『S−Report』  5/31号  浮き世風呂 


 
忙しいと温泉に行ってゆっくりしたい気持ちになりますね。

 とはいってもなかなか温泉に行けません。そのためかもしれませんが、この頃「スーパー銭湯」に人気が集まってます。 「スーパー銭湯」にはいろいろな定義かありますが、一言で言え ば銭湯の入湯料程度で入れる健康・温泉ランドです。その発祥はみそかつ・あんかけスパなどアイディアあふれる商品・商売を 生み出した愛知県で、それがJTBの月刊誌「旅」の読者特派レポート的記事でとりあげられたり広がっていきました。

 健康ランドは高すぎる。町の銭湯では物足りない。」と思っている一般 大衆をターゲットに、健康・美容・リラクゼーション指向を 捉え長期安定型事業として企画されたのがスーパー銭湯事業です。
 株式会社 玉岡設計 (「スーパー銭湯」の設計を多数担当)
 http://www.tamaoka-sekkei.co.jp/gallery_sentou/sentou_map.htm

 このような「スーパー銭湯」の人気の背景には温泉ブームとア パート等単身者住宅でも内風呂が完備されるようになったため 銭湯が衰退したことが考えられます。でも、なんといっても人気の理由はやはりその価格です。健康・温泉ランドでは1500円以 上かかる入浴料が500円程度でこれは公共の日帰り温泉施設 並みです。

 先日の日曜日に「仙川湯けむりの里」に行ってみました。日曜日 の夕方てしたが家族連れを中心にいっぱいの人がいました。この日、同行した温泉の達人によるとまあまあの設備だったとのことですが、私が今まで行ったことのあるAQUA RESORT系、お風呂の王様系も同じですが料金に比較してリーズナブルでした。

 最初は銭湯のリニーュアルが多かった「スーパー銭湯」も現在 はデベロッパーに限らずトーメンなどの商社系、リズムなどのメ ーカーなどが新規事業として参入しています。そのため一時期 のカラオケボックス・ボーリング場の乱立による共倒も考えられます。事実、既に競合の激しい地域では経営破綻するスーパー銭湯も出てきているようです。

 このような状況に対応して銭湯のリニーュアルの「スーパー銭湯」が多機能化したものが目立っています。競合に打ち勝つにはサウナや露天風呂、薬草湯、ジェットバス、リラクゼーションル ームなどの設備はもちろん、エステやマッサージといったサービ ス、娯楽施設や飲食施設を備えるのが当たり前となりました。これはちょっとしたレジャー施設です。

 この様な「スーパー銭湯」のポイントは三つあります。
 一つ目は、健康・温泉ランド並の設備で低価格
 二つ目は、銭湯機能の代替え
 三つ目は、アミューズメント性

 この三つポイントが今後の商売の重要なポイントではないでし ょうか。特に、今後あらゆる商売はアミューズメント性が要求され る傾向にあります。

 江戸の昔から浮き世風呂は人々の社交場であり娯楽でもあったので、この「スーパー銭湯」もその伝統に則ったものですね。  
 

 本の紹介


 さて、江戸の人々は浮き世風呂をどのように楽しんでいたのでしょうか、日々の暮らしは?
 たまにはこういう本もいいかもしれません。

 一日江戸人 
 
著 者 :杉浦 日向子著
出 版 :小学館 (小学館文庫)
サイズ :文庫 / 283p
ISBN :4-09-402361-5  
発  行:1998.4  

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