1999年3月の映画


グッドフェローズ GOODFELLAS
米国 1990年 146
監督・脚本 マーティン・スコセッシ
原作・脚本 ニコラス・ビレッジ
撮影 ミヒャエル・バルハウス
出演 レイ・リオッタ(ヘンリー)/ロバート・デ・ニーロ(ジミー)/ジョー・ペジ(トミー)(アカデミー助演男優賞)/ロレイン・ブラッコ/オール・ソレビノ
メモ 1999.3.29(月曜日)CSスターチャンネル
あらすじ
マフィアに憧れた少年の30年にわたるマフィア人生。実在の事件を元に映画化。
12才のヘンリーは、肩で風切るマフィアにあこがれ地元のポーリー一家の一員となる。マフィアのブルーカラーとしてやばい仕事に精をだし、いっぱしの顔となり家庭を持つがしだいにボスに禁じられている麻薬売買に手を出しはじめる。
感想
マフィアの抗争劇ではなく、マフィアの物事の捉え方、考え方が丹念に描かれてました。なおかつ、ヘンリーが麻薬容疑で捕らえられる一日は 細かいカットでスピーディに見せて意外なほど面白かった。
チンピラやくざにマイケル・L・ジャクソン、ヘンリーの愛人にデビ・メイザーと脇も嬉しい(^^)。
おすすめ度★★★1/2
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二つの顔 COPIE CONFORME
仏 1946年 
監督 ジャン・ドレヴィル
脚本 ジャック・コンパネース
撮影 アンドレ・トマ
音楽 ルネ・クレーリック
出演 ルイ・ジューヴェ(LOUIS JOUVET)/ジュジイ・ドレール(コラリーヌ)/レオ・ラパラ(アンドレ)/ジョルジュ・パリィ(元刑事ラブリュンヌ)/アネット・ポワーヴル(シャルロット)
メモ 1999.3.28(日曜日)BS録画
あらすじ
ある時は、成金に「史跡ニオール城」を売りつける偽ニオール侯爵
ある時は、バカンス中の金持ちの部屋に豪華な箪笥を運び込む運送屋。もちろん箪笥の中には仲間が忍んでおり、貴金属をいただく。
また、ある時はノルウェー人に化け宝石商から宝石をパッパする怪盗イスモラがパリを騒がしていた。

ボタン屋の奉公人で実直なだけが取り柄のデュポンは、怪盗イスモラとそっくりさん。間違われて警察に捕まり、こづき回され開放はされたものの仕事はクビ、隣人には疑われ世をはかなみ抗議の入水自殺を図る。が、そこに現れたイスモラの部下が脅して屋敷に連れてくる。イスモラの仕事中の身代わりアリバイになれと言う。
感想
ルイ・ジューヴェひとり5役という冗談みたいな映画(笑)。
怪盗イスモラが、ムシュー・アリバイになるのを拒むデュポンに「デュポン自殺!」と大見出しのついた新聞を見せて言う。「デュポンは死んだ。表向きはな。警察が遺体を探している。みつけてほしいか?

