『ハウスメイド』のイム・サンス監督が舞台挨拶で、「1960年当時、自分の父が『下女』の辛口批評を書いたこと。キム・ギヨン監督は火事で亡くなり、ある意味監督らしい亡くなり方だったこと。主役のチョン・ドヨンさんは、子供もいる人だが
女優以外は何も出来ない人であること。女優さん達に整形美容が流行って、同じ先生にかかっているのかみんな同じ様な顔になった中で、チョン・ドヨンさんは稀有な女優さんであること」などなど、ユーモアを交えつつ、真摯に語られていました。
今よりも因習に囚われていて身分社会だった50年前を、現代に置き換えるのは難しいなぁと思って見ていた。
有名な作品をリメイクする意味って、あるんやろうか。それは、そんな傑作と言われる作品も知らない
薄らぼんやりなシネフィルの頭をガンガンたたくためなんやろな。
なんとなく、遙か昔に見たような気がするお話なんです。『下女』を見ているはずもないのに。何故なんだろう・・・・。
もっとも印象に残ったのは、大富豪のご主人の「自分の子ども」という言葉。大金持ちの中にも、階級があり、女は子を産む道具に過ぎない。上昇志向の高い女の人はそれを利用する。孤独な主人公の母性は、子供を利用しなかったゆえに脅威となってしまった。