メタ構造って言うのかな。『ホワイトの殺人事件集』全七話を巡ってのお話。
『ホワイトの殺人事件集』は二十年前に出版され、作者はその後筆を折り地中海の小島に隠棲している。
いわばスリーピングノベル。
その小説を復刻しようと編集者が島を訪ね、一編ずつ朗読し作者と「容疑者、探偵、被害者、犯人」の組み合わせと縛りについて
ミステリ談義をする。
一方その七話にはささいなことながら不整合な表現があり、歪んだ気配もする。
七話の短編集を味わい、それぞれにロジカルなミステリ談義が引っ付いていて、それだけに収まらない収まらない
という複雑な構造になっていた。
「よー考えはったなあ」というのが感想。
第五話の「青真珠島事件」と第七話の「階段の亡霊」がいいな。