くらもちふさこ原作漫画の映画化。おっとりした方言がここちよい。四季の風景も美少女と美少年の中学生ふたりもキラキラ輝く
美しい作品だった。おぼこい素直なそよと、ちょっとゆがんだたるそうな広海。ふたりをかこむ子供たちもおとなたちもがんばっていたな。
「潮騒」の荒々しさとは真逆にある作品かもしれない。「潮騒」のふたりが一点に集中していくのに対し、「天然コケッコー」のふたりはゆったりと広がっていくような感じがした。
そよの弟が、始めて現れた兄貴分の大沢広海にひっついているのが、かわいい。姉のそよが、父(佐藤浩市)と大沢の母(大内まり)との昔わけありそうな関係を不安に思っているのをまったくしらず、「電話が掛かってきたら、別の部屋に行きよるは浮気している証拠じゃと(とかなんとか)」言って、ばっちゃんやじっちゃんを笑わすシーン。大沢から教えてもーたんやな。大沢の両親は父にいい人が出来たので別れたんやな、とわかるシーンがうまかった。弟はまだ子供の世界にいて、そよと大沢広海はおとなと子供の狭間にいるというのがよくわかる。いくつになっても思い出すと恥ずかしもせつなくなる青くピュアな、
大事な時にそよと大沢は今いるんやな。