エゾシカの  1999/09/01〜1999/09/30

最新 前月 翌月 一覧 「EZOSHIKA TOWN」トップ ※明朝体推奨

1999/09/30

ペナントレース

 どうやらセリーグで優勝争いに決着がついたらしいが、私のチームは今熾烈な最下位争いで熱い戦いを繰り広げている最中である。3ヶ月前はこの優勝チームを抜いて首位の座を謳歌し(1999/06/10参照)、「優勝の経済効果は○○億円」「優勝でどうなる!?監督夫人騒動」など、来年のことを言って鬼に笑われる以上に恥ずかしい妄想を皆が抱いていたばかりのチームが、気がつけば最下位争いを行っている。尤も、冷静に考えればこの事実若しくはこれに近いことは十二分に予期されたものであったのであろうが、当時は私ですら「恐らく優勝しても」という、平静さを欠いた仮定を行っていたようである。

 それはさておき、開幕連勝を続けて特定のチームがぶっちぎっていたり、そのチームが優勝を決めて「消化試合」などと言って日本シリーズまで詰まらぬ試合を見せつけられたりるよりは、中だるみの時期にぶっちぎりのチームを首位から引きずりおろしたり、最後の最後まで地獄を争うというスリリングな戦いを行ったりするのを観ている方がよっぽど楽しい。そういう点においては、今年の阪神タイガースは完璧なシーズンを送っていると言えるのではないか。少なくとも私はこのチームのペナントレースの盛り上げぶりにこそ注目すれども、最終順位にはさほど興味を抱いていない(とここまで言えば嘘にならなくもないかも知れなくもない)のだから。


1999/09/29

或る企業サイト

 職場の方が穴吹工務店のCMを観てすっかり虜になってしまったようである。CMの内容は、赤ずきんちゃんがマンション展示場を訪れると獣達が歓迎して案内くれるというもので、最後の方でご丁寧にもテロップで「実際には動物達は出迎えてくれません」と表示されるとの事。私と同一の感性を持つとおぼしき広告人が制作したであろうそのCM、恥ずかしながら私は全く知らず、当然観ずにおれる筈がないので、全力を尽くしてそのCMがどこかにないか探すことにした。

 そして訪れたのが穴吹工務店のサイト。どうやら「赤ずきんちゃん」とおぼしき人物は「あなぶきんちゃん」と言い、サイトに専用のコーナーを持っている。そこにはあなぶきんちゃん以外に、しかさん、うさぎさん、おおかみさん、くまさん、たぬきさんの事細やかな紹介も掲載されている。例えばしかさんは父が木こりで母がデザイナーだとか、おおかみさんは大学時代相撲部の主将だったとか、詳しい紹介になっている。

 単なる一方通行の情報提供に留まらず、彼らにメールを送ることもできる。自分の出したメールが獣達に読まれるだけで、感動ものではないか。当然私はしかさん(49歳女性)にメールをお送りした。目下返事待ちである。

 残念なことに、職場の方が取り憑かれたヴァージョンのCMは公開されていなかったが、それ以外の部分で大きな収穫を得ることができた。


1999/09/28

カリスマ

 今更採り上げるのも何だが、世はカリスマブームである。最近では一歩踏み込んで、「カリスマは無資格だった!」ってな展開も一部で見せている。

 さて、今後大いにブレイクしそうなカリスマ職業を大胆に予測してみる。

 ・カリスマ薬剤師
 ・カリスマ車掌
 ・カリスマ産婆
 ・カリスマ新聞配達員
 ・カリスマ僧
 ・カリスマAD
 ・カリスマ関取
 ・カリスマ管制官

 言うまでもなく、予測の根拠などない。


1999/09/27

こおろぎ

 週末のサイト巡りで感じたのだが、一時涼しくなった頃から皆さんが秋の気配を感じたのであろう、「こおろぎ」について一文を認める人が増えてきたように思える。仲秋の名月も彼岸も過ぎ、屋内外を問わず、床上手達が秋の夜長、交わる相手の音とこおろぎの音とを味わい比べるという、何とも贅沢かつ芸術的な季節になってきたということである。そういった世間とは対照的に、私の寓居はとても虫の音など聞こえぬ地にあるのだ。贅沢とも芸術ともひたすら無縁な秋。こういう時は精一杯「こおろぎだけが秋の象徴ではないわいっ!」とひたすら虚勢を張るに限る。心の中では「こおろぎの音こそが秋の風物詩である」と強く思っているからこそ、そう振る舞わざるを得ないのだ。


