『S−Report』  6/27   eラーニング   −ユビキタスネットワークの世界へ(5)


  この頃、eラーニングという言葉が良く聞かれます。
  6月12日に開催された「第1回e−ラーニング・ソリューション シンポジウム」(日本イーラーニングコンソシアム、日本能率協会、日本経済新聞社共催)では職能教育(仕事の教育)につい て多くの重要なことが提起されていましたが、ここではeラーニ ングとユビキタスネットワークとの関係について絞って報告します。

「e-ラーニングアーキテクチュアー」   根本孝明治大学経営学部教授

  まず、既存の教育コースの一部はeラーニングに変わりつつあり、その理由は「いつでもどこでも学べる」ことと「コストが安 い」ことです。  そして、現在までのeラーニングのアーキテクチュアー(システ ム構想)には3つのフェーズがあります。

第1フェーズ 既存の教育コースをeラーニング化
 これは文字通り、既存の教育コースをラーニングシステム に置き換える初期の段階です。

第2フェーズ ラーニングのブレンディング
 これは既存の教育コースとeラーニングをそれぞれの特性を 生かしてブレンディング(混在)させる次の段階です。
第3フェーズ 人材開発のIT化
 これはブレンディングされた既存の教育コースとeラーニング を単なる混在ではなくトータルとして新しい教育システムとして 構想していく段階です。

 eラーニングのアーキテクチュアーで重要になるのは”E&E” です。”E&E”とは"electronic"と"empathy"、”電子化”と”共感”のことです。
 ひとつは”電子化”によって「いつでもどこでも学べる」ような eラーニングを構築することです。

 また、同時に”電子化”によって捨象される人と人とのコミニュケーションを大切にして”共感”をもとにして生きた体験を知識と して共有する仕組みとしてのeラーニングを構築することです。

「米国のe-ラーニング最新レポート」   小松秀圀日本イーラーニングコンソシアム会長

 まず、最近のアメリカでは仕事がインターネットを使って行われるので仕事のスピードが上がり、仕事で要求される知識・技 能もそれに合わせて早く変化しています。
 その仕事のスピードに対応して仕事で要求される知識・技能を修得するにはeラーニングが必要であり、また、eラーニング なら教育の時間を大幅に短く出来ます。

 次に、いくつかの重要な事例が紹介されましたが、ジョージア グローブ”Georgia Globe −Global Learning online for business and education”が特に重要です。(ここではジョージアグローブについて追加して調査したことも含めて報告します。)

 Georgia Globe −Global Learning online for business and education   http://www.georgiaglobe.org/

 具体的には上記サイトを見てください。

 ジョージアグローブはジョージア州では州全体の経済活性化のために産学協同で職能教育を行うシステムです。

 ジョージアグローブプロジェクトではジョージア州全体の経済活性化のために必要な知識・技能を検討し、その知識・技能を教 えられる教育機関や講師をピックアップしてeラーニングシステム のアーキテクチュアーを決めました。  ジョージア州立大学(USG)を始めとする34の大学、教育機関に必要なコースを設置し、オンラインによる手続き、インターネット上 でeラーニングで学ぶ電子キャンパス(Electric Campus)を設置しました。

1.1000以上のコース(500の資格取得コースを含む)
2.オンラインカタログの提供、無料電話案内
3.履歴書のWEB公開(就職活動)
4.本、テストサービス 5.電子図書館による7,000DBの提供  

 このようなサービスを現在は大学から初等教育まで対象が広がり、 児童を対象にしたプログラムが提供されています。
 また、近い将来には提携がありえる分野で相互利用が可能になり、教員養成準備コース、産業分野にコースを作る予定もあるようです。

 このようにeラーニングのアーキテクチュアー(システム構想)自体 がユビキタスネットワークを前提にしています。  つまり、eラーニングは「いつでもどこでも学べる」システムであり、そのためには「いつでもどこでも必要なところにアクセスできる」ユビ キタスネットワークが必要です。

  さて、この連載で何回も申しあげている通り、ユビキタスネットワークは単にモバイルネットワークのことでも、インターネットことでもありま せん。ユビキタスネットワーク自体が知識の集積・伝達を行うもので、 つまりユビキタスネットワークがeラーニングでもあるのです。
 これも何度も申し上げていますが”電子化”が進むからこそ、コミニュケーションを大切にして”共感”をもとに生きた体験を知識として共有 する仕組みとしてのeラーニングが重要になります。

       ユビキタスネットワークの世界へ(6)へ


  サイトの紹介

  日経BPラーニング      http://edu.nikkeibp.co.jp/edu/elearning/
  JMAMWBT 日本能率協会マネジメントセンター   http://jmamwbt.jmam.co.jp/Start.asp
  イーキューブ・ラーニング   http://e-cube.ne.jp/Start.asp

   今年度の後半期 


 前半期を振り返り2002年度のコンセプトとテーマの中の後半期の重点テーマを策定しました。 (6月27日付)

1.コンセプト  

 基本コンセプト Bfree(従来通り)
 年度コンセプト 仕事の再定義−パラダイムシフト  
 (次のフェーズは「オルタナディブシフト[オルタナディブパラダイムシフト]」)

2.年度テーマ

 情報分野   情報計画−ユビキタスネットワークとeコミュニティネットワーク
          (情報計画の実施・ワークショップ型計画作成)   
 システム分野 電脳退行計画
          ( NPO・諸団体等へのシステム支援・サポート)
 地域分野   地域情報プロジェクト
          (「地域情報研究所」) 
 事業分野   コンパクトシティとコミュニティ型商業 −1・2・3
          (コミュニティ商業ポータルサイト)
 コンテンツ分野 ネット・コンテンツ・トライアル
          (プロジェクト立ち上げ)
   テーマに御関心のある方はメール等にてご連絡ください。

  http://www.ne.jp/asahi/cyber/lab/cindex.htm

 これに関連して今後、仕事の一部を地域情報研究所(ARIAS)で行います。

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