『S−Report』   12/6号    非市場地域経済と仕事  − IT分野の2001年          コンピューターウイルス警報    

 年末というと各地で酉の市がありますよね。川越でも熊野神社の酉の市が今月3日にありました。ただ、川越の酉の市は縁日を新たにつくり人出を呼ぼうと80年ほど前に地元と露天商組合の協力によりつくりあげられたものです。

 いつの時代でもこの酉の市のようにその時代の人々が困難な状況 を乗り切ろうとしていろいろな試みをしています。11/22号「パンと株LE.T.S」で取り上げたL.E.T.S(地域交換取引制度)もこのような試みのひとつだと考えています。
 全国地域おこしプランナー協会理事長の宝田清和氏は講演の中でL.E.T.Sや地域通貨制度は日本で言うと「結」 や「普請」のような伝統的な制度と通じるものがあるという指摘をしていました。そういう意味ではL.E.T.Sや地域通貨制度は現代版の「結」 といえるものです。
 前回は地域通貨制度やボランティアとを一応分けてお話しました。もちろん、このL.E.T.Sとこれらのことは分けて考えることは難しいです。 しかし、混同をさけるためにあえてこれらを峻別しました。

 地域経済には貨幣・商品交換経済とは別の形態で行われる非市場地域経済が存在することは確かです。それを積極的に生かしていく 「地域経済の仕組み」がL.E.T.Sです。
 これと同じように仕事にもお金の払われる仕事とお金の払われない仕事、つまり、換金される労働と換金されない仕事(注1)があり、地域 の非市場地域経済は換金されない仕事によって成り立っているわけです。
 家業の仕事、家事・育児などの換金されない仕事です。この換金されない仕事を貨幣・商品交換によらない方法で積極的に生かしていく仕組みがボランティアです。(もちろん、報酬を受ける有償ボランティアもあります。)また、貨幣・商品交換経済の中にあっても利潤追求や利益配分を追求しないNPOタイプの仕事です。

 NPOとは、ノン・プロフィット・オーガニゼーション(Non Profit Organization) 、民間非営利団体・民間公益組織などとも訳されています。つまり利潤 追求や利益配分をおこなわず、自主的・自発的に活動する、営利を目 的としない組織・団体の総称です。
 http://www.npo-support.jp/kihon/npo.html 

 これにボランティア・グループやボランティア団体、市民団体、社団・財団法人、社会福祉法人などの公益法人や協同組合などまでも含む場合もあります。
  もちろんこれらのNPOは一様ではなくいろいろなタイプが存在します。 NPOの理念や法律の理念に基づくものから怪しげなものまであります。
 今年、相談を受けたものの中にも特定非営利活動法人の肩書きで人を信用させ詐欺紛いの行為を働いているものや、官僚が行政改革で淘汰される特殊法人の代わりに「第二の特殊法人」にしようと画策しているものなどもあります。このことでNPOを貶めるつもりはありませんが現実ははっきり認識しておいた方がいいです。
 もちろん、ほとんどはきちんとしたNPOであり、利益を目的とすると収 益がなく福祉等のビジネスとしては成り立たない仕事などにNPOはとても有益です。

 地域経済の立直しは貨幣・商品交換経済を活性化させるばかりでは難しくなりました。今後は非市場地域経済を積極的に生かしていく「地域経済の仕組み」であるL.E.T.Sや換金されない仕事を積極的に生かしていく 「仕事の形態」であるボランティア、NPOの仕事が重要になってます。

(注1)「換金されない仕事」はシャドーワーク(Shadow Work)と混同されがちですが意味合いが異なります。「換金されない仕事」はI.イリッチの用語で言えば「支払われない労働」に近い概念で、シャドーワークは産業 社会における賃労働を補完する形で行われる行為(労働)のことです。これらが共に「家事」を対象にしているためまとめてシャドーワークと呼ばれることが多いです

  前回は2001年のIT分野のまとめでしたが、今回は地域分野のまとめです。予定ではこれから2001年の事業分野、コンテンツ分野のまとめをお送りする予定です。
 
     
       
