イオ

   木星の第2衛星。木星四大衛星の一つ。1610年ガリレオによって発見された。ギリシア神話に登場するアルゴス王イナコスの娘「イオ」から命名されている。直径約3640km。公転周期はおよそ1.77日。地表では9つの火山が激しく活動している。これはイオが楕円形の軌道を描いているため木星の重力が常に一定の状態でイオに働かず潮汐力が変化し、更にエウロパの重力が及ぼす同様の影響も大きく働き、それによってイオは一定の、しかも非常に短い周期でその身体に歪みを生んでいるのだが、この歪みによって生じる摩擦が熱を発生させイオの内部を融解、それが噴出しているのだといわれている。1979年ボイジャー1号が撮影に成功したロキ火山の噴火は噴出物の高さが200kmに達するほどのものだった。この噴出物は地球の火山のそれよりも硫黄を多く含んでおり、これがイオの地表を覆っている固形硫黄の地殻の直下に浸潤している液体二酸化硫黄と接触することで火山爆発が生じている。イオの大気は非常に薄く、このため噴出物は放射状に落下する。二酸化硫黄は温度が下がるにつれてオレンジ色から白色へと変色していき、イオの地表を彩っている。
   イオの火山群の噴出物は木星圏の様々な事物に影響を与えている。例えば第5衛星アマルテアの地表は太陽系でも最も赤いとされているが、これはイオの噴出物がアマルテアに降り注ぎ、その地表を赤く染めたためであるといわれている。またイオの重力を振り切って宇宙空間を漂うガスがイオの公転軌道付近に巨大なドーナツ状構造体「イオ・トーラス」を形成している。このイオ・トーラスは太陽からの紫外線でプラズマ化した酸素と硫黄の荷電粒子からなっており、高速で回転する木星の磁場(イオの軌道付近では秒速50km)がこれを追い越す際に20億kwという膨大なエネルギィの発電がおこる。この電力は磁力線に沿って木星へと運ばれ、木星の極域で電離層の加熱、オーロラの形成といった現象がおこる。加えて木星の重力によって加速されたオーロラ粒子は宇宙空間へ電波を放射する。この電波は波長が10〜100mの範囲にあり、「木星デカメートル電波」と呼ばれこの電波を追跡、分析することで新たな木星研究が行われている。
   作中では翼原種の融合を受け機界31原種軍の先鋒を務める。羽型ミサイルによる無限攻撃を得意としており、JアークGGG連合艦隊を大いに苦しめたが、「ザ・パワー」を得たガオガイガーゴルディオンハンマーによって破壊される。
   なお昨今の若年層には某有名RPGの攻撃魔法の名称として有名。