2021年11月の映画  戻る
キャッシュトラック WRATH OF MAN(怒れる男)
2021年 119分 米国/英国
監督 ガイ・リッチー
キャスト ジェイソン・ステイサム(”H”パトリック・ヒル)/ホルト・マッキャラニー(同僚ブレット)/ジョシュ・ハートネット(同僚デイヴ)/エディ・マーサン(事務方)/ジェフリー・ドノヴァン(リーダー・ジャクソン)/スコット・イーストウッド(若造ジャン)/アンディ・ガルシア(FBI)
メモ 2021.11.21(日)梅田ブルク7
感想
ガイ・リッチー監督の最新作。仏映画のリメイクだそうです。
梅田ブルク7の最後列に座ると後ろにスピーカーがあってえらい爆音。
「失敗した」とニット帽を深くかぶってんけど、見てるとまったく気にならなくなって。
俯瞰とかローアングルとかに、この爆音があってる。
 
ライブのMCのそれ休憩?みたいなドラマ部分 が凝縮され必要かつ十分なのもとっても好み。
兵器庫のおじちゃんたちも果敢に迎え撃つ。これは西部劇やね。開拓時代の銀行強盗やわ。
内部の手引き者を事務方のテリー(「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム」のレストレイド警部)と思っていたことをここに白状いたします。
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ベイビーわるきゅーれ
2021年 95分 日本
監督・脚本 阪元裕吾
出演 石あかり(ちさと)/伊澤彩織(まひろ)/伊能昌幸
メモ 2021.11.16(火)シアターセブン
あらすじ
女子高生の殺し屋コンビ、ちさとandまひろは「会社」から言い渡される。
「高校を卒業した後大学にいかないなら、社会人として独立し職業につくこと」
いままでJKは気楽に過ごしてきたが、おとなは表稼業が必要らしい。
感想
本作品を撮るために、阪元裕吾監督は京都の殺し屋田岡(「最強殺し屋伝説国岡」)に密着取材をした。
(という事になっている)
先日「最強殺し屋伝説国岡」見るため映画館で待っていたら、けっこう年配の男性と若い男の人がふたりとも「ベイビーわるきゅーれ」と「プリテンダーズ」やったかの
ちらし(だけ)を取っていきはったの。どちらも十代の少女たちが主人公。
「へー」
ミニシアターファンには、美少女が目当てのひともいるんか。
たとえば「地下アイドル」のファンみたいな人?
そういう観客をターゲットにした映画をウチが見に行って面白いんやろか? うーん
そやけど「最強殺し屋伝説国岡」を見たんやし、毒を食らわば皿まで 乗りかかった舟 と出かける。
 
いやあ、「みたことのない映画」とまではいかんけど、かなり面白い。海外に輸出できるんやなかろか。
キンパの伊澤彩織ってひとのアクションシーンがふたつあって。小柄な体をいかしてなかなかすごいねん。必見
地面を這いずり回り敵の足の間をくぐり、「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ 」のアナ・デ・アルマスを上回る。
 
