安楽椅子探偵物。 恋愛3編。どれもかわいかったな。 中でもSF「五人姉妹」の中のレトロな恋愛「「ホールド・ミー・タイト」、
「君たちに明日はない」を思い出させる「スクランブル・カンパニィ」の人物造形が面白い。
「喪失の扉」が怖かったな。昔からたまーに見る夢のバージョンがある。 「何故か突如もうすぐ試験だ! 教科書を見ても何もわからへん。教わった覚えもないっ。これはどうした事か・・・(英語と数学ね)」 「誰かに追われていて、逃げている。ひたすら闇夜を逃げている。しかもあろうことかほぼ全裸(フロイトの夢判断、されたくねえ)」 そして最近加わったのが「誰かもいつかもどうやってかもわからへんけど、どうやらアタシは人をあやめたみたい。。。事故やったけど未必の故意かも・・・・お宮入りの事件の犯人は・・・」というのがある。目が覚めて
たいそうホッとするのである。現実に心から満足する一瞬。
「ミステリの読みすぎやで、あんた。」って感じですが・・・・・。まさか覚えていないだけでほんまの事やないやろね(
ちゃう、絶対ちゃう)
おすすめ度★★★★
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犬はどこだ
2005年 米澤穂信(よねざわほのぶ)著 東京創元社ミステリ・フロンティア 309頁
あらすじ
順風満帆な人生を送るはずだった元銀行員の紺屋長一郎(こうやちょういちろう)25歳。尾羽打ち枯らして故郷に帰って来た。半年の療養、雌伏後始めたのは調査事務所 「紺屋S&R」 (こうやサーチ&レスキュー)。調査の経験はゼロ。世捨て人のごとく犬捜しを専門にしたいと思っている。世間の端っこで細々と生きたい(話はぜんぜん違うが、ちびさぼの同級生で「家、どこ?」って聞かれて「堺(さかい)の端っこ」って答えたら「世界の端っこ」って聞こえた子がいたとか・・・・失礼しました。)。まあぜーんぜん仕事が来なくていずれフェードアウトかもと思っていたところ、しょっぱなから2件も仕事が舞い込む。1件目は失踪した孫娘を探して欲しいという荷が勝つ仕事。もうひとつは古文書のいわれを探るもの。どちらも町役場の福祉課にいる友・大南(おおみなみ)の紹介だった。ここは小伏町のじいさん連中の相談所やないっちゅーの。
感想
ひゃー、空恐ろしい。 結構こわいラストだったな。
もともと迷い犬探しをしたいと思っていた主人公の
「犬はどこだ」・・・・なるほど。よく出来た題名だ。賢い犬は番犬になるし、捨てられた犬は野良犬になってすさみ子供を襲ったりする。犬は2つの面を持っている。さらに猟犬になって追う場合もある。
「この件は誰にも言いません」って判子を押して渡すって訳にもいかんしな(・・・「時効警察」のオダギリジョー、いいな)