『S−Report』   9/6号   ある日、突然 

   
 株価の下落は止まらないようです。そして、各企業が中間決算を迎える時期にはどうなるのでしょうか。

 知り合いが雑誌を見て世界的シェアをもつゲートウェイ社のノートパソコンを購入しようとして電話で予約して指示通りに代金を振り込んだところ、その次日ゲートウェイ社が日本撤退を発表し国内の各事業所を閉鎖したため連絡が取れなことになりま した。
  今のところサイト(http://www.gw2k.co.jp/)は半閉鎖状態で「電話もかけている人が多いらしくつながりません。」とのこと です。
 米Gatewayは28日(現地時間)、再建策を発表、日本市場から撤退することを明らかにした。再建策では、米国国内市場に経営資源を集中し、日本やマレーシア、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールの各現地法人を即座に閉鎖、ヨーロッパ市場についても30日以内に結論を出すとしている。
 米国での発表を受け、日本ゲートウェイ株式会社では、8月29日より全てのマーケティング・営業活動を終了すると発表した。 既に同社のホームページでは営業終了の告知が行なわれてお り、全国各地に展開していた直営店「ゲートウェイカントリー」も閉鎖される。(中略)
 なお、既存の顧客についてのサポート/サービスは従来同様継続していくとしている。同社では、既存のサポート/サービスを 100%委託できるパートナーを探しており、そのパートナーが決ま り次第、サポート業務を移管する。(中略)
  日本ゲートウェイでは、8月29日付けで、社長や役員を含む同社の全社員(698名)にこの決定内容を通達した。対象者には通 常の退職金制度に基づく退職金に加え、独自の制度を適用した 特別退職金が支給される。また、再就職斡旋会社の紹介を29日 より開始し、社員の再就職をサポートするという。
「米Gateway、再建策を発表、日本撤退へ  〜日本ゲートウェイは、全てのマーケティング/営業活動を終了」
  http://watch.impress.co.jp/pc/docs/article/20010829/gw2k.htm

 アメリカ的といえばアメリカ的ですが、閉鎖前に既存のサポート ・サービスを委託できるパートナーも決めず事前に社員の再就職 の斡旋もしなかったということです。
 今まで会社をユーザーとのコミュニティとして位置づけ、直営店を カントリー・ストアと呼んでユーザー重視・サポートの充実を売り物 にしていたゲートウェイ社の実態はこの様なものだったのでしょう。

 9月4日にコンパックコンピュータ社を買収した米ヒューレット・パッ カード社は世界一を目指し新たにスタートしました。まさに寝耳に水だった。両者の日本法人には、第一報後、報道 各社からの問い合わせが相次いだが、正午頃には「事実関係を 確認中、米国からはまだ何も聞いていない」(日本HP広報)状況だ った。その後、両者の米国Webサイトで正式に発表があったが、夕刻になっても日本法人側は「米国での発表文以上のことはコメントできない」(両者日本法人広報)ということだった。(中略)
  HP、コンパックともに、世界のコンピュータ産業の雄だ。米ヒュー レット・パッカードは1939年に設立されたコンピュータメーカーの老舗で、最近4半期の売上高は470億ドルだ。最近では、米インテル と次世代MPU、Itaniumを共同開発したり、マイクロソフトとは常に 友好的な協調関係にあるなど、デファクトスタンダード(事実上の標準)の準拠した事業展開を推進しているが、同社はMPUでは「PA- RISC」、OSではHP-UX(UNIX)という強力な独自技術をもっている。 (中略)
 米コンパックコンピュータは、82年にパソコンメーカーとして創立され、徐々に勢力を拡大、同じく売上高は404億ドルに上る。90年 に日本法人を設置、92年には、国内の同等の性能をもつ製品と比 較して半額のパソコンを投入、「コンパックショック」を巻き起こし、その後の国内パソコンの低価格化の呼び水の一つとなった。(中略)
 両者は、米国をはじめ世界市場では、米IBMに匹敵するような巨 大メーカーとなるわけだが、今回の合併により、1社で2つの独自 MPU、独自UNIXをもつことになる。これらの扱いをどうするか、ということだけでも決して容易に解決できる問題ではない。「新生HP」がはたしてどのような姿になるのか、まだみえてはこない。
「HP、コンパック合併、日本法人はノーコメント 「新会社」の全容未だわからず」  
 http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/09/04/10.html

 Hewlett-Packard(HP)は4日,Compaq買収完了後に,10% (約1万5000人)の人員削減を予定していることを明らかにした。 これにより両社は,今年初頭からの合計で,およそ2万9500人を削減することになる。
「HP,Compaq買収後に1万5000人削減へ」  http://www.zdnet.co.jp/news/0109/05/b_0904_03.html

 この場合も日本を含む現地法人には何も知らされず人員削減があること以外は今後の体制も未だはっきりしません。

 これは外資系企業だけのことではありません。国内企業各社も今年4−6月期の四半期決算で赤字か大幅な減益に転落しており、それを受け日立グループ、東芝、NEC、富士通、松下電器産業等が中間決算前に続々と事業中止、人員削減計画を発表してます。

 情報技術(IT)不況の深刻化で、大手電機・情報関連企業の人員削減計画が国内外8万人弱に達した。東芝に続き日立製作所が31日、国内約1万人の削減に踏み切ると発表した。景気失速が日米欧、アジアで同時並行したため海外工場の閉鎖・売却によるリストラも急 ぐ。製造部門を中心とする過去最大規模の人員削減となり、IT産業 を雇用の受け皿とするシナリオが崩れる恐れも出てきた。
 電機・情報各社の人員削減計画のうち国内雇用の圧縮幅は半分強の約4万人となる見通し。しかも希望退職や早期退職者優遇制度の活用など自然減以外での削減が2万人近い水準に達するとみられる。自然減の中にも定年以外に、配置転換に伴い自己都合で会社を退職するケースが含まれる。(中略)
 IT需要の急速な冷え込みは、米経済の減速や日米の株安の主因になっている。昨年の一時的な景気回復局面では、IT分野がけん引役となっていただけに、相次ぐ電機メーカーの大幅な業績悪化や大規模リストラで、「景気低迷の出口が見えない状況になってきた」(民間シンクタンク)との見方が強まっている。
「IT大手、削減8万人規模  製造部門中心、半数は国内」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/sp2/nt20/20010831eimi182z31.html
 
  ある日突然「世界的企業でも雑誌に載っていた広告内容が・・」ある日突然「今使っている商品の・・・」ということが起きてきます。また、 「Windowsユーザーに警告」(8/23号)に書いた通りある日突然「今使 っているパソコンが急におかしくなる。」ある日突然「今使っているパソコンのサポートが受けられなくなる。」ということも実際に起きてます。
 IT需要の急速な冷え込みにより株価の低迷は一段と進行し、このよ うに強者がなりふりかまわず行動し、強者による合従連衡によってその勢力がさらに大きくなるような状況ではますます「ある日突然に・・」 が増えてくることになるでしょう。
 こういう情勢ではこまめに情報を収集 し「ある日突然」に備えることが重要です。

 Windows Meユーザーに警告


 「Windowsユーザーに警告」(8/23号)でお伝えしたWindows Meでの不具合の修正日の9月8日が近づいています。Windows Meユーザーは 下記のサイトを参考に対処することをお勧めします。
 
「2001 年 9 月 8 日よりも後の復元ポイントが利用できない」  http://www.microsoft.com/japan/support/kb/articles/JP290/7/00.htm

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