『S−Report』  2/15号          出版流通の革新  − 紙の本・電子の本(1)  
 
 
この頃は本は本屋ばかりでなくコンビニや他業種のお店で買えるばかりでなく、インターネットで買えますね。
 特に本屋に行ってもなかなか見つからない、取り寄せるのに時間がかかる本などインターネットが便利です。

  さて、その本の販売サイト、つまりWeb書店ですが、取次や大規模書店だけでなく「版元ドットコム」のように出版社が連合して販売を手がけるようになったり、古本屋の連合サイトなど書籍の流通も急速に変わってきました。今まで取次系、大規模書店系、 大企業系などが中心だったWeb書店にも変化があらわれました。
 Web書店「bk1」は書店界のカリスマといわれた往来堂店長、安藤哲也が開設したサイトです。彼は書店の並びを分野別(小説、実用書とかの)ではなく、たとえば医療事故・過失が話題になると話題別に小説もノン・フィクション、医学書を並べるといっ たやりかたで小さい店舗なから驚異的な売り上げをあげてきま した。
 そして、往来堂を発展させWeb書店「bk1」を作り上げました。
  http://www.bk1.co.jp
 特色はジャンル別に普通の書店ようにバーチャルフロアをつくり、 フロア長を置きそれぞれ別のコンテンツをつくり販売してます。そして、23区内即日配送というメリットを売り込んで成功してます。 また、他のサイトの書評が販売促進の色合いが強いなか、新聞や雑誌の書評に近い執筆者をそろえて付加価値を高めたり、本屋で本の内容を聞くようなサービスをしています。 これはe-commerceつまり「販売サイト」でさえ「情報系サイト」にならざるを得ない状況を先取りしています。

 その「bk1」が新しい出版流通の形として「謝恩価格本フェア」を始めました。
 本には再販制度がありこの「再販制度で価格が安定しているがゆえに、出版社は採算点ギリギリの定価を設定している。また、出版物は基本的に個人の創意を盛り込んだ商品であり、自らの創意工夫、学術的主張等々を一人でも多くの人に知ってもらいたい、世に問いたい、という著作者の意思にそって低い価格が設定されている。 このことは後述するように、わが国の出版物の価格上昇率が一般物価の上昇率より低く、また先進諸国のそれと比べても低くなっている事実から明らかである。」
「論点公開」に対する意見出版物再販制度の果たす役割社団法人日本書籍出版協会、社団法人日本雑誌協会
 http://www.bookmall.co.jp/bunka/shiryo/shiryo04.html

 その中で出版界で「自由価格本」や「謝恩価格本」のフェアを行い再販制度を問い直しながら市場原理を導入しようと努めてるところもありました。しかしながら、地域が限られたり、規模が小さかったり、販売された本には魅力あるものはあまりなかったのが現状でし た。

 今回、「bk1」の試みは「これに対して『謝恩価格本』は、そのフェ アに参加した書店で一定の期間、定価を外してもよいとする方法で、 参加書店以外では定価で販売されます。参加書店でもフェアが終われば定価販売に戻ります。そうした方法をとることで、いい本がたくさん集まりました。『bk1』の「謝恩価格本フェア」は、実施するたびに販売実績を伸ばしている『新しい出版流通を考える会』が提供しているもので、評価が高く、内容の濃いコンテンツに溢れています。」
−「新しい出版流通を考える会」 幹事・青弓社営業部長 野崎保志  
 
 ここに書かれた書店での「謝恩価格本フェア」は地域的な限界もあり再販制度に変化をもたらすものではなかったですが、今回、こ れをWeb書店で行うことによって影響は大きくなります。
 つまり、最初は出版流通の革新であったものが、制度や出版物の価格まで影響を及ぼしてくるようになります。

 インターネットとは単にネット上に店ができるとか宣伝になるとかではなくそういう質が変化することがあります。

 さて、この紙の本の話の次にはまったく質の違う「紙ではない本の話」を今度レポートします。

 イベントの紹介

 
 中小企業も経営革新をしていくためにはというイベ ントです。

 2001 経営革新ビジネスフェア

趣 旨:
「中小企業のIT技術を活用した事業戦略」をテーマにIT技化支援 SIベンダーや経営革新に成功した企業の展示・セミナーを開催する。
日  時:2001年2月28日(水)〜3月2日(金) 2月28日、3月1日 10:00-17:00 3月2日 10:00-16:00
会  場:東京ビックサイト 西 4 ホール
主  催:2001 経営革新ビジネスフェア事務局
入場料:無料
全国でほぼ同じ趣旨のイベントがあります。

 中小企業ITフェア

開催日・会場:
 1)仙台会場   平成13年2月20日(火)〜21日(水)   メイフェアプラザ仙台ワッセ[宮城県仙台市]
 2)名古屋会場 平成13年2月26日(月)〜27日(火)   愛知県産業貿易館[愛知県名古屋市]
 3)大阪会場   平成13年3月2日(金)〜3日(土)    アジア太平洋トレードセンター[大阪府大阪市]
 4)福岡会場   平成13年3月6日(火)〜7日(水)    マリンメッセ福岡[福岡県福岡市]
 5)横浜会場   平成13年3月13日(火)〜14日(水)   パシフィコ横浜[神奈川県横浜市]
主 催: 中小企業庁、中小企業総合事業団 入場料: 無料

 ご購読・ご利用規約
 
 ご意見、ご感想、ご要望をお聞かせください。
 掲載された記事を許可なく使用することはご遠慮ください。
 ご紹介または転載等のご相談は下記までお願いします。
 掲載している情報は各人の責任においてご利用ください。
 『S−Report』は既存の配信システムや問題になっているマイクロソフト社のメーラーを使わず「独自の配信システム」で配信しており、ホストマシン自体にもファイヤーウォール、「最新のワクチン」を導入し必ずチェックを行い対策を とっておりますのでご安心ください。