1999/09/26

選ばれるサイト

 この週末は久しぶりにあちこちのサイトを訪れてみた。以前はとりあえず関心のある分野でぶち当たったサイトをブックマークに登録していくといった作業を行うのが中心であったが、最近では逆に、ちょっと気になるサイトに出くわしても、じっくり読んだ上で楽しいものだけをブックマークに登録したり、ブックマークに登録していたサイトから今ひとつと感じたものを削除したりといった作業が中心となっている。無論、膨れあがったブックマークの整理という目的もあるのだが、それ以上に、ウェブサイトの状況がここ暫くでかなり変化してきたことがその理由であろう。

 以前はあるテーマに沿ったサイトを探しても、見つかること自体が希有な事であり(そもそも私が希有なテーマに沿ってサイト巡りをしていたとも言えるが)、ヒットすれば即ブックマークに登録というのはごく自然な事であった。ところが、ウェブサイトの開設がかなり広範に普及し、質量ともに充実してきた結果、あるテーマに沿ったサイトが多数生まれるとともに、その中でも質的な差違が大きくなってくるようになった。となると、サイト巡りは「テーマに沿ったサイトを探す」ことが目的というよりは、「テーマに沿ったサイトの中から優れたものを選び出す」ことが目的となっていくことになる。言い換えれば、いくらブックマークに登録されたサイトであっても、同じ分野で他に優秀なサイトがあれば、そのサイトは二度と訪れられない可能性が高くなる。況や、偶々ヒットして「つまらん」と判断された場合など尚更である。

 サイト提供側としては、以前は「とりあえず始めてみて徐々にコンテンツを充実させていく」という考えでサイトを作れば良かったのだが、今はそんな悠長な事など言っておれない。とりわけ、他サイトでの紹介や口コミ等でサイトが多少なりとも話題になり、「どらどら」と訪れる人が増えてきた時など尚更である。10人の方が新たに訪れても、サイトの内容次第では、二度と来ない人を10人作ってしまうことになりかねないのである。当初からそのサイトのテーマに関心のない人ならそれでも一向に構わないが、苟もそのサイトのテーマに関心を持って訪れた結果「つまらん」となると、それはサイト巡りをする側にとっても、サイト提供側にとっても不幸な結果であると言えよう。


1999/09/25

真説・本能寺の変

 今日の「世界ふしぎ発見」は本能寺の変特集ということで、明智光秀ファン(1999/06/02参照)の私としては見逃すわけにはいかない番組であった。内容的には、真説を追究するというよりは、あまり一般には知られていない様々な状況証拠を採り上げるという、マニアにとっては特に目新しい物ではなかった。私の明智光秀欲を高め明智光秀熱を引き起こすには至らなかったものの、あの事件を再び振り返るきっかけにはすることができた。

 明智光秀の謀反の原因として採りうるに値する説は大きく分類して、光秀の信長に対する怨恨が原因とする説(怨恨説)、光秀の天下取りの野望が原因とする説(野望説)、信長と朝廷との関係悪化から、信長誅殺のために朝廷に利用されたとする説(朝廷説)、の3つくらいだろうと考えている。私個人は怨恨説に近い考えを持っているのだが、最近有力とされる説は朝廷説であり、今日の番組もこの説をベースにしていた。

 自分自身朝廷説は怨恨説とも合致する部分があると考えており、一つの考えとしてあり得ると思っていたのだが、今になって大きな疑問が湧いてきた。朝廷が光秀を利用しようと考えた理由は、1.信長配下の有力武将が全国に散らばっている中、光秀が京都にいた点、2.もともと光秀と朝廷との関係が非常に良好であった点、3.光秀と信長との関係が良くないと判断した点、等が考えられるが、よく考えるとこの時点で、1については光秀とともに、2の点では光秀以上に適任の人物がいたではないか。しかもその人物は戦闘において常に光秀の組下として行動しているばかりか、縁戚関係まで結んでいる。今調べたら、光秀は本能寺の変の前年には彼のところに茶会や天橋立遊覧に足を運んだりと、ヴァカンスまで一緒に楽しんでいるのだ。朝廷が絡んでいるとすれば、光秀と共に、その人物・丹後田辺城主の細川藤孝にも当然何らかの形で事前に一言あってしかるべきであろう。

 もし彼が朝廷の信長誅殺計画を直接なり想像なりで察知していれば、早々と光秀に就くか、事件を未然に防いで信長を守ろうとした筈である。しかし実際には藤孝はどちらの行動も採らず、本能寺の変後、光秀には与せずに、息子の嫁である光秀の娘を離別させ幽閉し、自らは髪を切って信長への弔意を示す。となれば彼はそういった動きを察知していなかったのであり、結局朝廷側ではそういった動きはなかったのではないかと考えるべきではなかろうか。

