2011年3月の映画  戻る


エグザム exam
2009年 英国 101分
監督・脚本 スチュアート・ヘイゼルダイン
原案 サイモン・ギャリティ
キャスト ジェンマ・チャン(数学者イエロー)/ジョン・ロイド・フィリンガム(哲学者デブ)/ポリアンナ・マッキントッシュ(科学者ブルーネット)/ジミ・ミストリー(軍人ブラウン)/アダル・ベック(心理学者ダーク)/ルーク・マブリー(詐欺師ホワイト)/チュク・イウジ(工学者ブラック)/ナタリー・コックス(医師ブロンド)/コリン・サーモン(試験監督)/クリス・ケアリー(警備員)
メモ 2011.3.10(木)レンタルDVD
あらすじ
窓のない部屋に入ってくる8人の男女。とある企業の採用最終試験に残った8人だ。その内、採用されるのはたったひとり。
試験監督が部屋で話をする。「答えはひとつ。時間は80分」
そして、一度しか言わないと言って話すのは3つのルール。曰く
  ひとつ、試験監督、警備員に話しかけてはならない。
  ふたつ、試験用紙を破損してはならない。
  みっつ、部屋から出てはならない。
そして、武装した警備員を残して部屋を出て行く・・・・。
受験者たちが試験用紙を裏返すと、それは白紙だった。
感想
へえ。
就職試験グループディスカッション。異色の、そして密室の。
東京の1館でレイトショー上映のみされていた作品を、やっと見た。
ぶっちゃけ「CUBE」とか「ソウ」とか「実験室KR-13」(これはイマイチ)とかのこの手の作品に比べ、物凄く新鮮とか目からウロコって言うんやないんやけど、記憶に残る作品やった。このしばりのきついジャンルで、新手の映画が現れるってたいしたもんやね。当事者たちは理不尽な謎に果敢に挑戦する。集まった連中がそれぞれの分野のエキスパートでエリートというのが、基本にあるねん。熱いヤツ、情け深いヤツ、人を蹴落とすヤツ、アスペルガー症候群みたいなヤツなどなど、色々いる中で、結局こういうタイプが欲しかったのかいっ、というのも面白い。
 
単調になりがちなお話を、光の色を青くしたり赤くしたり、映像で変化をもたせる工夫がされていたよ。
お薦め度★★★★戻る

ハウスメイド THE HOUSEMAID
2010年 韓国 106分
監督・脚本 イム・サンス
キャスト チョン・ドヨン(ウニ「接続/ザ・コンタクト」)/イ・ジョンジェ/ソウ/ユン・ヨジョン
メモ 2011.3.9(水)中之島 朝日放送ABCホール
あらすじ
身内の縁は薄いがこども好きのウニは、大富豪の家にメイドとして入る。大富豪の生活は、物珍しい事ばかりだった。生活も、考え方も、全てが違っている。大富豪の大人たちはウニに優しく接してくれるが、それは対等な人として等というものでは、決してなかった。
感想
大阪アジアン映画祭(今年で6回目だそうです)2011のオープニング作品。1960年キム・ギヨン監督という方の作品『下女』のリメイクとか。
『ハウスメイド』のイム・サンス監督が舞台挨拶で、「1960年当時、自分の父が『下女』の辛口批評を書いたこと。キム・ギヨン監督は火事で亡くなり、ある意味監督らしい亡くなり方だったこと。主役のチョン・ドヨンさんは、子供もいる人だが女優以外は何も出来ない人であること。女優さん達に整形美容が流行って、同じ先生にかかっているのかみんな同じ様な顔になった中で、チョン・ドヨンさんは稀有な女優さんであること」などなど、ユーモアを交えつつ、真摯に語られていました。
 
今よりも因習に囚われていて身分社会だった50年前を、現代に置き換えるのは難しいなぁと思って見ていた。
有名な作品をリメイクする意味って、あるんやろうか。それは、そんな傑作と言われる作品も知らない薄らぼんやりなシネフィルの頭をガンガンたたくためなんやろな。
 
なんとなく、遙か昔に見たような気がするお話なんです。『下女』を見ているはずもないのに。何故なんだろう・・・・。
もっとも印象に残ったのは、大富豪のご主人の「自分の子ども」という言葉。大金持ちの中にも、階級があり、女は子を産む道具に過ぎない。上昇志向の高い女の人はそれを利用する。孤独な主人公の母性は、子供を利用しなかったゆえに脅威となってしまった。
お薦め度★★★1/2戻る