ルイ・ジューヴェといえば、映画「どん底」(未見)でも有名な舞台俳優との事ですが、私は「犯罪河岸」っていう映画を見たい。監督はアンリ・ジョルジュ・クルーゾー。
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ライアー LIAR ストックホルム映画祭脚本賞、撮影賞
米国 1997年 102分
監督・脚本 ジョナス・ペイト(撮影パート)/ジョシュ・ペイト(演技パート)
撮影 ビル・バトラー
音楽 ハリー・グレッグスン=ウィリアムズ
出演 ティム・ロス(ジェームズ・W・ウェイランド)/クリス・ペン(フィリプ・W・ブラクストン「レザボア・ドッグス」)/マイケル・ルーカー(エドワード・W・ケネソウ「ヘンリー」)/レネー・セルウィガー(「ザ・エージェント」)/ロザンナ・アークエット(「パルプ・フィクション」)/エレン・バースティン(「この森で、天使はバスを降りた」)
メモ 1999.3.22(月曜日)ビデオ
あらすじ
二人の刑事ケネソウとブラクストンは、コールガール殺人事件の容疑者として、プリンストン大卒のお坊っちゃまジェームズ・W・ウェイランドをポリグラフ(嘘発見器)にかける。しかし、ウェイランドはのらりくらりと攻撃をかわし二人の刑事を翻弄する。ウェインランドの言っていることは「本当の事」なのか、それとも「嘘」なのか。ウェイランドはTLEという持病をもっており発作の間の記憶は無くなってしまうため本人も「嘘か真か」わからないのか? その日は結果がでないまま解放されるが、このままでは犯人にされてしまいかねないと刑事達の秘密を探り出す。そしてみずから警察に出頭し攻撃に転じる。
感想
なかなか凝った造りの映画でした、脚本も映像も。
ただ、入り組みすぎてよくわからない消化不良さが残った。救急隊員があの人だったので、結末はこうだと思う。ただ疑問点がいくつかあり、特に「あの結末で犯人はどう得をしたのか」かがよくわからない。この文章もよくわからない。読んでいる人もよくわからない。ねたばれするので、ゴメンくさい。
しかし、登場人物3人共ミドルネームにWがつくんですね。監督さん双子でしたね。
おすすめ度★★★1/4
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蜜の味 A TASET OF HONEY
英国 1961年 100分
監督 トニー・リチャードソン
原作・脚本 シェラ・デラニー
撮影 ウォルター・ラザリー
出演 ドーラ・ブライアン/リタ・トゥシンハム(カンヌ映画祭俳優賞)/ロバート・スティーブンス/マレー・メルビン(カンヌ映画祭俳優賞)
BS録画
あらすじ
娼婦の母親とその娘は、希望もなくその日暮らしの日々を送っている。少女は黒人の船員と仲良くなるが、彼は船で旅立ってしまう。少女に残されたのはお腹の中の赤ちゃんだった。
感想
苦い映画です。苦くてもの哀しい。貧しさの再生産っていうのかな。その時々の甘い蜜を求めて生きる母と少女のお話。
2,3ヶ月前に見たのですが、感想を書いていなかったので再見しました(汗)
ぜーんぜん知らない監督さんだったので、なにげなく検索してび、びっくり。「長距離ランナーの孤独」「土曜の夜と日曜の朝」(ああそうだ、冷たい救いのないリアリズムだ) 「トム・ジョーンズの華麗なる冒険」もしかしたら、「ホテル・ニューハンプシャー」「ブルー・スカイ」の監督さんかも。バネッサ・レッドグレーブと結婚していたかも。ああ、自分のもの知らずさに、あきれた。
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レッサー・エヴィル THE LESSER EVIL(ささいな悪事)
米国 1998年 96分
監督 デヴィッド・マッケイ
脚本 ジェレミー・レヴィン/スティーブン・シュルツェ
撮影 スティ−ブン・シュルツェ
音楽 ドン・ディヴィス
美術 ジェレミー・レヴィン
出演 アーリス・ハワード(アイヴァン「ロスト・ワールド」)/マーク・ウォーデン(22年前のアイヴァン)/コーム・フェオーレ(デレック)/ジョナサン・スカーフ(22年前のデレック)/トニー・ゴールドウィン(フランク「ゴースト」)/スティーヴン・ペトラルカ(22年前のフランク)/デヴィッド・ベイマー(ジョージ)/アダム・スコット(22年前のジョージ)/ジャック・ケラー(ハーダウェイ刑事)/リチャード・リール(スミッツ刑事)
メモ 1999.3.20(土曜日)心斎橋ビッグステップ パラダイスシネマ
あらすじ
ミズーリー洲ウィンフィールドの4人組、アイヴァン、デレック、フランク、ジョージは親をだまくらかしてビール、大麻、車をかっとばし、喧嘩をしてはセックスの話も大好きというごく普通の高校生だった。他のグループとのケンカで負けて腹のむしがおさまらない4人は、仕返ししてやろうともくろむ。湖で待ち伏せをしていた四人の前に車が止まる。デレックが持っていた拳銃で脅そうとジョージが車に近づいていく・・・・。
感想
「犯人は誰だ!」ではなく「被害者は誰だ!」の密室系サスペンス。本格ミステリ。
最初から伏線がはられていて、わかりやすい作りです。映像の場合は、フェアに作るとその分どんでん返しの驚きが少なくなるので、兼ね合いが難しい。しかし、私は「驚かすため」だけの奇をてらった展開よりもシンプルで好感を持ちました。

