『S−Report』  7/18  あきれた話 


 今回は、緊急性のあるテーマがあり、「あきれた話」「生きものは資源?」をお送りします。
  
 去年に引き続き今年もコンピュータウィルスが猛威をふるって います。
 特に下記の「W32/Frethem」ウイルスの亜種が蔓延しています。

 大勢の人に電子メールを勝手に送りつける新種のコンピューターウイルスが行政機関を中心に広がっている。経済産業省の 外郭団体「情報処理振興事業協会」は15日、緊急対策情報で 「Your password!」の件名で到着した電子メールを開封せ ず、削除するよう呼びかけた。
 パソコン内に登録されているメールアドレスにメールを勝手に 送りつける「フレゼム」とよばれるウイルスの類似種とみられる。 添付ファイルを開くとメールソフトに侵入、ウイルスを多人数に送 りつける。
 環境省所管の財団法人地球環境戦略研究機関では、メーリングリストで国内外の研究者や企業など約3000人に、ウイルスが混入したメールを配信した。
  次世代超音速航空機の実験失敗で揺れた独立行政法人航空宇宙技術研究所や農水省でも、一時、サーバーを停止した。

「Your password! 新種ウイルスで被害」 朝日新聞 07/15

 また、コンピューターのOSのリナックス(Linux)を開発・販売して いるターボリナックスジャパンのメーリングリストにもこのウィルスが混入して被害を拡大しました。

 平素はターボリナックス ジャパンをご愛顧いただき誠にありがとうございます。
  7月15日、弊社のメーリングリストにウィルスファイルが添付されたメールが配信されました。 皆様にはご心配ならびにご迷惑をおかけいたしまして誠に申し訳 ございません。(中略)
 今回は、弊社が過去にお送りしたメールアドレスが複数の方によ って取得され、当該メーリングリストに対し数回に渡り送信されて しまいました。(中略)
  弊社のメーリングリストにご登録いただいております皆様のメールアドレスはもちろん非公開となっており、また外部からのメーリング リストへの送信はできない設定になっております。 しかし不測の事態への対処が十分でなかったことは否めません。
  今回対象となったメールアドレスは、現在、使用していないメーリン グリストのものではございますが、弊社の不手際により、ご迷惑を おかけする結果となり、誠に申し訳なく深謝申し上げます。
 「ウィルス添付メールに関するお詫び」ターボリナックスジャパン  

  それにしても、行政機関やOSを開発・販売している企業でもネッ トワークセキュリティ、ウィルス対策が不十分であるとはあきれた話です。

  また、この事態に責任をとらないマイクロソフトもです。
  ( 皮肉にもターボリナックスジャパンのメーリングリストの最新号は 「ますます深刻化するセキュリティ対策に不可欠な」ターボリナックス のシステムを宣伝するものでした。)


 ともかく、まずは個人で対策をとってください。
 ネットワークセキュリティ、ウィルス対策は下記のサイトを参考にし てください。

 情報処理振興事業協会(IPA)セキュリティセンター

  
http://www.ipa.go.jp/securit

 また、当CyberLabのサイトにもわかりやすく書いてありますので参考になれば。

 Cyber Lab ウィルス対策

  ・ネットワークセキュリティ  
  ・ネットワークセキュリティ    
  ・セキュリティポリシィ−ワーム蔓延の最悪のシナリオ」
  ・サイバートラップ、他  
  ・ウィルスメールへの対応  

   http://www.ne.jp/asahi/cyber/lab/aindex.htm


「W32/Frethem」ウイルスの亜種に関する情報
 http://www.ipa.go.jp/security/topics/newvirus/frethem.html 

  情報処理振興事業協会セキュリティセンター(IPA/ISEC) より転載 「decrypt-password.exe」という添付ファイルで、感染を拡げるウイル スが広まっています。7月16日16:00現在までに、150件を超える届出 と相談がIPA/ISEC 宛てに届いています。 下記概要に示すようなメールを受け取った場合は、添付ファイルを 決してダブルクリックすることなく、該当のメールメッセージごと 削除してください。 ワクチンソフトの定義ファイルを最新のものに更新していない場合、 発見できないことがあります。各ワクチンベンダーのwebサイトを参照して、最新のウイルス定義ファイルに更新してください。

・マイクロソフトの「Frethem に関する情報」
  http://www.microsoft.com/japan/technet/security/virus/frethem.asp       

   生きものは資源? 

 
 毎年各地でいろいろな生きものの調査が行われています。
 川越でも子供たちも生きものの調査をしています。そのうちのひとつに中学生か行った「水辺の生き物調査」(市立鯨井中学校・埼玉県生態保護協会・かわごえ環境ネット自然環境委員会)があります。
 この調査報告によると昨年と比べてメダカが激減しており、その主 な理由は乱獲の影響が大きいと考えられます。その乱獲の原因はメ ダカを売るための商業捕獲にありますが、メダカに関しては法的規制 が無く保護を訴えるにどとまっています。

  現在、世界では年平均l00種前後の生物が絶滅していると推定され、 日本でも多くの生きものが姿を消しました。  生物が絶滅に対処するため1992年にリオの地球サミットにあわせ て「生物多様性に関する条約」が結ばれました。日本はl993年にこの条約を締結し、「環境基本法」や「絶滅のおそれのある野生動植物の 種の保存に関する法律(種の保存法)」が施行されました。

 また、本年3月27日に地球環境保全に関する関係閣僚会議決定 により、生物多様性国家戦略が策定されました。
 生物多様性国家戦略とは

 政府は、平成7年10月に「生物多様性国家戦略」を決定しました。
 私たちの子孫の代になっても、生物多様性の恵みを受け取ることが 出来るように、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する基本 方針と国のとるべき施策の方向を定めたものです。
 この「生物多様性国家戦略」では、施策の実施状況について毎年 点検を行うとともに、概ね5年程度を目途に見直しを行うことが規定 されています。これを受けて政府は、生物多様性国家戦略の全面的 な見直しを行い、平成14年3月に新しい生物多様性国家戦略を決 定いたしました。

 http://www.biodic.go.jp/nbsap.html

 この戦略については日本自然保護協会の提言・批判もあります。

 NACS-J(日本自然保護協会)は、3月11日に新・生物多様性国 家戦略に対する意見を提出した。
 意見では、国家戦略を策定するプロセスの透明性・公開性は評価 した上で、各省庁が分担執筆した第4部の具体的施策 の記述の問 題点を指摘した。川辺川ダム、諌早湾干拓事業、大規模林道などの 20世紀型公共事業を中止せずに、一方で 自然再生型公共事業や 環境保全型農林業の推進を唱える国土交通省、農林水産省などを 批判し、これらの反省にもとづい た自然環境再生の具体策を求めた。 また総論では里地里山の保全を主要課題にあげながら、各論となる と各省庁よせ集めの施策の羅列に終始していることを批判し、国が 里地里山の保全について具体策を示すよう求めた。
 『月刊 自然保護』No.465(2002年4月号)

 日本自然保護協会  http://www.nacsj.or.jp/index.html

 このような意見にはうなずけるところもあります。また、一方で生物多 様性の考え方の必要性も、絶滅種の保護について「国家戦略」を必要とすることも分かります。

 しかし、メダカは依然として法的保護の対象ではありません。つまり、 この「生物多様性国家戦略」が現場からものすごく遠いところにあるような気がします。

 「生物多様性国家戦略」には「生きもの」はどこにいるのでしょうか。
  言い方を変えると、「生きもの」を生きているものとしてではなく、資源として利用再生しようとするような考え方が背後にみえて気になります。  



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