 ああ、結局明智光秀欲が高まってしまった。今これを書くためにひっくり返した歴史書を早く片づけねば…。


1999/09/24

東京モーターショー

 2年振りに開催の「東京モーターショー」まであと1ヶ月となった。前回はコンパニオンのビキニ解禁というエポックメイキング的な出来事があり、今回は双乳を抛り出したコンパニオンが会場を所狭しと闊歩するのではないかという期待もなされたようだが、さすがに今回はそういった趣向は見送られたようである。その代わりと言っては何だが、今年からは「乗用車・二輪車ショー」と「商用車ショー」とに分かれ、前者と後者を毎年交互に行う方式に改められることとなった。

 ところで、前回(第32回)の東京モーターショー、当時お付き合いのあった企業が出展しているということで、私も参加させていただいた。その企業のみならずライバル企業の勉強などもしたうえで、当日先輩の指示通り、カメラ持参で会場に向かった。

 所謂「内覧」であったため、会場には記者達がうろうろしており、案の定車よりはコンパニオンに焦点を当てて取材する者もいた。「ああいうオッサンにはなりたくはないわい」と思いつつ、私は不必要に愛想良いコンパニオン達を極力ファインダーから排除して、ひたすら得意先企業や競合企業の注目車種をカメラに納めていた。

 職場に戻り、写真を現像してそれぞれにコメントを記して先輩に渡したところ、意外にも大目玉を食らってしまった。「東京モーターショーに行って車の写真を撮ってくる奴がいるか!」私もオッサンになる必要があったのだった。


1999/09/23

低周波治療器

 最近、披露宴の引出物として、商品カタログが付いており、貰った人が記載の商品の中から自由に選んで後日郵送してもらうというものが増えてきた。貰った人は好みの物を自分で選べるとともに、「選ぶ楽しみ」を味わうことができるというメリットがある。私の場合、いつも「あったら便利だけど、間違っても自分で買わんやろうなぁ」というものを選んでいる。

 今日この方法で「低周波治療器」なるものを入手した。これがなかなか侮れない。電極を体にひっつけて電流を流し、その電気ショックで患部をマッサージするというものだが、原理的には「電気椅子」と同じで、結果として凝りをほぐすか死を招くかは程度の問題である。

 足の裏に電極を張り付けて早速試してみた。強さは5段階、3くらいから始めてみようとしたところ、刺激の強さに驚いた。痛い痛い。慌てて2くらいに落としたが、それでも刺激の度に足の指が大きく痙攣する。徐々に刺激を強くしてみて、何とか5に至ったとき、もう足全体が刺激の度にくの字型に大きく痙攣する有様だった。足の裏だから良かったものの、徒に快楽のみを期待するような使用法はとてもじゃないができないと思った。メーカー側も、そういった使い方を期待する人間の存在およびその危険性は重々承知しるようで、説明書にしっかりと、陰部への使用厳禁の旨記述されていた。


1999/09/22

女の心境

 1999/09/21で、サントリー「なっちゃん」の新しいCMの中で、男が一体何を考えてこういう発言に至ったのか考えてみたのだが、そうなると当然次は、「あなたそれ失礼です」と答えた女の、男に対する感情を考えてみる必要がある。

 1.自分は肉感的だと思っていたので、この男の判断はショック。(=心外)
 2.自分は細いことを気に病んでおり、それを指摘されるのは辛い。(=劣等)
 3.毎夜肉体を交わしているのならまだしも、自分の体を1回しか抱いたことのない男に肉体を評価される筋合いなどない。(=無資格)
 4.男が自分を誉めあげて今夜賞味しようと思っている様子が不愉快。(=深読)
 5.一抱きして女性の体型を測定しては相手に伝える「人間メジャー」らしさが気色悪い。(=変態)
 6.その他。(=不明)

 この件に関しても一家言お持ちの方は、是非メールなりBBSなりでご意見を開陳していただきたい。


1999/09/21

男の心境

 サントリー「なっちゃん」の新しいCM。ドラマか映画の撮影シーン。一連のCMでヒロインを演じる田中某と男との抱擁シーン。抱擁中男が田中某に囁く。「結構細いんですね」。ここで監督の「カット!」の声が入り、田中某が男を突き飛ばし「あなたそれ失礼です!」と睨み付ける。

 普通女性にわざわざそんな事言うかよ、しかも撮影中に。何考えてるのだこの男。というわけで、男が一体何を考えてこういう発言に至ったのか考えてみる。

 1.よっぽど田中某の肉付きが過剰だと思っていたので、細くて安心した。(=歓喜)
 2.よっぽど田中某が肉感的だと思っていたので、細くてあてが外れた。(=失望)
 3.自分の過去の女性遍歴から、「この女は細い!」と素直に感じた。(=直感)
 4.今夜田中某の肉体を賞味しようと思い、そのためにまず誉めあげようとした。(=下心)
 5.「俺はお前の体をいつも気にかけているのだ」というストーカー的主張を行った。(=変態)
 6.その他。(=不明)

