2008年9月の映画  戻る


百万円と苦虫女
2008年 日本 121分
監督・脚本 タナダユキ
撮影 安田圭
出演 蒼井優(佐藤鈴子)/森山未來もりやまみらい(中島亮平)/ピエール瀧(春夫)/佐々木すみ江(春夫の母)/竹財輝之助(ユウキ)/齋藤隆成(佐藤拓也)/笹野高史(コーヒー屋・白石)/嶋田久作/モロ師岡
メモ 2008.9.11(木)晴れ シネ・リーヴル梅田
あらすじ
佐藤鈴子(蒼井優)21歳。短大を出て就職浪人中にアルバイターをしていてトラブルに遭遇し前科一犯となる。「ワタシは貝になりたい」心境の鈴子は、実家を出て放浪を始める。百万円たまったら、誰も自分を知らない土地に越して行くのだ。が、かわゆい鈴子を回りはそっとしておかない。男は浮き足立つ(謎めいているかわいこちゃんなら、当たり前だ)。同じような話を藤山直美がすれば「顔」になったのかと思ったりしたり。
感想
「タカダワタル的」のタナダユキ監督作品。夏の海や山の景色や季節の移り変わりが美しい。「村八分だぁ」と言ったり、ネギをそだててたりの蒼井優と森山未來の姿もかわいらしい。特に森山未來。おっきくなった。おとなになったなぁ。初めて見たのはTV「ウォーターボーイズ」の高校生役だった・・・。もてる限りの力で演技して、(なんとか)この映画を支えていたと思う。
 
なにやらもやもやする後味だ。すっきりしない。森山未來を除いた男3人のやっている事が、見ているこっちのお尻がもぞもぞしてくる。恥ずかしいのだ(きっと演技している人たちも、納得してないんだと思う)。見ようによっては、弟を含めた男四人が女に翻弄される話。蒼井優はファムファタールだぁ。
 
ウチは災難からは身を守るために、おおいに逃げていいと思うぞ。「三十六計逃げるにしかず」だ。雌伏して時を待てばいいのだ。弟の担任のぼんくらはお咎めなしで、子供ひとりでこの事態に立ち向かわせるのか? なんてことだ。さぼてんには信じられん。 中島(森山未來)が心理学専攻の大学生という設定もわからん。そんなことして彼女の気持ちはどうなると思うねん。お前は大学で何を勉強しとるのだ?  佐藤鈴子の造形に重きを置きすぎて、脚本が消化不良。軽視しているとさえ感じる。もっともっと練って欲しかった。 残念。(比べて悪いが「天然コケッコー」の完成度を見てほしい)
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デトロイト・メタル・シティ DMC、DMC、DMC、DMC、DMC
2008年 日本 104分
監督 李闘士男(「お父さんのバックドロップ」
原作 若杉公徳
脚本 大森美香(「マイ☆ボス☆マイ☆ヒーロー」)
撮影監督 中山光一
美術 安宅紀史
音楽 服部隆之
出演 松山ケンイチ(根岸崇一・ヨハネ・クラウザーII世)/加藤ローサ(相川)/細田よしひこ(和田・ジャギ)/秋山竜次(西田・カミュ)/宮崎美子(根岸のハハ)/加藤諒(根岸の弟)/鈴木一真(デザイナー・アサトヒデタカ)/松雪泰子(デスレコーズ社長)/大倉孝二(ファン1)/岡田義徳(ファン2)/高橋一生(後輩佐治)/美波(ニナ・金玉ガールズ)/大地洋輔(MC鬼刃)/大谷ノブ彦(DJライカ)/ジーン・シモンズ(伝説のデスメタルロッカー・ジャック・イル・ダーク)
メモ 2008.9.6(土)晴れ TOHOシネマズ梅田
あらすじ
大分から大学に入るため、東京に向かう根岸崇一。彼の夢はポップミュージシャンになることだった。それが・・・
どこをどう間違えたのか、正解か、濃い〜ファンに絶賛、絶叫、熱狂、神格化悪魔化されるデスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ(通称DMC)」のボーカル・ヨハネ・クラウザーII世を、鬼のような社長にさせられていた。
感想
好み。面白かった!。 ずんずんした重低音のロックもいい。楽しい####♭###。漫画チックでクスクス笑える・・・・・・・・(「原作、漫画ですやん」ってツッコミ入れて)。
 