ただ、難点と疑問がふたつあって。
難点はまひろが「ぼそぼそ」言う言葉が聞き取りにくい。残念です。
疑問のひとつめは「ちさとが何故、解放されたの」 殺しの依頼人ではなかったから?
ふたつめは「始末屋に頼んだのになぜ死体がでてくるの?」 始末屋なの?
流れるままに見て理解がおよばなかったのかも。DVDで見る方がいいのかも。
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老後の資金がありません! 
2021年 115分 日本
監督 前田哲(「棒たおし」
原作 垣谷美雨
脚本 斉藤ひろし
出演 天海祐希(後藤篤子)/松重豊(アツコの夫アキラ)/柴田理恵(アツコの友サツキ)/草笛光子(アツコの姑)
メモ 2021.11.6(土)なんばパークス
あらすじ
”老後資金2000万円!”いやー2000万円では足らんでしょ倍の4000万円はいるっしょ が重〜くのしかかる50代の夫婦、後藤家。
現在の預金は700万円。家のローンも残っている。しかも老母への毎月の仕送りは9万円!
しかし、大学生の息子が間もなく就職。教育費用が終わり明るさが見えた。これから老後の資金を貯めるのよ!
が、相次いで勃発する金のかかるイベント人生の節目。まず夫の父が90歳で亡くなる。葬式だ。戒名費用だ。
感想
アツコのヨガ友サツキの家出した父親になりかわり、老父の年金のため生存確認にやって来る市役所の職員を欺こうとするところまでは軽快に走る。笑える。
親がケアハウスに入ってもこまごまとした日常の費用は必要という現実も描かれていた。
そして葬儀屋さんの「ここでケチってもねえ。」という遺族の心を突く言い方。うまいわあ。
(一緒に観ていた従姉がゆうには、
「ハハのお葬式の時お金が無かったので棺桶はフツーは20万円というのを振り切って一番安い10万円のにしてん。
そやけど葬儀屋さんは当日「持ってきたのは20万円のですけど今回は10万円だけいただきます」っていいはってん。
結局一種類しかなかったんとちゃうやろか。」
「それやったら、値段があってないようなもの というか、詐欺みたいやん」というさぼてん。
ふたつあると見栄で高い方を選んでしまう人間の心理やねんね。)
 
笑ってたんやけど、ここからがやなあ。浪花節というか。優等生というか。の展開。
(元松竹歌劇団の草笛光子さんと元宝塚歌劇団の天海祐希さんの「ラストダンスは私に」のデュエットは良かったけど。)
利にさとい妹夫婦がお母さんを引き取るのは実は隠し財産があったとかやったら面白かったのに。
 
車とか家とか世間体にまどわされず、シンプルに生きようというのはわかるんやけど結局2000万円は必要なんか。
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コレクティブ 国家の嘘 COLECTIV
2019年 109分 ルーマニア/ルクセンブルク/ドイツ
監督・撮影 アレクサンダー・ナナウ
メモ 2021.11.2(火)シネ・ルーブル梅田
感想
「統計外事態」を読んだときにルーマニアって国を思い出して「いまどんな具合なんやろ」と思ってたらドキュメンタリー映画が公開されていたので見に行く。
 
道険し みたい。
 
2015年にブカレストのライブハウス「コレクティブ」で火災が起こる。
「天井が燃えてる燃えてる」ゆーてるうちに火のついた天井が落下し後は阿鼻叫喚。
死者27名、負傷者180名という大惨事。
が、悲劇はこれで終わらなかった。病院に収容された熱傷の若い患者が次々に命を落とす。死者数は64名となる。
担当の大臣(日本でいう厚生大臣)は「適切な治療が施された」を繰り返すが、金持ちはドイツに治療に行くこの国。
小さな町のスポーツ紙「ガゼタ・スポルトゥリロル」の記者が疑問を持ち病院を探り始める。
 
そこでわかったことは「消毒液が薄められている」という事実。
記者のひとりが言う「あの消毒液は細菌を殺すんじゃない。ひとを殺している」
後半は臨時にたった野党政党の若き大臣が汚職撲滅と法律の制定に奮闘する姿。。。。。そして国政をかけた1年後の選挙。
 
東関東大震災のときには「日本ってロボット先進国やなかったん」
2020年から広まった新型コロナウィルスでは「日本って医療の先進国やなかったん」 「医療はかわらず既得権益の塊」
と衝撃を受けている身には他人事やないねん。
 
そやけど、なんか人間ってなまけものやねんて(ウチもぐーたら)。あんまり考えたりすんのメンドーで、そやから変化をいとうし、話し合いも避けて
カリスマっぽい指導者やら「ゼロかイチか」と極端な選択をせまる政治家に指導力ありそとかおもて「まかせといたらえーんちゃう」と丸投げになるんやて。
そー考えたらコロナ禍で政府のゆーことちぃっともきけんかったらしい文句言いの仏国とかは、全体主義になびかない国民性なんかもしれん。
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