『S−Report』  3/7   eコミュニティネットワーク − ユビキタスネットワークの世界へ(3)


 この頃はインターネットの利用者も増えて、生活のいろいろな場面で活用されていますね。仕事や個人的な目的だけでなく公的(パブリック)な場面での使い方もいろいろあります。

 政府のe-Japan重点計画には「ゆとりと豊かさを実感できる国民生活と、個性豊かで活力に満ちた地域生活」が掲げられています。

 e-Japan構想には「地域公共ネットワーク整備目標設定と支援の拡充」及び「地域社会、地域に根ざした中堅・中小企業向 けの情報基盤の充実」があります。
 これはひとつには自治体でいえば市役所、保健所、図書館、公民館や諸機関などを高速回線で結ぶ地域総合行政ネットワークのことです。
 また、地域に根ざす企業や商店でいえばネット上のセンターである地域ポータルサイトの構築や、自治体と民間企業の連携、 地域事業の推進などです。
 政府のe-Japan構想ではこれがコミュニティネットワークを構成するもののようです。

 しかし、コミュニティネットワークは単に政府の施策とどまらず、 あらゆる立場の人々によって検討や構築が行われています。
 このコミュニティネットワークとは立場や形成主体によって定義は様々ですが大きく分けると

 政府に代表される定義ではコミュニティネットワークは「地方公共団体が積極的に地域情報化を図るために必要となる、先導的な地域情報通信システムの開発及び運用に関する事業」のことで

 市民、NPOの立場ではコミュニティネットワークは「現代の状況では、ひとつのコミュニティ内の自足、自己完結ではなく、ボランタ リーなグループや様々な組織(営利組織、非営利組織)とともに、 必要なネットワークを組み、選択できる、自立と共生のコミュニティ事業」(社団法人コミュニティネットワーク協会)のことです。

 コミュニティネットワークを前者は「地域情報通信システムネット ワーク」のこととして、後者では「コミュニティの人的・社会的ネット ワーク」のこととしています。言いかえれば、前者の「コミュニティ」 は「バーチャルコミュニティ」に重点を置いた「コミュニティ」のこと を意味していて、後者の「コミュニティ」は「リアルコミュニティ」に重点を置いた「コミュニティ」のことを意味しています。

 さて、ここでは「地域情報通信システムネットワーク」(提供者が必ずしも政府・地方自治体が望ましいとは限りませんが)のことを 「eコミュニティネットワーク」とし、「コミュニティの人的・社会的ネッ トワーク」のことを「コミュニティネットワーク」とします。  もちろん、「地域情報通信システムネットワーク」としてのeコミュニティネットワークも「コミュニティの人的・社会的ネットワーク」の ためにある訳ですし、また、「コミュニティの人的・社会的ネットワ ーク」つまりコミュニティネットワークも現在では「地域情報通信システムネットワーク」を活用しているので、この二つは不可分です。
 1月29日にEジャパン協議会によって主催された「コミュニティ ネットワークシンポジウム- eコミュニティが変える地域とビジネス-」 においても総務省から商店街までの多様なコミュニティネットワーク、eコミュニティネットワークの試みが発表されていました。
 2月14日に東京ボランティア・市民活動センターによって主催された「“市民活動的”インターネット活用術 〜インターネットの デメリットを最小限におさえ、メリットを最大限にいかそう!!〜」で もNPOによるインターネットの活用やeコミュニティの多様な試みが発表されていました。

 このシンポジウム等で提起された問題点のひとつに、現状では 「バーチャルコミュニティ」と「リアルコミュニティ」のギャプにいろい ろな問題があることがあります。
 これは今後のeコミュニティネットワークの大きな課題であり、このギャプを解決し、「バーチャルコミュニティ」と「リアルコミュニティ」 をどう融合させていくのか、その中で「eコミュニティネットワーク」をどう形成するのかということがこれからの具体的課題になります。

 具体的課題はこの他にもいろいろありますが、ここでは、今、主に語られている技術的諸課題ではない、社会・制度的の課題について簡単に触れたいと思います。

 まず、「バーチャルコミュニティ」と「リアルコミュニティ」の関係を再検討して、人々の生活実感に即してeコミュニティネットワークのルールづくりをすることが必要です。
 また、このようなeコミュニティネットワークによる情報の共有と交流を通じて、立場による主張や利害の対立を含みながらその利害 調整に堕することのない合意形成を図ることが必要です。
 そして、eコミュニティネットワークは単なる情報提供や交流にとどまらず各地域のすべてのセクターを活性化(経済活性化も含めて) する仕組みを提供することも必要ではないでしょうか。

 さて、この連載で申しあげている通り、ユビキタスネットワークは単にモバイルネットワークのことでも、インターネットことでもありません、 新しいネットワークのことです。eコミュニティネットワークが単に地域の情報・通信ネットワークにとどまらず、人的・社会的ネットワークの 問題でもあるのと同様にユビキタスネットワークも従来のハード先行のネッワークシステムとは違い最初からネットワークの社会的意味を考慮したものになります。
 そして、eコミュニティネットワークもユビキタスネットワークを構成する重要な部分となります。

     ユビキタスネットワークの世界へ(4)へ

         

 イベントの紹介  


   「ふるさとの食 にっぽんの食」全国フェスティバル   
    http://www.nhk.or.jp/shokuryo/event/

         NHK総合テレビで生中継  3月23日9時15分〜11時54分、

  「食べもの」は私たちの命の源です。そして人と人を結びつけ、暮らしを豊かにし、文化を育む力を持っています。日本列島の各地  域はそれぞれ豊かな食材と多彩な料理に恵まれています。
 本フェスティバルは、NHKが地元自治体・生産者団体・新聞社などと協力して全国54の地域でこの一年間取組んできた「ふるさとの食 にっぽんの食」の集大成になるイベントです。全国の「ふるさとの食」を一堂に集めることで「にっぽんの食」の豊かさと大切さをカ強く全国に発信します。

 日 時 3月23日(土)・24日(日)10時〜16時(雨天決行)

 会 場 東京都渋谷区 NHK放送センター周辺

 入場料 無料                   

 主 催  「ふるさとの食 にっぽんの食」全国実行委員会 (JA全中、JF全漁連、大日本水産会、NHK)

 問合せ 「ふるさとの食 にっぽんの食」全国実行委員会事務局
       TEL 03・5455・7752/FAX03・3469・8660


 Windows XPユーザーに  


 発売以来いろいろと問題を起こしているWindows XPですが、Windo ws XPの利用に関しては下記のマイクロソフトのサポートを参照して対策をとってください。
  (しかし、すべての障害とその対策が書かれている訳ではないです。)  

    http://www.microsoft.com/japan/windowsxp/default.asp

 アプケーションや周辺機器のドライバーは確実にWindows XP対応版にアップデートしてください。

 マイクロソフトは2月28日に早ければ第3四半期にWindows XPの最初のメジャーアップデート「Windows XP Service Pack(SP)1」をリリー スすることを明らかにしました。

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