 この件に関して一家言お持ちの方は、是非メールなりBBSなりでご意見を開陳していただきたい。


1999/09/20

フグ田サザエの近況と将来

 ここ1年ほどで、東芝が単独スポンサーをやめたり磯野カツオが声変わりしたりと変化のあった「サザエさん」。先日はフグ田サザエが金持ちの他家のお手伝いさんになるというストーリーだった。「ストーリー」というのにも理由があり、通常は3本立てであるにも拘らず、この「お手伝いさん」ものは2話ぶっ通しで続いたのであった。今まで家族旅行などで2話ぶっ通しというのは屡々あったが、今回のようなケースは珍しい。

 それ以上に驚くべきことは、「異常なほどのブルジョア」の存在である。雑誌編集者や作家など、我々からすればレアな人間ですらひたすら平民っぽく描く漫画に、いきなり「お抱え運転士がいる」だの「1ヶ月の肉代が15万円」だの「お歳暮やお中元で倉庫がいっぱい」だのといった家庭が登場したのである。しかも2話ぶっ通しで主人公の人妻・フグ田サザエが活躍する舞台として。

 今後「サザエさん」においても、他の漫画同様、非日常的な登場人物やシチュエーションが頻出してくるのであろうか。話としてはその方が面白いかも知れないが、誰もサザエさんにそのような要素を求めていないだろうに。

 追記:「サザエさんがお手伝いになる」というシチュエーションは、原作において屡々登場したそうである。上記の文章はあくまで、その事実を知らない一視聴者がこのような考えを持った、という趣旨で理解していただきたい。


1999/09/19

服と体型

 北海道旅行中、気に入ったTシャツがあった。買おうとしたらそのデザインのものはSサイズとLLサイズしかなく、着れないものを買っても仕方ないと思い、かなりぶかぶかのLLサイズのものを購入した。

 その数日後、幕張のイヴェントでダンガリーのシャツが当たった。これも好きなデザインなので喜んだが、よく見るとLLサイズ。丈は多少長くてもさほど不都合はないのだが、袖が長いのは辛い。

 よく「服に体型を合わせる」といってダイエットする女性がいるが、この場合どうすればいいのだ。


1999/09/18

今日の競馬中継

 競馬の話である。今日の中山競馬場第9レース・佐倉特別。ここに人気の一頭である「トラストピカチュウ」という馬が出走してくるのだ。このような名前を付ける馬主のセンス、版権のうるさいアニメのキャラクターの名称を馬名に許可したJRAのセンス、共に大いに疑われて然るべきなのだが、その問題はここでは触れない。

 興味深いのは、このレースをTV中継するるテレビ東京が「ピカチュウ」なるキャラクターの登場するアニメ番組を放映していることである。いったいこの馬を実況中継でどう扱うのか、興味を抱きつつ中継を見ていた。

 人気馬ということもあり、しきりにこの馬名が連呼される。ゴール前、トラストピカチュウともう一頭とのマッチレースになったのだが、事もあろうにアナウンサー、トラストピカチュウを別の馬と勘違いして、別の馬の名前を興奮して連呼しているではないか。さすがにゴール前で気づいたようで、今度はひたすらトラストピカチュウの名前を連呼している。そして1着ゴールイン。再びトラストピカチュウの名前を連呼。そしてレース終了後には、レース中トラストピカチュウの名前を間違って呼んでいたお詫び。結果的に、かなり目立つ形で馬名を露出していた。

 まあ、番組宣伝の意図などさらさら無いと思うが、このような邪推を抱かせる点で非常に楽しませていただいた。今度はトラストピカチュウが日曜のメインレースに出走してフジテレビで中継する際にどういう扱いを受けるのかが楽しみである。


1999/09/17

日本語の特性

 官能小説等に頻出する表現で、漢語に無理矢理な読み仮名を振って口語を表現するというものがある。例えば、「勃起つ」(たつ)、「射精る」(でる)、「絶頂く」(いく)等が挙げられよう。いずれも、一般的にはそれぞれ「勃つ」「出る」「イク」などと表記されるのだが、読者の副交感神経を直接揺さぶるには若干弱い表現である。「勃つ」はともかく、「出る」「行く」というのは一般的な意味においてもあらゆる場で利用される言葉であり、それだけで直ちに興奮できるような単語では決してない。

