『S−Report』  12/12  小さな事だけど、ごく普通のICT(IT)活用の可能
                −「持続可能な地域開発におけるICTの活用戦略」日本語バネル中間報告

 
 難しい話が続きましたが今回はやさしく、のつもりです。
 やはり、国連地域開発センターではe-ワークショップ(ネット会議)で「持続可能な地域開発におけるICTの活用戦略」の報告です。

 「テーマ7:バーチャルな世界と共生する社会」でこのような問題が提起されました。

 藤原と申します。

 早くから議論への参加を呼びかけられてはいたのですが、忙しさにかまけているうち に、なかなか議論に入ることができなくなってしまい、今にいたっております。 (中略)

 うまく言えないのですが、ICTという今回のテーマとからみそうなところで 僕が関心を持っているのは、次のようなことです。

1.ある人の内面深くにある、言葉にならないような言葉、声にならない声は、 ICTを通じて、どのように語られうるか、聴かれうるか?

2.現実社会の中でうまく生きていけない人にとって、 ICTというものはどのような可能性を与えてくれるのか?

(中略) そんなあたりで、なにか意見がいただければと思います。



 こんにちは  藤原さんの言うのはとても難しい問題です。

 とりあえず、こんなことしか言えません。

 この頃、小さな電子掲示板が定着したようです。

 この小さな電子掲示板というのは「少人数の限られた人たちが気軽に使う電子掲示板」をこう呼んだに過ぎません。  

 たとえば、高校を卒業してその仲間たちが進学や就職していろいろな地域に行っても、その仲間が連絡しあったり、ちょっとした日常に事を話したりする電子掲示板が増えてきました。
 そこは全く知らない人が入って発言してもついていけない世界があります。でも、仲間の友達ぐらいはこの電子掲示板に加わることができます。

 ICT情報通信技術はグローバルでオープンな世界を目指している側面があり、それはとても重要ですが、それがこんな小さなあつまり、あまりオープンではない世界でも使われています。

 さて、このようなある小さな電子掲示板の出来事です。

 高校生の仲間たちがやっているある小さな電子掲示板でひとりの仲間の話が話題になりました。彼は高校の途中から不登校になって、そのうち引きこもり状態になったようです。彼は友達が訪ねていっても誰にも会おうとしません。そのうち、誰も彼に会いに行くことはなくなりました。

 ただ、ある時、その電子掲示板で引きこもり状態になった彼のことが話題になり、久しぶりに友達のひとりが家を訪ねて行くと母親が彼がパソコンでメールをやっているようだということを聞きま出しました。しかし、もちろん彼は母親にメールアドレスなど教える訳がなく、彼にはメールを出すことはできません。
 そこで、友達は自分のメールアドレスと仲間の電子掲示板のURLを書いた紙を母親に託し、彼に渡して貰いました。

 しかし、メールは来ませんでした。

 友達のひとりは仲間の電子掲示板で引きこもり状態の彼のことを話題にしたり、電子掲示板で呼びかけたりしましたが、反応はありません ある時、電子掲示板のアクセスログ(記録)を見ると彼のと思えるアクセスがあり、仲間の電子掲示板を見ているらしいということがわかりました。

 そのうち、彼のアクセスが増え、時々は発言するようになりました。

 ここで、その彼が引きこもり状態から脱したといえば感動的なお話ですが、今のところそんなことにはなっていません。そうなるだろうとも私は言えません。

 ただ、「現実社会の中でうまく生きていけない人にとってのICTの可能性」はあるかもしれません。  

 そして、それは現実にある「家庭にいながら本人が相談できるICT情報通信技術を活用した引きこもり対策カウンセリングシステム」?!とかではなく、このような普通の人の小さな事だけど、ごく普通のICTの使い方にあると思っています。  (このようなシステムを否定はしませんが。)

 私は、「持続可能な地域開発におけるICTの活用戦略」ではある時は「家庭にいながら本人が相談できるICT情報通信技術を活用した引きこもり対策カウンセリングシステム」!?的ことや、政策的なことを言ったり、制度化について発言しています。
 また、実例はいくらオルタナティブだなんだと言っても結構大きなシステムのことを取り上げてきたと思います。  

  しかし、このように個人の使い方次第で「小さな事だけど、ごく普通のICT(IT)活用の可能性」はあり、それこそが重要だと思います。


 補足   電子掲示板やチャットというと”なりすまし”の問題があります。  

  ”なりすまし”というのは本来の自分のを偽って、ネット上で別の自分になって意見を書いたり、チャットしたりすることです。
 男性が女性になったり、”なりすまし”はひどいのになるとネット詐欺を働いたりすることがあって良くないことです。

 しかし、これは”仮面ワークショップ”に似ていると思います。

 心理−社会的ワークショップでは”仮面ワークショップ”と呼ばれ演劇ワークショップでは”仮面劇”と呼ばれるものです。(”流派”の違いはあるものの、ほぼ同じものだと私は思ってます。)

 実際のこのようなワークショップでは仮面を付けて別人になり会話や行為をします。これにはストーリー(シナリオ)や役割設定はなく、本人が自分でないものを演じることを求められます。(設定が決まっているものもありますが、これはファシリテーター役の考え方次第です。)

 そして、そこではいろいろな自分を見つける事ができます。  
 ネット上での”なりすまし”も本人は他人に成りきることでいろいろな自分を出しています。
 だからといって、”仮面ワークショップ”やネット上での”なりすまし”によって「ある人の内面深くにある、言葉にならないような言葉、声にならない声」が語られるとか、聴かれるとか言うつもりはありません。  

 ただ、そういうものが一つのきっかけになるということがあるかもしれません。                        

    

   活動の紹介


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 不登校や高校中退,幼児期の子育てなどなどお子さんのことや学校のことなどでお困りのとききっと21世紀教育研究所がお役に立ちますひとりで悩まずにいっしょに考えることが大切です
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