QUEEN
       

 
  FREDDI  MERCURY

  BRIAN MAY

  ROGER TAYLOR

  JOHN DEACON

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QUEENへの複雑な思い

 
  QUEENを初めて聞いたのは中学か高校の時、友人が持ってきた「ボヘミアン・ラプソディ」のEP版である。当時はまだまだフォークが全盛の頃で、それまで洋楽にとんと無縁だった私は、その美しく切ないメロディと怪しいまでの魅惑のボイスにすぐ様虜になった。
 これがロック? 誰? QUEEN? 何それ?

 当時の多くの女の子がそうであったように、その日からQUEEN道まっしぐらの日々が始まる。 それまでロックの免疫などなかった私にとって、QUEEN=ロックだった。だがまわりの反応はどうもそれを否定している。あの仰々しいサウンド、化粧をしたおかまチックな出で立ち、どれもがロックの邪道と酷評されているようだ。好きになったら他は目に入らぬ、思いこみの激しい年代の女の子にとってはそれは解せないことだった。こんなにスバラシイな曲ばかりなのに、なぜ?ねえねえ聞いてと母や姉にもふってみるが「きもい」と聞く耳を持ってくれない。Why?
 
 しかし冷たくされればされるほど、迫害を受ければ受けるほど盛り上がるのが世の常。当時漫研に所属していた私は、友人とそれぞれごひいきさんをたてて(ちなみにブライアン)彼らをモデルに漫画を描いた。まさに目に耳に、それはそれはQUEENづけの日々を送った典型的なミーハー状態。高校時代=QUEENと言っても過言ではない。


 その後QUEEN命!は「華麗なるレース」まで続く。しかし「世界に捧ぐ」あたりから段々と自分の中でQUEEN離れが始まっているのに気付く。初期の頃のQUEENサウンドは変わらず好きだ。でも新しくリリースされるそのデコラティブで仰々しくてドラマチックな音になぜかついていけない。正直リアルタイムでは「We Will Rock You」も「We Are The Champions」も好きではなかった。

 その思いはどんどん加速し、もう「Jazz」からはアルバムを購入することもやめ、いつのまにかQUEENは私の中で過去の存在になってしまう。(3度目の来日時にはコンサートに行ったけど熱はやや冷めていたっけ。)
 ( なぜそうなってしまったのかについては、いろいろ理由はあるが敢えて分析はしたくない心境。)

 QUEENとの縁の切れめはそのまま洋楽とのさよならにつながり、従って後期〜晩年のQUEENのことは何も知らないと言うか興味なし。 その後再びQUEENの名前をちゃんと耳にしたのがフレディの訃報だったのだから、随分と長い間QUEENファンをやめていたわけだ。。不埒で薄情。ファンだったとは言えません。
 

  フレディの死はかなりショックだったがQUEENはすでに過去のバンドだったので、それを期にQUEEN熱が再び燃え上がることはなかった。最初は随分と虐げられたバンドだったけれど、気が付くといつのまにか大物と呼ばれ、母国イギリスでも国民的なロック・バンドになっている。でもそれは「あっしには関わり合いのないこと」。今思えばなんて馬鹿な私。QUEENの絶頂期をリアルタイムで知らなかったなんて。

 そんな私がまたQUEENに目覚めたのはここ数年のことだ。気が付けばCMやスポーツの場面で彼らの曲が取り上げられている。一番印象的だったのは車のCMでケイコ・リーという女性が唄う「We Will Rock You」。これは新鮮だった。それと同時に自分が忘れてしまっていたQUEENを世間は忘れていなかったことへの驚き。タイミングよくその時期にBS2で彼らのファイナル・ツアーがオンエアーされるのを見たのが再熱の決定打となる。

 これには完全にうちのめされた。私の知るQUEEN はレコードに比べライブはかなり見劣りがしていたはずだ。なのに、いつの間にこんなに凄いライブバンドになっていたのだ!!
 目から鱗というか、久しぶりに目にするQUEENは最高のパフォーマーであり、王者の風格さえ漂う。好きにはなれなかった「伝説のチャンピオン」も「レディオ・ガ・ガ」もライブでは全てが素晴らしい。曲の半分以上は知らない曲ばかりだったが、TV に映るQUEENに二度目の恋にたちまち落ちた。遅いぞ、すでにフレディはいないのに。

 その後は懐古趣味も手伝って再び熱に浮かされたようにQUEENに夢中になっている。後期の私の知らなかったアルバムを聴きあさり、ビデオ、書籍を買い集め、夫に「どうしちゃったの?」と驚かれるミーハーぶり。そんな中でのドラマ「プライド」によるQUEENブームは、ちょいと複雑だが渡りに船。QUEEN関連のものがぞくぞくリリースされる。空白の時間を埋めるように、時に激しく時に静かに末永くQUEENファンでありたいと思っている次第。