『S−Report』  9/26  ICカードではない − ユビキタスネットワークの世界へ(8)


 この頃は、ICカードが身近になってきました。
 JR東日本のICカード乗車券/定期券「Suica」は首都圏では一般化してきましたし、最近ではICカードが住民基本台帳ネットワークの一部として使われることでも話題になりました。
  「Suica」JR東日本  http://www.jreast.co.jp/suica/  

 また、コンビニでも従来からクレジットカードで買い物ができようになっていましたが、この頃はICカードで買い物ができるようになりました。

 am/pmではICカード「Edyカード」が使えるようになりました。 この「Edyカード」は

 エーエム・ピーエム(近畿地区をのぞく)店内にある、レジで決済するすべての商品・サービスのお支払いにご利用いただけます。Edyでのお買い物は、キャッシュレスで小銭やおつりのやりとりがないから、とってもスムーズ。お財布が小銭でいっぱいになることもありません。簡単&スピーディーなお買い物ができてとっても便利!しかもEdyはチャージした金額の範囲内で何度でもお買い物ができます。使用期限もなし、繰り返しチャージして何回でも使えます。
 「Edyカード」am/pm   http://www.ampm.co.jp/home.html  

 上記の「Suica」も「Edyカード」も非接触ICカードであり、FeliCa規格によっています。

 このFeliCaの特徴は

1.処理スピードが速い
 交通機関の改札機や、決済スピードが要求されるコンビニエンスストア、売店、スーパーマーケット、キオスク端末、自動販売機などに適しています。

2.信頼性が高い
 カードは非接触型なので、リーダ/ライタに取り入れられることはなく処理ができ、接点磨耗、異物(砂・ほこり・汗)振動等による信頼性の低下がありません。特に、1日に数多くの人が利用する交通機関の改札機や、大規模なオフィスビルの入退室システム、 自動車の中での使用に耐えることができます。

3.複数のアプリケーションが1枚のICカードに
 定期券、社員証、入退室カギ、電子マネーなどの複数のアプリケーションが一枚のカードで実現できます。

4.電波法改正を機に技術適合対応商品を追加
  平成10年の電波法改正にあたり、ソニーは海外で納入実績のある通信距離10cmを 実現したモデルをベースに。技術基準適合証明を取得した「RC-S440C」を用意。お客様の 開局申請手続きを簡素化*するとともに、より広い通信エリアでの使用が可能です。

5.地球環境に配慮
 繰り返し使用できるので、廃棄されることが少なくなり、また焼却しても環境に 影響が少ないPET材を使用しています
「FeliCa」ソニー http://www.sony.co.jp/Products/felica/contents02.html

 このように、FeliCa規格のICカードは多機能でいろいろな使い方があります。

 ソニーは、JR東日本のIC乗車券/定期券「Suica」などで知られる近接型非接触ICカード技術「FeliCa」の機能を、デジタルカメラやパソコンなどの機器に内蔵し、機器間の無線通信インターフェースとして使う計画を進めている。同社は「2004年ごろの実用化を目指している」(FeliCa事業部事業推進部の今里直アライアンスマネジャー)という。
 現在、FeliCaの通信速度は211kビット/秒。しかし、理論上は約30倍の6Mビット/秒まで高速化が可能だ。そこでソニーは、例えばパソコンやデジカメ、MP3プレーヤーなどにFeliCaを内蔵して、互いの機器を近づけるだけで画像データや音声データを転送できるようにしようと考えている。今里直アライアンスマネジャーは、「今、20〜30センチのUSBケーブルでつないでいるものは、ほとんどFeliCaに置き換えられるだろう」と自信を示す。
 これらの機器をインターネットにつなぎ、FeliCaを使った電子マネーの「Edy」をかざせば、電子決済もできるようになる。音楽や動画コンテンツをダウンロードして、その場で決済することも可能だ。
 こうした技術を実現するため、9月5日、ソニーはオランダのロイヤルフィリップスエレクトロニクス社と提携し、FeliCaなどに利用されている近距離無線通信技術の推進と規格化を共同で進めることで合意した。  

「ソニー,「FeliCa」のデジカメ搭載を計画 2004年の商品化を目指す」  
  http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NNB/NEWS/20020912/1/

 もちろん、上記の「FeliCaの通信速度は211kビット/秒。」というのは「非自己電源供給の接触型ICカード」(つまり、ユビキタスコンビュータ)のスペックであって、「自己電源供給の機器」であれば「理論上は約30倍の6Mビット/秒まで高速化が可能」ということです。上記の記事ですと「理論値にすぎない」とい誤解を招きやすいですが、電源があればこの速度は可能です。

 また、これは本年10月を目標に標準化が進められている現行の2.4GHz帯を使った無線LAN「IEEE 802.11b」の上位規格「IEEE 802.11g」の速度は12種類の伝送速度(DBPSK DSSS 1Mbps〜64-QAM OFDM 54Mbps)に比較してもFeliCaの6Mビット/秒であれば妥当とおもわれます。

 ICカードがこのFeliCa規格になるとこれからは単なる「ICカード」ではないいろいろな使い方ができます。特に「非自己電源供給の接触型ICカード」といろいろな機器がデータ伝送の規格を共有できることの意味は大きいと思います。
 つまり、今までは単なる「ICカード」としての使い方でしかなかったものが、家電製品や自動車やデジカメやPDA、パソコンなどとネットワークを組めることになります。

 こうなると、もはや「ICカード」は「ICカード」ではないユビキタスネットワーク対応コンピューターとなります。この進化した「ICカード」は「C−TORON」(2/7号 「イベントを持って帰る」)や、先頃発表された「ユビキタスチップ」も含めてこれからのユビキタスネットワークの重要なツールになります。

                   − ユビキタスネットワークの世界へ(9)

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