大正ロマンの時代、発明家として浅草「百栗庵」に棲む、百栗柿三郎(ももくりかきさぶろう)がいた。変人。いい変人。
助手は大きな招き猫の「お玉さん」(TAMA3号)。看板の「よろず発明、承り」の横に小さく書かれた「よろず探偵 人探しも承り」
に引き寄せられ、四つの「謎」が持ち込まれる。
第一話
人造人間の殺意
第二話 あるべき死体
第三話 ゆれる
陽炎
第四話 惨劇に消えた少女
第二話の「ジャック・ザ・リッパー」を『日本でいうと「切り刻み太郎」』、と書くところに作者の
指向 嗜好 思考 センスが表れていると思う。
切り刻むのは、西沢保彦の「解体諸因」以外にこういう理由もあったのか。
続編も読みたいところ(柿三郎なのは三男なのかな。お兄さんたちの名前も知りたい)。でもこの本はこれで完成されている。