『S−Report』  3/15号  高性能化と複合商品化 

 
 
任天堂のゲームボーイアドバンスが3月21日に発売されます。このゲーム機の発売を待ち望んでる子供たちも(大人も)多いと思います。
 このゲームボーイアドバンスはゲームボーイの後継機でその中心部は以前のパソコン並のものです。(32bit RISC−CPU) また、3万2千色同時発色というパソコン並の反射型TFTカラー液晶を搭載し単3形アルカリ乾電池で約15時間使えます。これは従来の携帯ゲーム機としては画期的な性能です。
  http://www.nintendo.co.jp/n08/index.html  

 そのためゲーム機市場ではゲームボーイアドバンスへの期待が大きいです。しかし、好調だったゲーム機市場もこのところ失速しつつあります。
 任天堂のNINTENDO64は販売数では当初計画を未だ達成せず、セガのドリームキャストに至っては下記の通り在庫を抱えて製造中止となりました。(この件では一部報道に誤りがあったのであ えて、セガのサイトより引用します。)
 「弊社は先日、Dreamcastに関し2001年3月期をもって製造中止することを発表いたしましたが、現在今期の販売数とほぼ同等数 の在庫を有しており、今後も引き続き市場への供給を続けて参ります。また、Dreamcastのソフトコンテンツに関しましても今後も積極的に展開し、2002年3月期におきましては、セガ、及びソフトラ イセンシーより70タイトル以上の発売が予定されております。」
  http://www.sega.co.jp/sega/corp/news/nr010202_1.html

 セガのドリームキャストの製造中止の原因はソニーのプレイステーション(1.2)に市場での販売競争に負けたためです。これはドリームキャストのソフトのラインナップの問題やセガの既存のソフ トが使えない(ソフト下位非互換性)ことなどが主な原因ですが、他にネットワークゲームには対応したが、プレイステーション2の様にDVD再生機能を標準で持っていないことも影響してます。
 しかし、今までも多くのゲーム機が生まれては消えてきましたが、今回はそれと異なりゲーム機市場自体が飽和状態になったことも考えられます。この数年の国内のゲーム機の普及率は70%(TV ゲームのソフト業界の組織であるCESA[Computer Entertainment Software Association]の発表による)であり頭打ちの状態でゲーム機各社が新ゲーム機の開発や販売で苛烈な競争をしてきました。
 そして、今年はパソコンの基本ソフト(OS)で世界的シェアを持つ マイクロソフトがゲーム機「X-Box」を投入する予定であり更にこの競争が激化する模様です。(この件に関しての詳細は「東京ゲームショウ2001春」での発表まで情報が制限され、推測が多くはっきり したことは不明です。)
  参考 http://www.xbox.co.jp/index.html  

  さて、このゲーム機の競争状況の中でもゲームボーイアドバンスは携帯用ゲーム機であり、今のゲームボーイが圧倒的なシェア持っていることもあり、この競争とは少し離れたところにいます。
 しかし、携帯用ゲーム機市場でも別の競争が始まってます。
 一つはPDA(Personal Digital(Data) Assistant.いわばパソコンと連携した電子手帳)が高性能化してゲームができるようになりつつあることです。また、携帯用ゲーム機が子供だけのものである時 代ではありませんし、逆に子供もPDAを持つ時代でもあります。
 もう一つは携帯電話で携帯ゲーム機並のゲームができるように なったことです。これはiモードで始まった「iアプリ」という新サービ スが対応してます。
  www.nttdocomo-h.co.jp/formobil/news/release/imd0118_01.html

 これは単に、携帯ゲーム機が別のカテゴリーの商品と競合するようになっただけではありません。
 一つには携帯ゲーム機にもPDA(電子手帳)機能が要求されるよう になりうるということと
 もう一つは携帯ゲーム機には通信によるネットワーク型ゲーム機能が要求されるようになるということです。

 実際、既にバンダイの携帯ゲーム機「ワンダースワン」ではNTTドコ モと共同で携帯電話を使ったインターネット接続キット『モバイルワンダーゲート』を製品化しネットワーク型ゲームに対応しています。

 ゲーム機市場の飽和状態もあり、今やゲーム機を「ゲーム機という単一商品」として捉えて高性能化するばかりでなく、複合商品として商品化しなくてはならなくなっています。
 そして、これは単にゲーム機だけの問題ではなくすべての商品に言えることです

 イベントの紹介


 
熾烈な競争の中で情報が錯綜するゲームの世界ですがビル・ゲイツの講演など実際足を運んでみれば見えてくるものもあるかもしれません。
 
東京ゲームショウ2001春  
  http://www.cesa.or.jp/tgs/2001s/tgs2001s-07.html

 日 時: 2001年3月30日(金)〜4月1日(日)10時〜17時  
 場 所: 幕張メッセ    
 主 催: (社)コンピュータエンターテインメントソフトウェア協会
 入場料: 当日売りが1200円、前売りが1000円
 

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