2021年7月のミステリ 戻る

超短編! 大どんでん返し 
小学館文庫 2021年 188頁
感想
30人の作者による2000字(4頁)の短編集
 
面白かったのは
 
 「早業殺人に必要なもの」 東川篤哉
 「親友交歓」 法月倫太郎
 「花火の夜に」 呉勝浩
 「ちゃんと聞いている?」 西澤保彦
 「籠城 オブ・ザ・デッド」 伽古屋圭市
 
特に伽古屋圭市(かこや・けいいち)さんという方の「籠城 オブ・ザ・デッド」が好み。
知らない方やった(2010年に『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞してはる方らしい(**))ので、
こんど作品を読んでみようかな。
★★★1/2戻る

星系出雲の兵站4 
早川書房 335頁 2019年 林譲治(はやしじょうじ)著
感想
「星系出雲の兵站1」から始まるシリーズ第4弾。第一部完結
何書いてあるのかちんぷんかんぷんながらも、やーすごかった。面白かった。
妻たちのバックアップか、はたまた妻の手の内で転がされているのやらのベタベタ甘い描写もちょっとあるけれど、有川浩のように甘すぎて辟易し読めなくなることなく良い塩梅。
 
「星系出雲の兵站2」では、壱岐星系外縁の準惑星「天涯」(ガイナスの前哨基地)で降下猟兵が戦う。
撤収戦も描かれていて、「科学技術の発達した時代に白兵戦かよー」と思うんやけど、この間新聞で読んだところ
恐らく中国が米国と事を構える場合、まず米国の衛星を狙うんやって。
そうすると七つの海で艦隊を展開している米軍は制御できなくなり大混乱に陥る。
まー米軍もわかっているから六分儀を使っての19世紀の航海術の演習もしてはるらしい。
だからと言って衛星を守るために軍費を大量投入すればいいかというと、そうではなく陸海空軍にそれぞれ厚くする方がいいらしい。
「いくら科学技術が発展しても陸海空で戦う戦争の本質は変わらない」とか。
★★★★戻る

第八の探偵 
アレックス・パヴェージ著 鈴木恵訳 2020年 ハヤカワ・ミステリ文庫
感想
メタ構造って言うのかな。『ホワイトの殺人事件集』全七話を巡ってのお話。
『ホワイトの殺人事件集』は二十年前に出版され、作者はその後筆を折り地中海の小島に隠棲している。