原作は中島らもさんの「お父さんのバックドロップ」。ご本人も甲羅を経た散髪屋役でおもしろい。時代設定が1980年という事もありのすたるじっくなしみじみとした映画やったな。「もうお前は死んでいる」状態の牛之助がマンガチックではあるが。ええねん、許しちゃおう。牛之助のお父さん役の南方英二さん(チャンバラトリオ)のとぼけながらも世慣れた風情がよかったな。2組の父と子の話なんやね。「お前は一雄にどう思われたインや」 「尊敬されたい・・・・」 「ぜいたくやな」といいながらも去り際に黙っておっきな息子の頭をなでていく。 この映画は他にも印象的なセリフと場面が多かった。 傾いている団体をなんとかしようと憎まれ役に徹して「金、金、金」の生瀬勝久さんが「(俺はな)レスラーを食わしていかなあかんのやっ」。この言葉で彼のプロレスへの愛情がわかるねん。 牛之助の幼馴染の南果歩さんが、「一雄に嫌われている・・・」と落ち込んで抱きつく牛之助に「押し倒したら承知せーへんからっ」というシーン。昔っから好きやったのに、どきどきしているのに、つっぱるのがかわいそうやねん。
さぼてんは、べたべたしているようで距離がとれる人間関係、おもろくていささかもの哀しい
大阪が好き、関西の空気が好きというのを再認識した映画であった。