複数による犯罪となると、それぞれの罪の重さ深さの判断がつきにくい。この新たなる犯人のホワイダニットをどう捕らえるか?この映画の重点はここかもしれない。「罪と罰」です。
***ねたばれあります。***
犯人を神父にしてあるのがこの映画の最大のミソと思う。偶発の事故よりも、未必の故意の方の罪を重くみている。この神父は、ひとりを犠牲にすることで後の3人を救ったのか、それとも3人に「仲間殺し」という新たな罪をかぶせたのか。死刑ではなく、無期懲役を科したのかもしれない。
おすすめ度★★★★
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鮫肌男と桃尻女
日本 1999年
監督・脚本 石井克人
原作 望月峯太郎
撮影 町田博
音楽 Dr.StrangeLove
出演 浅野忠信(鮫肌黒男)/小日向しえ(桃尻トシコ)/岸部一徳(田抜)/鶴見辰吾(ミツル)/島田洋八(ソネザキ)/我修院達也・若人あきら(山田)/寺島進(沢田)
メモ 1999.3.19(金曜日)テアトル梅田
あらすじ
森の中をパンイチで逃げている男がいた。組の金一億円を持ち逃げした鮫肌黒男は、組織に追われていた。そこに一台の車が通りかかり車に乗っていたトシコは逃亡劇に巻き込まれてしまう。トシコ自身、変態のおじに半監禁状態にされていたホテルから逃げ出した所だったのだ。
感想
日本映画はこういう方向に向かっているんでしょうかね。
劇画調と思っていたら、原作がマンガでした。固まる濃いギャグやらテンポやら、間合いやらがちょっとあえへんなあと思いながらも、なかなかおもしろかったような、おもしろくなかったようなヘンテコな映画。タランティーノ好きには一見の価値あり。へらへらした浅野忠信って、やっぱすごい俳優と思う。20年後この映画を再見したときに残るのは浅野の存在と思う。

二日たって思い返してみると、面白い映画だったような気がしてくるから不思議
おすすめ度★★★1/2
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恐怖の逢びき カンヌ映画祭批評家賞
スペイン/イタリア 1955年 88分
監督 ファン・アントニオ・バルデム
脚本 ルイス・F・デ・イゴア
撮影 アルフレード・フレイレ
音楽 イシドロ・マイステギ
出演 ルチア・ボゼー/アルベルト・クロサス/オテリオ・トソ/カルロス・カサラビリア/ブルナ・コラ
メモ 1999.3.16(火曜日)TV録画
あらすじ
一本道を自転車が走っていく。丘の上に昇った自転車が見えなくなった所に反対側から自動車が走ってきて急に止まった。自動車の中には富豪の妻と大学助教授が乗っており、人目を忍ぶ密会の帰り道、自転車の男をはねてしまったのだ。情事がばれるのを恐れるふたりは、はねた男をおきざりにしてそのまま車で走り去ってしまう。
感想
富豪の屋敷で酔っぱらったピアノ弾きが外から瓶を窓に投げつけると、窓が割れ、学生が騒ぐ大学にシーンが変わっている。場面の展開がみごと。

最後も飛行機の時間に遅れそうな女は、時間を気にしながら雨の夜道をどんどん車のスピードをあげていく・・・どうなんねんやろ、どうなんねんやろと見ている方もドキドキ、サスペンスが盛り上がる。映画の冒頭と似た状況がそろったところで・・・、そうか、こうなるんか。忘れがたい映像です。
おすすめ度★★★1/2
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PERFECT BLUE
日本 1997年 83分
監督 今 敏
原作 竹内義和
脚本 村井さだゆき
キャラクター原案 江口寿史
音楽 幾見雅博
声 岩男潤子/松本梨薫/辻親八/秋本洋介/塩屋翼/新山志保/大倉正章
メモ 1999.3.15(月曜日)WOWOW
あらすじ
人気アイドル・グループ”チャム”のひとり未麻(みま)は、所属事務所の薦めもありアイドルから脱皮し女優としてデビューする。しかし、アイドルでいつづけて欲しいファンに悩まされはじめる。
感想
この映画を見る前に電話が掛かってきた。「ハイ」って出ると、小さな声で「誰かわかる? 誰かわかる?」と言い続けている若そうな男性の声が・・・黙っていると電話はツーと切れました。心当たりはまったくありませんが、気持ち悪いです。 そういう気分もあって、この映画予想以上に恐かった。明るくてかわいくて恐い