 かといって、小説の場面において、主人公の女教師と男子生徒が何度となく繰り広げる「ああ、私イキそう!」「僕も、もう出そう!」という一般的な会話に替えて、「ああ、私絶頂に達しちゃう!」「僕も、もう射精しそう!」などという英語の直訳調の会話をされた日にゃ、読者はその不自然さにいきなり白けてしまう。

 となると、この「無理矢理当て字」という手法というのは、漢字+振仮名という日本語表記の特性を生かすことにより、人間の知覚神経と副交感神経との両者を満足させることができるという、極めて優秀な表現方法と言えよう。


1999/09/16

続・夢の中で

 1999/09/09に続き、獣の夢を見た。

 誰からかは忘れたのだが、ハムスターの卵をもらった。昼間は会社にいるので孵化するまで面倒を見るのが大変だなと思っていたら、もらってすぐに孵化し、ハムスターの赤ちゃんが出てきた。

 あまりに可愛いので、普段からポケットの中に住まわせてあげようと思ったのだが、なかなか動きが敏捷ですぐ逃げてしまう。結局専用のかごを買ってあげた。その後どういう訳か都内を車で暴走しているうちに目が覚めた。

 ハムスターが卵生ではなく胎生だと気づいたのは、目覚めて暫くたってからだった。


1999/09/15

ご当地カップラーメン

 ご当地カップラーメンが人気である。昔は、本物のラーメンがメジャーになってから「あの味をカップでも」ということでご当地ラーメンがカップデビューするというパターンが多かった(とんこつラーメンなどそうであろう)のだが、最近では一部マニアの間で絶大な支持を得たものがカップラーメンとなってメジャー化する(和歌山ラーメンなどその類か)ケースが増えてきており、最近に至っては各社挙って「今後ブレイクしそうなご当地ラーメン」を発掘し、続々と商品化しているようである。カップラーメン自体がそのラーメンのメジャー化に寄与していると言えよう。

 しかしここで問題が生じる。カップラーメンの味は昔と比べて向上しているものの、未だに一般のラーメンと肩を並べるまでには至らない。とりわけ、麺については生タイプの登場で格段に味が良くなったが、スープについては保存性等の問題があり、化学調味料等の含まれた粉末スープ、保存料を加えたり強引に濃縮したりした液体スープなど、なかなか「本格」と呼べるものは登場していないのが実状である。

 ということは、主にスープの味が評価されて一部でブレイクしようとしている「ご当地ラーメン」をカップ化する事により、その味がかなり歪曲されて世に広まることになってしまう。事実、「ラーメンウォッチャー」との異名を持つ知人から勧められた和歌山ラーメンに徳島ラーメン、いずれもカップ化されたものを食べてみて、「何やねんちょっと味がきついだけやないか。どこがうまいねん」という感想を抱いてしまった。本場のラーメンはカップのように不必要に塩辛かったり出汁の味が薄っぺらかったりしていないだろうと思いつつ、店頭に所狭しと並ぶご当地ラーメンを眺めては「こんなもん珍しいだけやんけ」とついつい思ってしまうのだ。


1999/09/14

体調不良

 ここ暫く、周囲の気候が変化する度に体調を崩している。突然涼しくなったり突然暑くなったり突然気圧がかかったりすると、それぞれ風邪をひいたり倒れそうになったり中耳炎になったりするのだ。そして北海道から帰ってきた先週末、別に北海道が取り立てて涼しいわけではなかったものの、しっかり風邪をひいてしまったようである。人間、寄る年波には勝てぬ。

 とまあ、ここ数日「エゾシカの嘶き」の更新が遅れたり滞ったりした言い訳であった。


1999/09/13

エレヴェータ

 エレヴェータでよく見かける光景。途中階で人が降りた瞬間、狂ったように「閉」ボタンを連打するオッサン。別に「閉」ボタンを連打しようが、扉が素早く閉まったりするわけではなかろうに。もっとも、ボタンを連打しなければ反応しないくらいエレベーターが鈍ければ話は別だが、そんな物騒なエレヴェータがそうそう世間で稼働していることはなかろう。

 この手のオッサンはテレビゲームだとかマウスのダブルクリックだとかのやりすぎで、「ボタンを連打したら何か自分にとって都合の良い結果が得られる」と勘違いしているのではなかろうか。だいたい冷静に考えれば、機械に対して一旦命令を指示した後間髪をおかず再び命令を指示したら、機械は通常は後の命令を処理しようとするのであり、「閉」のボタンを連打した場合、連打している間はエレヴェータは命令を聞かず、結局扉が閉まるのが遅くなるのではないか。検証したわけではないが。

