『S−Report』  5/10号  あそびの現在   

 
 
「ベイブレード」が大ブレイクしています。と言っても「ベイブレー ド」って何と思われるかもしれませんが、これは現代版ベーゴマ です。入手困難でベーゴマ・ファイターという類似品も出回ってたほどです
 このブームの火付け役はマンガ「爆転シュートベイブレード」 (月刊コロコロコミック連載)と1月から始まったテレビアニメ「爆転シュートベイブレード」です。内容は”対戦型成長ストーリー” つまり、ポケモンの様なお話です。
 このおかげでタカラの決算は「「ベイブレード」など利益率の高い商品の売り上げが伸び、原価率が改善」されたぐらいのヒットです。
 
  ベイスタジアムで戦って最後まで生き残った方が勝つ、超高速回転で行われる新時代のベーゴマバトル、それがベイブレー ドだ!主人公タカオもベイブレーダーの一人。今日も剣道の修行をさぼって隣町へと出かけていく。
 http://www.tv-tokyo.co.jp/beyblade/

  ベイブレードの発想の原点はベーゴマ遊びです。 従来のコマでも子供達は夢中になり、時を忘れて遊びました。 ならば、そこに改造という要素を盛り込められたら、もっと面白くなると考えたのがベイブレードの始まりです。
  そこでベイブレード本体をいくつかのパーツに分解することを可能にし、組み替えができるようにしました。 また「攻撃力」「防御力」「持久力」の三つの要素でそれぞれが パワーアップする仕組みを作りました。
  一方、専用のシュータ ーを開発し、誰にでも回せ、激突の楽しさを味わえるようにしま した。 簡単だけれど奥が深い、それがベイブレードです。
 http://www.takaratoys.co.jp/kikaku/402.html

  メディアミックスも初期の段階ではマンガ・アニメ・主題歌と商品のタイアップが主流でした。現在ではゲームやイベントをも含めたメディアミックス戦略が定着してきました。

  「ベイブレード」はこのごろのおもちゃ企画の集大成のようなものです。そのポイントは

・玩具のリニューアル−タカラは「伝承玩具のリニューアル」を商品戦略の一つとしており、あそびの継続性、伝承性を重視して玩具を生み出しています。ベイブレードはコマ回し、ベイゴマという遊びの魅力を生かした商品です。
・合体性−合体ロボから始まる「組み替えあそび」の楽しみを生かしてま す。「ベーゴマに比べ、様々な部品を交換することで、防御用、攻撃用など、1人1人が独自の特性を持ったベイブレードを作れるのが特徴です。 」(タカラのサイトより)
・競技性−古くはレーシングカー、ミニ四駆など「集団で競技するあそび」 の楽しみをイベント化したことが人気の理由の一つです。「1年半ほど前に3タイプを発売(攻撃型、持久型、バランス型) イベント会場での勝ち抜きトーナメントを中心に人気に火が付いた。」
  (タカラの開発担当の松川氏、大沢氏のインタビュー)  http://www.yomiko.co.jp/goraku/bei/bei_01.html
・対戦性−ポケモン、遊技王カードにあらわれているように最近の遊びには「対戦性」が重要です。対戦は1人ではできないので人とのコミュニケーションの一形態です。
 このように、「昔からあるあそび」と「現代性」を融合させることで 、あそびは伝承されていくのでしょう。

 あそびには学校や日常生活の世界とは別の世界があり、そういう既存の秩序や優劣関係を超えて楽しめる側面があります。それあそびとして楽しめるのだとおもうのですが、現状はいいことば かりではありません。

  いろいろなモニターをお願いしてるAさん (おもちゃ屋でバイト中の学生)の遊戯王カード(対戦型カードゲー ム)に関するレポートによると、

 遊戯王カードの場合、強いカードを持っていることで、「強い」やつと渡り合えるようになる、と思うんです。そうですね、ジャイアンみた いな子にスネ夫、のびたタイプの子が、互角の勝負、もしくは勝つことが出来る。それも、スポーツ、勉強、ゲームのように頑張らなくても、お金をつぎ込んで、強いカードを手に入れるだけで。スネ夫 ・のびたタイプの子に限ってカードを見せびらかすんです。同じキャラカードを何十枚と持ってる。(対戦で同じカードは使えないと聞いた んですが。)それでジャイアンタイプの子に迫られる。「くれよ」と言 わせたもん勝ちと思ってる様に感じられるんです。渡す子と渡さない子がいますが、どっちにしろ自慢することでジャイアンに勝って満足げに感じられる。買うだけで「自慢できること」を持ててしまうこと に慣れちゃうことは問題だと思うんです。あと、よく分からないのに 集めている子がいたこと。(バドミントン教室に行くふりをして買いに来たんだと言ってました。その日だけで4千円は使っていきました) 今はほとんどの子が全種類持ってるような状態で、発売時のような 熱気もなくなりました。が、どうやらマジックザギャザリングに移行し たようで、小学生でギャザリングを買う子が増えています。遊戯王のように買いあさる子が出始めなければいいんですけど。
  親に買いに来させる子供が意外と多かったことも、わたしにはわからないですね。おもちゃやは10時開店で、平日は学校なので親が店の前に並んでたんです。「最近の親」と言うものを見た気がします。  

  このように楽しみをお金のみで買おうとする傾向には疑問を持たざるをえません。これは、単に懐古趣味で言ってるのではないですが、 ベーゴマ・メンコ・ビー玉などは金があってたくさん買ったものより、 腕つまり技で勝ったものが尊敬されました。こういうのが遊びの世界 だと思うのです。

 最後にAさんレポートの遊戯王カードと同じように、テレビで見たところ入手困難な「ベイブレード」もまた「平日は学校なので親が店の前に並んで」いるようです。苦労して手に入れるのもあそびの大切な要素です。苦労すると楽しみも大きいと思うのですが。

 コンテンツの紹介


 注目の子供向けのメディアミックスコンテンツの紹介です。
 いずれもテレビ東京にてアニメ放映中です。

「RUN=DIM」 http://www.tv-tokyo.co.jp/run/dim.html    3Dアニメーションの作品  
 メディアミックスリスト
 MUSIC  シングル Legend  オープニング曲   Heaven Knows エンディング曲  
 GAME ゲーム RUN=DIM AS Black Soul ドリームキャスト  comic コミック RUN=DIM  DVD DVD ランディム

「スターオーシャン」   http://www.tv-tokyo.co.jp/star_ocean/  SF冒険ファンタジー  
 メディアミックスリスト
 MUSIC  シングル To The Light オープニング曲 HEARTS エンディング曲  
 GAME ゲーム スターオーシャンセカンドストーリー プレイステーション  
 comic コミック スターオーシャンセカンドストーリー  Treasure 東まゆみ画集
 CD コミックCD スターオーシャンセカンドストーリー  

そのほか、対戦性ということのメンタリティについては 「機動天使エンジェリックレイヤー」が参考になります。    http://www.tv-tokyo.co.jp/angelic_layer/  

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