初めのうちに「おそらくこういう話やな」と予想していたのですが、途中で「ちゃうかな」と何度も揺さぶられる出来でした。フーダニット、ホワイダニット物として初めからとてもフェアに作られていたと思う。
そういう謎解きの面白さだけではなく、夢か妄想か現実かで未麻が揺れ動くシーンが
「マウス・オブ・マッドネス」におとらない出来。また、何度も繰り返される「レイプシーンの撮影」では気分が悪くなってしまうほど。
主人公の未麻は、女優として才能があり「その役になりきってしまう」のが、よりいっそう心を不安定にさせていくって所もうまいと思う。
また、アイドルファンの男3人組が冷静で分析的なのがミョーにリアルでした。

「アニメならではやな」とさぼてん男が言う。なるほど!と思う話が聞けるのかと身を乗り出して「どこが?」と聞くと・・・・「あんなかわいい子、実写ではおらへん」・・・。
おすすめ度★★★★
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ラッシュアワー RUSH HOUR
米国 1959年 91分
監督 ブレット・ラトナー
原作 ロス・ラマンナ
脚本 ジム・コーフ/ロス・ラマンナ
撮影 アダム・グリーンバーグ
出演 ジャッキー・チェン(リー捜査官)/クリス・タッカー(カーター刑事)/エリザベス・ペーニャ(タニア・ジョンソン爆弾処理)/トム・ウィルキンソン(グリフィン「フルモンティ」)/チー・マ(ハン中国領事)/ケン・レン(サン)

メモ 1999.3.13(土曜日)国名小劇
あらすじ
ロサンゼルスで中国総領事の娘スーが誘拐され、国際問題になりかねない事態にFBIが捜査を担当する。しかし、総領事は信任の厚い香港警察のリー捜査官を呼び寄せたため、FBIは捜査に口出しさせないよう「名所見物でもさせておけ」と、LAPDのトラブルメーカー・カーター刑事に相手させることにする。
感想
マシンガントークでクリス・タッカーが二人分しゃべりまくり、必殺壁登りでジャッキー・チェンが二人分アクションするという、異色相棒物の愉快な秀作。カンフー、アクションは控えめ。が、いつもは見ている方がツラクなるほどなので、私はこのくらいがちょうどいいです。垂れ幕すべりはカッコよかったですー。
ラストのクリス・タッカーのNGで、ジャッキーが「俺は英語で演技しているのに、コイツは中国語三言が言えないっ!」ってのに爆笑。
おすすめ度★★★★
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彼奴を殺せ(きゃつをけせ)
仏 1959年 91分
監督 エドアール・モリナロ (
「殺られる」
脚本 ピエール・ボワロー/トマ・ナルスジャック/ジェラール・ウーリー
撮影 アンリ・ドカエ
出演 リノ・バンチェラ(アンスランス)/フランコ・ファブリーツィ/サンドラ・ミーロ
メモ 1999.3.9(火曜日)CS録画
あらすじ
じゃまになった愛人を殺したベルディエは、証拠不十分で不起訴となる。自由になったベルディエは、殺した愛人の夫アンスランスに自殺に見せかけて殺される。復讐を果たしたアンスランスはベルディエの家を出てきた所を、無線で呼ばれ待っていたタクシーの運転手に目撃されてしまう。アンスランスはタクシーのNOを書きとり、運転手ランベールを殺そうとつけ狙う。
感想
いきなり「抵抗する女を疾走する列車から突き落とすシーン」からはじまり、どぎもを抜かれる。この作品、フィルム・ノワールの傑作ちゃうかな。
ラストシーン、リノ・バンチェラが車のヘッドライトの強い光を浴びて白く光り、闇に浮かびあがるのが「スネーク・アイズ」とそっくりでこちらも驚きました。ほぼ全編夜のシーンです。夜のパリの街を走り抜けるカーチェイスが40年前の映画とは思えないぐらいスピード感あり。
脚本は、「悪魔のような女」のボワロー&ナルスジャックが参加。