 しかし何よりも気分が悪いのである。「自分の目的地に達するまでに僅かでも時間がかかるとたまらなく不愉快」という、自分以外の利用者の存在を無視した思い上がり、「ボタンを連打したら扉が素早く閉まる」という勘違い、そういった己の馬鹿さ加減を露わにして平然としている恥ずかしさ、そういったものを持ち合わせている人間と自分とが、同一の閉鎖空間であるエレヴェータ内に存在するということが、不愉快であり恐怖ですらあるのだ。


1999/09/12

ナウマン象

 先日北海道で大雨の中目的地に向けてひた走っていた途中、その足を止めるような看板を目にした。「ナウマン象の村」「ナウマン象記念館」「ナウマン温泉」。看板を目にして数km走ったものの、どうしても気になって引き返して看板の下に行った。

 その看板があったのは忠類村の「道の駅」。その脇には「ナウマン公園」、その奥にはタージマハールを連想させる建物の「ナウマン象記念館」。どうやら、その村でナウマン象の化石が発掘されたらしい。

 教科書などで必ずその名前や姿を目にしていながら、実生活において全く接する機会のない過去の動物「ナウマン象」。こういった形で村民に愛され、村の誇りとなり、観光客に親しまれ、全国にその名を轟かせることができ、ナウマン象もきっと草葉の陰で喜んでいよう。


1999/09/11

自動車の中

 独りで運転している車にヴォイスレコーダーや隠しカメラがついていたとしたら非常に恥ずかしい。

 車中でハンドルを握りながら、気がつけば大声で歌を唄っているのである。歌謡曲を口ずさんだりクラシックを鼻歌で唄ったりするのならまだ良い。私の場合大抵がCMソングやB級ソングなのである。例えば「沙流川」の看板を見つけて「サルサルサルサルサルサルサルゲッチュ、ウ〜サルゲッチュ!(ゲッチュ!)」と熱唱したり、羊羹屋の横を通って「ようかん夫妻は絶倫だ〜」などと熱唱したり、ビルのある街に入って「金太ましなビル金太ましなビル金玉しなび〜る〜」など熱唱したりしているのである。

 北海道のように交通量の比較的少ないところを走っていると、対向車や前を走る車の中をついつい見てしまう。ということは、恐らく私の車もついつい見られたりしているのであろう。「ああ、何か歌ってるなぁ」程度で済まされていれば良いが、「けったいな歌を歌ってるなぁ」と見抜かれていたらちょっと嫌である。


1999/09/10

最近の過ち

 相変わらず誤った記述をしては読者の方々からご叱責を頂いている。

 まずは1999/08/27。書くのも恥ずかしい文章の引用元を「課長 島耕作」の一シーンと紹介したところ、「この時島氏は部長に昇進していたのでは?」というご指摘を受け、確認したところ「部長 島耕作」の1話目で出てきたシーンであった。因みにご指摘下さった方の情報によると、最近島氏はレコード会社に役員として出向していて、演歌歌手の頭にミニチュアの東京タワーを乗せて売り出したりしているらしい。なかなか大変なようである。

 それから、1999/09/01で紹介したコーヒーのブランド「GEORGEA」。綴りの中の「R」が抜けているというご指摘を受け、さり気なく修正した。

 最後に、ご指摘はまだ受けていないものの、1999/09/02で紹介した「自由死刑」の中で主人公が自殺を図った場所。小説の中で「国道336号線の荻伏と堺町のあいだ」と描かれていたため「国道336号線」と紹介したのだが、実際には荻伏〜堺町は国道235号線である。この誤りについての苦情等については、私ではなく小説関係者のところに寄せていただきたい。


1999/09/09

夢の中で

 夢を見ていて、「よりによって何で君が私の夢の中でそんなことするの?」と思いたくなるときがある。昨夜の夢がまさにそうで、よりによって象が私の目前で自殺したのだ。繰り返すが、象である。象の自殺。

 場所は私の出身小学校。少し小高いところにある芝生のところで尻をついて座り込んでいる1頭の象。目を潤ませ、「ぱお〜ん!」と大きく啼いた後、校庭の砂場に向かって落ちていく。下半身は砂に埋もれ、目や口からはだらだらと血を流している。当然私はここで目が覚めた。

 確かにこの日、動物園で象と会ったものの、遠足の小学生の勢いに負けて写真を撮らなかったし、他にいた鹿や馬に見学の時間の大半を割いていた。だからといって、私の夢に出てきて自殺することはなかろうに。