 サイトの紹介


 
NPO等に関連したサイトです。

[NPO関係]
●内閣府:http://www5.cao.go.jp/seikatsu/npo/index.html
●東京都:http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/index4.htm
●C’s 市民活動を支える制度をつくる会:http://www.npoweb.gr.jp/
●NPO法人 日本NPOセンター:http://www.jnpoc.ne.jp/
●NPO法人 NPOサポートセンター:http://www.npo-sc.org/
●NPO法人 NPO事業サポートセンター:http://www.npo-support.jp/
●NPO法人 NPO研修・情報センター:http://www.jca.ax.apc.org/~ticn/
●NPO法人設立運営センター:http://www.d1.dion.ne.jp/~npo/
●NPOの広場 (日本NPOセンター):http://www.npo-hiroba.or.jp/
●NPORT (NPOサポートセンター):http://www.nport.org/
●市民活動の情報誌 NPO/NGO Walker: http://www.gem.hi-ho.ne.jp/npo-ngo-walker/
●JCA−NET:http://www.jca.apc.org/
●NGOアリーナ:http://www.ngo-arena.org/

[ボランティア]
●NPO LINK (スマートバレー・ジャパン): http://www.bekkoame.ne.jp/~kaihou/
●ViVa! ボランティアネット:http://viva.cplaza.ne.jp/
●Gamba NPO.net:http://www.gambanpo.net/esgn/ESGN0000.cfm
●ぼきんやドットコム:http://www.bokinya.com/
●e−ボランティアネット:http://www.e-volunteer.ne.jp/
●チャンネルV:http://www.v-e-v.net/info/

読者の方からお送り頂いたNPO関係のリンクを本人の了承を得て掲載さ せていただきます。


 コンピューターウイルス警報

 
  この年末は今年上半期よりさらに多くのコンピューターウィルスが蔓延して深刻な被害を引き起こしています。このレポート読者 の方も何人か被害に遭われてます。
 ただし、このメールマガジンは問題になっているマイクロソフト社 のメーラーを使わず「独自の配信システム」で配信しておりマシン自体にも「最新のワクチン」を導入し必ずチェックを行い対策をとっておりますのでご安心ください。  
 現在、猛威をふるっているのは先日警告を出しましたウィルスよ り悪質なBadtrans.Bというウイルスです。

 これらの影響を受けるコンピュータはマイクロソフト社のInternet ExplorerとOutlook/OutlookExpressを使用している「Windowsパソコ ン」です。

  特にOutlookExpressユーザーは、取り急ぎ応急処置として次の設定の確認を。
1.「ツール」→「オプション」→「読み取り」タブをクリック。
2.“プレビューウィンドウで表示するメッセージを自動的にダウンロードする”のチェックをはずして、OKボタンを押す。

 感染してないユーザーは各ワクチンベンダーのWebサイトを参照 して、最新のウイルス定義ファイルに更新してください
 感染してしまった場合は下記のサイトで入手した駆除ツールを使 うか、データをバックアップしてすべてのハードディスクを再フォーマ ットしてシステムやアプリケーションをリインストールしてください。
(但し、内容を理解の上、自己責任において実施してください。)

シマンテック Badtrans.B駆除ツール
http://www.symantec.co.jp/region/jp/sarcj/data/w/w32.badtrans.b%40mm.removal.tool.html
トレンドマイクロ Badtrans.B駆除ツール
http://www.trendmicro.co.jp/esolution/solutionDetail.asp?solutionID=3368

「ホームユーザー向け セキュリティ対策 早わかりガイド」マイクロ ソフト社のページを参考にしてください。
http://www.microsoft.com/japan/enable/products/security/  

Outlookユーザーは他のウィルスとの関連もあるので「Outlook E-mail Security Update」は必ず実施してください。(但し、内容を理解の上、自己責任において実施してください。)

 また、コンピューターウイルス対策の基本的なことは「ネットワーク セキュリティ」(6/14号)及び情報処理振興事業協会セキュリティセ ンターの情報をご参照ください。
  http://www.ipa.go.jp/security/


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