『S−Report』  7/5号  ストリーミング

   
 このごろブロードバンドと同じくらいよく聞く言葉にストリーミングという言葉があります。ストリーミングとは一言でいえばインター ネットで見れるテレビ放送です。ストリーミングは「映画と新しいメディア」(2001年12/14号)でもお話ししましたが前号で書いたようにネットワークインフラの整備とともに活発化してました。

 6月26日アップルコンピュータージャパン主催の「QuickTime Streaming Solution FairTOKYO」が開かれました。
  アップルは、2001年6月20日(水)と6月26日(火)の2日間、大阪(20日)と東京(26日)の2会場において
「QuickTime Streaming Solution Fair」を開催いたします。今、インターネットはブロードバンド時代を迎えており、ストリーミングに対する関心が日々高まっています。同フェアでは、ストリーミングにおけるアップルのQuick Timeテクノロジーを活用したソリューションをセミナー、展示コー ナーにより実感して頂けるオープンなフェアです。
  QuickTime Streamingで配信ビジネスを検討されている方、そのコンテンツ作成をビジネスにしようとしている方、自社のWeb広告な どをストリーミングで配信したいがどの様な所に頼めばいいかを探 されている方等、uickTime Streamingをあるゆる側面からご紹介 できるイベントになっています。
  アップルコンピュータ−株式会社 http://www.apple.co.jp/hotnews/2001/0620qtss_solution_fair.html  

  これは単なるイベントではなく現在ストリーミングに携わっている人たち・法人による日本での最先端の情報に基づいたセミナーで した。

 ストリーミングの技術としてはReal Player(リアルネットワークス)、 Windows Media Player(マイクロソフト)とQuickTime(アップルコンピュータ−)の3つがあります。このうちQuickTimeはライセンスフリーでありストリーミングサーバを安価に構築できるため費用が少な く済み、コンテンツをDVD等の他のメディアと共有できるといった利 点もあります。
 ストリーミングも技術を論ずる段階から使い方、見せ方について論ずる段階になりました。このセミナーでもニュースやエンターティメント のようにテレビ的な使い方からビジネスでの活用法まで事例も幅広 く報告されていました。

 このセミナーの中から重要な事例として株式会社カルチャー・オブ・ エイジア(C.O.A)の事例を紹介します。   
 http://www.coe.co.jp/company/coa/index01.html  
 カルチャー・オブ・エイジア(以下C.O.A)は東京渋谷の円山町にCLUB ASIA(クラブ エイジア)をつくり、円山町一帯をCLUB地帯にして有名にした企業です。

  "アジアの新しい文化を創造し世界に向け発信する"というコンセプ トのもと、株式会社カルチャー・オブ・エイジアは設立されました。
 まず、若者の街"渋谷"にコンテンツを発信・制作することを目的にエンターテーメントの空間としてClub Asiaをオープン。様々な企画・イベント を開催してまいりました。(中略)
 今後は更に、自社のエンターテーメント・スペースを使い、マーケティ ング情報を収集、インターネットを活用、次世代標準の動画データベー スを構築し、音楽・映像・番組制作など様々なコンテンツ(=文化)を創造し、全世界に販売してまいります。
 「会社の考え方主張(戦略と強み)」C.O.A  http://www.coe.co.jp/company/coa/02_profile/policy/index.html  

  C.O.Aはインターネットを使って全員参加型の文化創造システム(C.C. T.S)を提案しており、発表の機会のなかった人々にリアル空間であるC LUB等のステージとバーチャル空間であるインターネットで広くそのチャ ンスを提供しようとしてます。6/7号で書いたように音楽業界でも有能な 無名アーティストを発掘していますが、C.O.Aではそういった既存の方法 とは別にネットを使いオーディションを行い、それをストリーミングで公開するということができます。このようにストリーミングはテレビ等の巨大メ ディアではないですが、既存のメディアとは違って多額の資本を使わな くてもテレビ並の事ができる可能性かあります。
 ネットワークインフラが整い、ブロードバンドが当たり前になれば、ストリ ーミング放送は地上局テレビ、衛星テレビ、ケーブルテレビやビデオ、レンタルビデオ、DVDに長期的にはとって変わりうるメディアです。

 ネット配信の紹介


 ソニー・グループは映画を丸ごとネット配信を始めることになりました。
 このことはレンタルビデオ・CS・BSケーブルテレビにも影響がでます。また、このことはソニーがブロードバンド時代に対応した「新たな統合型ビジネスモデル」を他社に先駆けて本格的に構築し始めていることを意味しています。

 ソニー・グループの米Sony Pictures Entertainment社は、ダウンロード 方式を使う映画のインターネット配信を年内に米国で始める計画である。
 また、計画している配信内容としては、配信した映画は24時間で見ることができなくなる仕組みを導入する、配信開始当初は100タイトルを準備する、料金はレンタル・ビデオと同じ程度に抑える、などがある。

「米Sony、ダウンロード方式で映画配信を年内開始へ」  
  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/inet/134361

 ソニーは、NTTドコモのiモードのような通信事業者だけがもうかる仕組みではなく、ソニーが提供するネット端末とコンテンツの両方で利益が出るビジネスモデルの実現を目指す。ソニーは、米ソニー・ピクチャーズエンタテインメント社などを通じて、本場ハリウッドのコンテンツを数多く抱える。 これらのコンテンツを、ネット接続されたソニー製品に自らの手で配信する。 ソニー銀行やデュエット社などは、ネット決済からコンテンツ配信の著作権 管理まで、ブロードバンドビジネスの“プラットフォーム”となる。

「ソニーの野心〜ブロードバンド完全制圧へのシナリオ」 日経ネットビジネス5月25日号

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