2021年1月の映画  戻る


サマー・オブ・84 SUMMER OF 84
2017年 106分 米国
監督 フランソワ・シマール/アヌーク・ウィッセル/ヨアン=カール・ウィッセル “RKSS”
キャスト グレアム・ヴァーシェール(デイビー)/リッチ・ソマー(警官マッキー)
メモ 2021.1.31(日)WOWOW録画
あらすじ
1984年アメリカのオレゴン州の郊外に住むデイビーは犯罪の記事を集めるのが趣味。おりしも近くの町で少年を誘拐する連続殺人事件が発生し興味津々。
感想
「アトランティスのこころ」とか、「スタンド・バイ・ミー」みたいなノスタルジー色たっぷりのお話で、少年たちのひと夏の冒険。ハッピーエンドと思い込んでた。
やられました。たばかられました。忘れられない映画になってしもた。。
 
主人公のデイビーは「グッド・ドクター 名医の条件」のショーン(フレディ・ハイモア)の少年時代を演じる人。ちょっと繊細な感じの人です。
そして、小太りのおひとよしそうな警官マッキーは、「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」での数学者役のひと。いくつかの話にでてきはる。
この数学者がたいがい変人で、裸で壁に数式をいっぱい書いている。裸である理由と言えば
「数学と僕の間に、何もいらないんだ。さえぎるものはいて欲しくないんだ。」らしい。(わお)
(そうゆーたら、数学者岡潔先生も、頭にひびくと革靴履きはれへんかったって聞いたなあ)
この数学者のキャラクター、いいな。脚本家と演じた俳優さんに拍手。
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どん底作家の人生に幸あれ! THE PERSONAL HISTORY OF DAVID COPPERFIELD
2019年 120分 英国/米国
監督 アーマンド・イアヌッチ
キャスト デヴ・パテル(デイヴィッド・コパフィールド)/アナイリン・バーナード(スティアフォース)/ベネディクト・ウォン(ミスター・ウィックフィールド「オデッセイ」)/ティルダ・スウィントン(ベッツィ)
メモ 2021.1.23(土)TOHOシネマズなんば
あらすじ
継父に工場に売り飛ばされたディヴィット。過酷な環境の中たくましく育つが母の死を聞いて工場から逃げだし裕福な伯母の元に駆け込む。風変わりな伯母さんだったが名門校に入れてもらえる。
感想
1月からNetflixに加入し「高慢と偏見」と同じく貴族が娘を社交界デビュー(デビュタント)させ婿殿をキャッチしようと鵜の目鷹の目のドラマ「ブリジャートン家」を見た。華麗なドレスや上流階級のゴシップやら面白かってんけど驚いたのは黒人の貴族がいてはったこと。
 
びっくりしてたら、この映画もそうやってん! アジア人(ベネディクト・ウォン)まで出てはる。
 
原作はチャールズ・ディケンズの半自伝的小説『デイヴィッド・コパフィールド』だそうです。
産業革命後の混乱した絶望と希望の世界なんか、
「からっけつで何を食べて生きてはんの?」というわけ分からへん上がったり下がったり、でも小説で一発当てれば生きていける。
というヴィクトリア朝時代の狂乱なんかな。「スターリンの葬送狂騒曲」の監督さんなんやね。
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チャンシルさんには福が多いね LUCKY CHAN-SIL
2019年 96分 韓国
監督・脚本 キム・チョヒ
撮影 チ・サンビン
キャスト カン・マルグム(チャンシル)/ユン・ヨジョン(大家さん)
メモ 2021.1.18(月)シネ・リーブル梅田
あらすじ
チャンシルさんは、映画が大好き。映画の仕事があれば他に何もいらない。と思っていた。
ところが、監督が急死し、会社の社長から「PD(プロデューサ)のあたなはいらない」と言われ、気がつけば「仕事なし、金なし、家なし、男なし、子なし」の四十路。
D・ホフマンが「ウワサの真相」でぼやいてはったようにアカデミー賞に「プロデューサー賞」はない。チャンシルさんは大家さんに「プロデューサーってどんな仕事?」って問われても明確に答えられない。何でも屋に聞こえる。
感想
キム・チョヒって監督さんは、ホン・サンス監督(「豚が井戸に落ちた日」)のプロデューサやったけど、ホン・サンス監督とは袂を分かち作成した第一回作品。と聞くと、色々意味深なセリフや場面が散りばめられているような気がしてくる。
(ホン・サンス監督は死んでないけど)
 
だいたい打ち上げで酒飲みながら仲間でゲームをしていて「浮気しそうな人」と満場一致で指さされた監督がその場で「急死」っていう設定なんやから。
 
「月に願ってもしかたがない。月は欠けていく。気持ちが変わるように」とか、チャンシルさんが「小津安二郎が好き。『東京物語』とか」って言ったら売れない脚本家が「僕は、クリストファー・ノーランがいい」とか言うねん。笑った。返答が斜め上過ぎる。別次元のようだ。
恨みつらみがあるんかな(知らんけど)、とちょっとおかしくて怖い。
額にかかる髪型だけが似ているレスリー・チャンとか出てきてコメディタッチでエンタメにしてあるけどかなり私的な話やね。
その思いを商業作品に仕上げはるんがすごいわ。しっとりした絵もあるし。
 
チャンシルさんを慕う若人たちも描かれていて「映画ってひとりでは作れない」と示している(誰かに)。
「トンネルを抜けると雪国だった」は、苦しかった道とリセットされたような真っ白な平原でこれからの希望(決意表明か)を表わしてはるように感じる。
 
チャンシルさんや大家さんの顔を見ていると、痩せていて頬骨が少し高くて目が細くてちょっとまなじりが吊り上っている。アタシが子供の頃は韓国の女の人ってこういう面差しやったなと思う。
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タイトル、拒絶 
2020年 88分 日本
監督・脚本 山田佳奈
撮影 伊藤麻樹
出演 伊藤沙莉(カノウ)/恒松祐里(マヒル)/佐津川愛美(アツコ)/片岡礼子(シホ)/般若(山下)池田大(ハギオ)/田中俊介(リョータ)
メモ 2021.1.5(火)シアターセブン
あらすじ
大学を卒業したもんの就職戦線で屍累々、惨敗したカノウはデリヘル店で働くことにする。
が、しょっぱなのお客さん相手に「無理!」と逃げだし
今はそのデリヘル店でスタッフとして働いている。
感想
見終わって・・こう・・・どう感想をゆーたらえーのかわからない・・・・・
私ごときが感想をゆーてええの?
 
 
舞台劇の映画化らしいです。8割がデリヘル店でのさや当てやら罵り合い。
店では人気でランク付けされ、上やら下やらここもピラミッド社会
 
大泣きしても女たちはどこか「こんなもんか」と諦観している。
世話係のカノウは一度体験してみて「大変な仕事」と痛感しデリヘル嬢を少し尊敬している。
 
しかし、スタッフの男どもは違った。「ゴミ!」と見下げている女たちの働きで食っているのに。
職業に貴賤はないんとちゃうの。
でも上から目線やのに、スタッフの男たちは色々いたしたくてたまらず振り回されている。
女たちもナイナイの岡村が言ったように短期間で「ぱっと稼いでぱっと辞める」ことができたらえーのかもしれんけどそうもいかないみたい。
 
映画名の「タイトル、拒絶」(ワタシの人生にタイトルなんて必要なんでしょうか−−−?)はレッテル貼りされたくないということなんかな。
後味はわるくないです。
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