家を磨きあげている。ふたりが41年暮らした家も主役のひとり。
英国人は家をとっても大切にするらしい。
アーネストは両大戦間に青春期を過ごし従軍せずに済んだが、エセルは弟、アーネストは兄を第一次世界大戦で失っている。
ロンドン大空襲バトルオブブリテンをしのぎ、ひとり息子を大きくし力を合わせて生き抜く。
英国版『この世界の片隅に』。
アーネストが防空壕やシェルターを手作りするのを見ていると『風が吹くとき』は庶民の両親がモデルと感じる。
 
笑ったのは、アポロ11号月着陸のニュースをアーネストが話すと、エセルがたずねる。
「月で何をするの?」 「散歩したり石をひろたり」 「海辺で遊ぶのと同じね」
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