 それともこの夢は何かを暗示しているのか?だとすれば早急に解明する必要があろう。どう間違っても吉兆の夢とは思えぬ。


1999/09/08

旅先の文化

 旅先の文化に触れる手段の一つに、夕方のニュース番組を観るという手がある。通常、18時台のニュースはその土地のメイン番組と位置づけられている。それ以降の「ゴールデンタイム」「プライムタイム」は中央キー局の番組になってしまうため、地元番組が活躍できる視聴率の取れそうな時間帯というのが必然的にこの時間帯になってしまうのである。

 ニュースの内容や特集は非常にローカル色の強いものになるし、CMも地元密着企業が中心となる。ニュースキャスターやレポーターもその局の「顔」というべき人が揃っている。これらにより、「今この地域ではどういうニュースがホットでトレンディーなのか」「この地域ではみんなどういう生活情報を好んで摂取しようとしているのか」「この地域で有力な企業はどこか」「この地域ではどういった笑いが好まれるのか」「この地域で『美男』『美女』とされるのはどういう顔なのか」等々を把握することができるのだ。

 因みに、今私のいる北海道では、テレビもラジオも新聞も、明けても暮れても「留寿都村(北海道虻田郡)の汚職」である。全国ネットの報道番組では事件発生の一報の後は採り上げられもしていないようだが。


1999/09/07

エゾシカの嘆き

 【昨日までのあらすじ】 日々「エゾシカの嘶き」の執筆活動で精力的に取材をこなしているエゾシカ氏。週末に名古屋で結婚式に出席した彼は、そのまま日曜の夜から北海道へ向かった。1999/08/21で触れられた雨男ぶりを嘲笑うかのように、月曜の朝北海道に到着したときは目も覚めるほどの快晴。昨年の同じ時期、同じ地区を旅行したときに台風に襲われたのが嘘のように、好天の下快適に車を飛ばし、日高の宿に到着した後翌日以降の楽しみを想像しつつ床に就いたのであった。

 … … … … … … …

 起きたら大雨やんけ。どういうこっちゃ。去年ここに来たときと同じく、雨の中の乗馬になってしまった。そして車を出して牧場巡りに行こうとしたとき、今回の旅行のメインイベントである「襟裳岬の東西沿岸走破」を見事に打ち砕く出来事が。「様似地区、土砂崩れで通行止め」。今回は当初の予定を変更してまでこのコースを走ろうとしたのだ。結局大雨の中、そそくさと牧場を巡り、起伏や蛇行の激しい山道をひたすら走って目的地へ。どっと疲れた。


1999/09/06

この手の人種

 「まさかこんな時にこんなへまをやらんだろう」という時に、しっかりと「こんなへま」をやってしまう人種がいる。

 先日の後輩の結婚式。彼と共に入社し、彼と同じ研修を受け、同じ職場で育ち、月1回は夕食を共にしていた者が来ない。どうやら来る最中に道を間違えたらしい。「よりによってこんな時にねぇ…」という声が一部であったものの、「まあ彼らしいことだなぁ」と笑って済ませる声が大半であった。彼は見事にこの手の人種である。

 今日の旅先のある無人駐車場。駐車場を出る際、窓を開けてチケットを機械に突っ込もうとしたところ、見事にそのチケットを落としてしまった。慌てて車外に出て落としたチケットを探し事なきを得たのだが、後ろで待っている車に多大な迷惑をかけてしまった。私もこの手の人種である。人のことは笑えぬ。


1999/09/05

寝台列車にて

 高校生時代、好きだった音楽グループが解散するということで、何としてでも最後のコンサートツアーに参加したいと思った。ツアーの日程を見ると、休日にあたるのは福岡のコンサートだけであり、何としてでも足を運ばねばと思っていた。

 しかし当時私のいた高校は異常なまで校則が厳しく、「コンサート禁止」「旅行・外泊するときは必ず事前に許可を」「外出の時は制服制帽で」等々の規則があり、これらを破ると有無を言わさず退学になってしまうのである。

 そこで、とりあえず学校側には「海外から福岡に帰ってくる親戚を出迎えに行く」という、訳の分からぬ言い訳で「外出許可証」を発行してもらい、コンサート終了後、寝台列車を利用して直接登校することにした。

 もし何かの事故で列車が遅れるようなことがあれば、いろいろと詰問され、コンサートに行ったのがばれてしまうかも知れない。よしんばばれなかったとして、密かに狙っていた皆勤賞がもらえなくなってしまう。コンサート終了後はハラハラドキドキの状態で、異郷の地のホームで寝台列車を待っていた。結局翌日は無事登校でき、コンサートに行ったこともばれることはなかった。もっとも、暫くの間は、ばれないかどうかびくびくものであったが。