リノ・バンチェラのような無骨なオヤジが「ウィ」とか「メルシ」とかのフランス語をしゃべっているのが、なんかアンマッチでかわいい。エスプレッソコーヒーをカフェで立ち飲みするのがまたオシャレ。
おすすめ度★★★★
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女と女と井戸の中 THE WELL
オーストラリア 1997年 102分
監督 サマンサ・ラング
脚本 ローラ・ジョーンズ
撮影 マンディ・ウォーカー
音楽 スティーヴン・レイ
衣装 アナ・ボーゲージ
出演 パメラ・レイブ(ヘスター)/ミランダ・オットー(キャスリン)/ポール・チャブ(ハリー・バード)
メモ 1999.3.8(月曜日)梅田ガーデンシネマ「
あらすじ
広大なオーストラリアの僻地に父親と住むヘスターは、身元知れずの若い娘キャスリンを手伝いとして雇う。ふわふわしたキャスリンは仕事に身がはいらず「やってらんない」と出ていく。追いかけ連れ戻すヘスターは、キャスリンに魅せられていた。ヘスターの父親が亡くなり遺産を相続したヘスターは、キャスリンと人里はななれた家で気ままな二人暮らしを始める。
感想
砂でざらついたような青さの不思議な映像です。
どこがやねん?とつっこみ入りそうですがパゾリーニ監督作品「テオレマ」に似ていると感じました。何事にも束縛されない自由な道徳も倫理もない世界の住人がやってきて、その人物を触媒として保守的な人間が解放されるという所が。
しかし「テオレマ」がヨーロッパのブルジョワ家庭が崩壊していく様であるのに対し、「女と女と井戸の中」は、抑圧されていた女の人がその井戸の中から外の世界に這い出ていく様をあらわしているように思う。
広大な土地に人間が少ないと風変わりな人が多くなるんだろうか?

浮遊感ただようキャスリンを演じたミランダ・オットーは
「ラブ・セレナーデ」の妹役。「シン・レッド・ライン」にも出演だそうです。
おすすめ度★★★1/2
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スネーク・アイズ SNAKE EYES
アメリカ 1998年 99分
製作・監督 ブライアン・デ・パルマ
脚本 デビッド・コープ
原案 ブライアン・デ・パルマ&デビッド・コープ
撮影 スティーブン・H・ブルーム
音楽 坂本龍一
特殊視覚効果 インダストリアル・ライト&マジック
出演 ニコラス・ケイジ(リック・サントロ)/ゲイリー・シニーズ(ケヴィン・ダン中佐)/ジョン・ハード(ギルバード・パウェル社長)/カーラ・グジーノ(ジュリア・コステロ・謎のブロンド「マイケル」)/スタン・ショウ(ボクサー・リンカーン・タイラー「デイライト」)/ケヴィン・ダン(CTVリポーター・ルー・ローガン)/マイケル・リスポーリ(ジミー・ジョージ)/ジョエル・ファビアーノ(カークランド国防長官)
メモ 1999.3.6(土曜日)梅田ピカデリー
あらすじ
ハリケーンど真ん中のアトランティック・シティ。取り壊わされカジノになる予定のスタジアムでは「世紀のショー・ヘビー級ボクシング・タイトルマッチ」が始まろうとしていた。市警察のリック・サントロはチンピラからカツアゲするダーティな刑事。スタジアムにはVIPなゲスト・アメリカ国防長官が観戦していた。警護官はリックの幼なじみのエリート・ダン中佐。ダン中佐が怪しげな赤毛の女を追いかけている時に、リングではチャンピオンがノックアウトされ騒然となる観客、そこに銃声が響き国防長官が後ろへのけぞる。
感想
「開幕のノンストップ撮影13分間」もさる事ながら、この13分間が登場人物それぞれの視線から見た映像として何度も再現される。会場に設置されたカメラの映像も角度を変えて再現される。ここがこの映画の最大のミソ。さまざまに視点を変えた映像のマジック。スタジアムの外に吹き荒れているハリケーンが不安感をまし、クラクラする。
スタジアムでの射殺シーンは、パンフに書いてあるようにヒッチコック監督の「知りすぎた男」のシンバルが鳴り響くシーンと似ています。
***ネタバレあります。****
意味深なラストを見て・・・ただのデ・パルマの思わせぶりかもしれない。
黒幕は、株を「損の危険を分散するため売り買い両だてする」ように、危険分散したと思う。どちらに転んでも親の勝ち(スネーク・アイズ)となるように。
大金をもうけるため「八百長試合を組み、世間の目をそらす事」これが第一の目的。そらすために、元々国防予算引き締めタイプでひとつまちがえば敵になりうるハト派の国防長官射殺事件を引き起こす。これにより、「アメリカの安全神話」を揺るがし自社製品を売り込む事もできる。おそらくミサイルの欠陥は社長の言うようにすぐに直せる程度のものではなかったはず。

