4代にわたる父と息子の負の資産って話になるのかな。ビンセント(ロバート・デ・ニーロ)は敏腕刑事でありながら12歳のときに父親が乳児誘拐を犯したあげく誤って乳児を死なせてしまい誘拐殺人で処刑されるという過去を背負っている。自分は父を捕まえた刑事に育てられまっとうに大人になったはずだったが、幼い息子を残して離婚してしまう。だんだん息子が会いたがらなくなり(そらそうだよな。思春期になったらたまに会っても話をする事がなくなるもんな)疎遠になっていた。独身で恋人もいて仕事も充実している気楽な生活に「息子が殺人者!」という現実が突きつけられた。大人の都合で子供には悪い事をしたと思う一方息子はふがいないとも思える。しかし親というのは子供の行動の結果を受け入れざるを得ないのだ。
突如現れた孫息子にとまどい「俺には育てられない」というと恋人のミッシェル(フランシス・マクドーマンド)に「あなたが育てるのよ」と言われる。つまり離婚するとき子供を男親が引き取って育てるという道もあるんじゃないの? 「母親が育てる方が子供のためだ」というのはほんまは逃げているだけじゃないのと言われた訳だ。ひとりの人間を一人前にする事をどう心得ているわけ? たとえ妻の不倫が原因の離婚であったとしても。という事だな。
あまりに上手すぎるデ・ニーロの演技・・・・。でもぽろっとするよ。
「スパイダーマン」でグリーンゴブリン(ウィレム・デフォー)の息子役で印象深かったジェームズ・フランコが息子のジョーイ。この人目当てに見た映画であり、ジェームズ・ディーンばりの演技に注目! 実話の映画化だそうです。