ヨハネ・クラウザーII世の立ち姿も走る姿もギターもかっこいいねん。ぐちぐち言っている割には、クラウザーII世に扮すると別んとこのスイッチが入り違う生き物になり、魔王となる。 ふんぞり返ってファンのおでこに「」って焼印(実はスタンプ)押すところ、笑った。そやねんけど情けない所と表裏一体で・・・・・。
しかし、ヨハネ・クラウザーII世の情けないところは母性愛をくすぐるのに、根岸崇一には「勝手にしてれば」と冷たい視線になるのは何故? 立ち居振る舞いが北極よりも寒いから?。 ここんとこ悪魔はお前かのデスレコーズ社長(松雪泰子)の気持ちが、良くわかるな。
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おくりびと
2008年 日本 130分
監督 滝田洋二郎(「秘密」)
脚本 小山薫堂(こやまくんどう)
撮影 浜田毅
美術 小川富美夫
音楽 久石譲
出演 本木雅弘(小林大悟)/広末涼子(大吾の妻・美香)/山崎努(社長・佐々木)/余貴美子/吉行和子/笹野高史/杉本哲太
メモ 2008.9.4(木)試写会・梅田ピカデリ
あらすじ
チェリストの小林大悟は、オーケストラの「解散!」により仕事を失う。ぎりぎり境界線の演奏者だった大悟は、チェリストの道を諦め、妻の美香と故郷に帰る。故郷・山形には母が残してくれた家があり、住むところには困らない。仕事探しで目に付いた求人広告は「年齢問わず、高給保障!実質労働時間わずか。”旅のお手伝い”NKエージェント!!」だった。ツーリストの仕事か? と面接にでかけたところ、社長の佐々木は「あぁこの広告、誤植だな。”旅のお手伝い”ではなくて、安らかな旅立ちのお手伝い”だ。」と言い放ち、マジックで追記訂正する始末。仕事は”納棺師”見習い。亡くなった人を棺に納める仕事だった。人がよくて小心者の大吾は社長の「採用!」の言葉に断れなくなってしまう。
感想
ユーモアはあんねんけど、内容は重くて厳しかった
   死者を大切に悼む別れの儀式って生者にとっても大事なんだな。おろそかにしてはいけないな。それにいたむ前に発見してもらう手当ても大切。独り暮らしになったら、ジャーポットでも冷蔵庫でもSECOMでも生存感知してもらうものを、ちゃんとしておかねば。迷惑をかけてはいけない。
 
(もっくんのような美形に)ていねいに清めて送っていただけるのは大変ありがたいが、家族に見つめられてハズカシイ。ウチは白衣姿でマスクした人にじゃぶじゃぶ洗ってもらってもらうのも、ビジネスライクでいいかも。でも、考えるにそれじゃCSI:科学捜査班みたいだな。事件に巻き込まれたみたいで、それもなんだかなぁ。
 
満員の梅田ピカデリの試写会ではサプライズが。もっくん登場(ヒロスエリョウコさんも)。「キャーキャー」(横のツレの声)。もっくんの立ち姿、なんてかっこいいんだ。正視できない。へろへろ。舞台挨拶では、本木雅弘が山崎務さんを誉め、広末涼子が本木を誉め、これじゃ身内の誉めあいになるとでも思ったのか、もっくんが「広末さんは、色々ご苦労も(私生活に)あると思うのに、それをちっとも見せず・・・」と言って「誉められてるんだかなんだか」(広末)と言われる始末。横のツレが小声で言う「ヒロスエ怒ってますよ。もっくんしゃべらない方がいいですねぇ」ww。。。。
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