ミサイルの秘密を暴露する側、防御する側どちらが勝っても、真相は解明されず(死体を隠す)自分は安泰なように画策して。この場合謎のブロンド・カーラは見たとおりの正義感ある人物で社長に操られているのか、社長の手練れなのか、ここはどちらでもいいようですが、もし社長の息がかかっている場合は、ニコラス・ケイジのラストの言葉「電話する」はかなり意味が変わってくる。ケイジも真相に気づいている。
どちらにしてもゲイリー・シニーズ「信念の人」を好演でした。

朝1回目、いきなり映画館のスクリーンいっぱいにリポーターが映し出され、冒頭のノン・カット13分間が始まる。・・・と待っていたかのように後ろの席でポリエチレン袋を開けるバリバリした音も始まる。「バリバリバリバリ」袋を開ける音。「がさがさ」袋を探る音。「グシャグシャ」袋をたたむ音。「パン」輪ゴムをはずす音。あ〜〜。
おすすめ度★★★★1/2
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ウェディング・シンガー Wedding Singere
アメリカ 1998年 97分
監督 フランク・コラチ
脚本 ティム・ハーリエ
撮影 ティム・サーステッド,A.S.C.
音楽 テディ・キャステルッチ
音楽監修 マイケル・ディルベック
美術 ペリー・ブレイク
出演 アダム・サンドラー(ロビー)/ドリュー・バリモア(ジュリア)/クリスティーン・テイラー(ホリー)/アレン・コバート(サミー)/アンジェラ・フェザーストーン(リンダ)/マシュー・グレイブ(グレン)/アレクシス・アークエット(ジョージ)/ビリー・アイドル
メモ 1999.3.3(水曜日)OS劇場
あらすじ
1985年、郊外の町リッジフィールドが舞台。結婚式を盛り立てるウェディング・シンガーのロビーは、シンガソングライターを目指している。結婚式会場で新人ウェイトレスのジュリアと知り合い、お互い結婚間近のふたりはすぐに意気投合する。
感想
相手のやさしさにつけ込むような恋人を持ったふたりが、互いに惹かれあって運命の人となるまでの「ラブコメの王道」のような顛末記。しかしそこは、80年代の音楽をちりばめてなかなかにハートフルな映画になっています。

ぽっちゃり目のやさしくて家庭的なドリュー・バリモアがとってもキュート。長さといい、ハネ具合といい絶妙のブロンドのヘアーがかわいい。従姉のホリーやロビーの元恋人ジュリアはバリバリの美女なんだけれど、個性って点でバリモアの引き立て役に回っている。うまいね。でもバリモアは太る体質かもしれず、拒食症や過食症にならないかちょっと心配。
アダム・サンドラーは結構ハンサムでした。婚約者のリンダに振られた哀しい思いを切々と歌う・・・ではなくてがなりたてるのとか、「お前百までわしゃ九十九まで、ともに白髪のはえるまで」ってな歌がいい。我知らずかすかに涙がにじむ。

80年代の「ジョン・トラボルタ」について語るセリフが印象に残る(^^)>「おやじがナンパしているんだ。」

アークエット兄弟姉妹のひとりアレクシス・アークエットがロビーの仕事仲間ジョージ役、なかなか目立つ得な役を好演。ブシェーミもおもろかったわあ。映画「ハードロック・ハイジャック」でアダム・サンドラーと共演してはったんですねぇ、全然しらんかった。
おすすめ度★★★1/2
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