 寝台列車に乗るたびに思い出す、今となっては懐かしい想い出である。


1999/09/04

出没!アド街ック天国

 今日の「出没!アド街ック天国」は、偶々先週末出張で足を運んだ高山がテーマということもあり、「世界・ふしぎ発見!」を蹴って観ていた。

 最近のこの番組、数年前と比べて若干内容が変化してきている。以前は街の紹介もさることながら、スタジオでその街の「売り」について議論し、それをどう広告として表現するかを検討する部分、言ってみれば「街のマーケティング」の部分に時間が結構割かれていた。しかし最近では、そういったシーンは最後に少し出てくるだけで、基本的には、街の名物や街の女性や薬丸裕英の糞詰まらぬ駄洒落が殆どである。そう、一般の旅行情報番組と大して変わらないのである。

 番組の最後の「街のCM」にも当然違いが出てくる。以前の「街のCM」は、そのテーマ選定、切り口、表現方法など、「おお成程」と思えるようなものがあったが、最近のは「何か番組で出てきたネタを無理矢理いっぱい詰め込んでるやん」「それってコピーやなくてただの言葉やん」など、物足りなさを感じる事が多い。

 個人的には以前のような番組の方が好きなのだが、一般に受け容れられるためには街の情報をとにかく紹介していく方がいいということなのだろう。こういった流れが、いずれ日本の広告全般にも当てはまってしまわないか、心配でしかたない。


1999/09/03

続・缶コーヒー

 しかしまあ、サントリーも対応が迅速である。1999/09/01で夏商戦における地味さを指摘したサントリー「BOSS」。奮起を促してわずか2日後、期待に違わぬTVCMをオンエアしてくれた。

 神田うのに対して男が放った「うのたんのためなら世界を敵に回しても構わない」という不用意な一言が全世界からの批判を浴び、家の前には世界中からのデモ隊が押し寄せ、最後にはミサイル機まで飛んでくるというストーリー、「一体次回作はどうなるんだろう」と心配になるくらい、今までの一連のシリーズとはスケールが全く異なる仕上がりである。私がテレビで見かけるだけで思わずスイッチを切ってしまう芸能人の1人である神田うのが出演しているにも拘らず、その不愉快さを補って余りある出来具合であった。

 最後に一言。サントリー関係者からの「お前の文章を読んでTVCMを作ったわけではないわい」という批判だけは勘弁していただきたい。


1999/09/02

自由死刑

 先日久しぶりに小説を手にした。島田雅彦の「自由死刑」なる小説、1週間後に自殺を決めた男が残り1週間でやりたいことをやろうとするのだが、いろいろな人に出会って波瀾万丈の1週間を過ごすという内容である。「こいつ、明日になったらいったいどういう出来事に出くわすのだろうか」などと先読みしたり、場面場面ごとの主人公の心境と「もし自分がその立場だったら…」とを比較したり、自分が1週間後に死ぬとしたら何をやって過ごすかを考えてみては「わっはっはっ。俺も想像力に乏しいわなぁ」と笑ったりして楽しんでいた。

 ところで、この小説を手にしたのは先日福岡に行ったときであった。偶然にもこの小説の主人公は、福岡から羽田に向かう飛行機に乗っているシーンから登場する。「にゃはは。俺は数時間後この主人公と同じ舞台にいるんだな」と偶然を楽しみつつ小説を読み始めた。

 そして数日後、小説も終焉を迎え、主人公が自殺を図る。場所は北海道日高地区の国道336号線。ガードレールを車で突き破り、海に飛び込む。おいおい、私は9月にその道を車で走って、そこから数km程度のところに宿泊するのだ。偶然にもほどがあるではないか。


1999/09/01

缶コーヒー

 何故かこの時期、缶コーヒー界が熱い。最も目新しいのはキリンビバレッジの新商品「FIRE」。既存ブランド「JIVE」を廃し、一挙に3アイテムを投入した。コミュニケーションも各アイテムに異なったタレントを用いるなど、なかなか攻撃的な展開を見せようとしている。攻撃的コミュニケーションと言えば、不条理CMを展開しているサッポロ「JACK」。暑い夏にはうってつけの訳の分からぬCMである。また、初夏にはUCCが「BREAK」を発売した。アサヒ飲料の「WONDA」が商品ラインアップにリッチテイストものを徐々に追加しているかと思えば、ネスレ日本もどうやらリッチテイストものを発売するそうである。

 さて、そうなると目立たなくなるのが業界トップの日本コカコーラ「GEORGEA」とサントリー「BOSS」。前者は商品ラインアップには変化が見られず、広告タレントを変えたもののトーン&マナーは従来と変わらず。後者は春の「BOSS BLACK」投入も一段落し、広告自体は春と同じものを流し続けている。このままではつまらないので、両者の今後に期待したい。


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