『S−Report』  1/24    ニポカジの逆襲                                     デマメール注意報

 
  今回は毎年何回か掲載している街歩きレポートも兼ねておおくりします。(前回は2001/10/11号「吉祥寺街歩き」でした。)

 上野駅の近くの山の手線日暮里駅を降りるとたくさんの女性が大きな袋を持ってやってきます。年代も10代から80代と幅広いです。その方向に向かうと商店街と言うにはちょっと違う街並みがあります。この日暮里は古くからの店がたくさん残ってますが 中でも目を引くのはこの古くからの繊維問屋街です。生地だけでなくボタン、糸、ソーイング・手芸用品、布団まで何でも揃います。
 大正初期、浅草周辺で古布などを扱っていた業者が、行政指導で日暮里に集団移転したのが始まりとされる。二十年ほど前 の最盛期には九十店舗あった。不景気や裁縫人口の減少で、各地の生地問屋は減り続けたものの、日暮里だけは生き残ることができた。
 東京日暮里繊維卸協同組合の木村輝六理事長(63)は「六十もの生地を売る専門店が並ぶのは全国でもここだけ。不景気で大きな問屋はどんどんつぶれたが、ここは業者が小規模なので、小売りを増やしたりしてしのげたんです」と説明する。(中略)
 成功した小売りへの切り替え戦術。木村さんは「今では小売り客への売り上げが全体の半分を占めるのでは。各地の布屋が なくなった分、日暮里の希少価値が高まってきました」とも。

「素人も歓迎 日暮里繊維問屋街」 東京新聞 2001/9/5  

  ここで、素材・生地の本格的な小売りをはじめたのは16年前に開店した「トマト」です。そのころから手芸派、自作派ファッションの人たちやファッション・デザイン系学生が素材や生地を買いに訪れ密かなブームでした。
 しかし、この数年は素材や生地ではなく激安の既製服を求めて多くの女性がやってきます。今では女性ファッショップのショップと ファミリー向けのショップがあります。
 女性ファッションブのショップはオリジナルの「ニポカジ・スタイリスト」、ギャル系の「ギャル」などは流行を取り入れながら他にはない個性を出しています。
そのほかにも、激安のブランド品の 「アーバン・アウトレット」などさまざまな形態の店があります。
 また、ファミリー向けのショップは子供服から派生していろいろな雑貨に至るまで数えられないほどの店があります。特に子供服は充実していて親子連れが目立ちます。
 こればかりでなく、繊維問屋でも前出の「トマト」には「紙より安い」 がうたい文句の「百円コーナー」があり、生地がすべて一メートル 100円です。

 この安さは素材に染めむらがあるものや余剰在庫の生地や毛皮を安く仕入れて仕立てたているからです。素材が半端物なので大量 生産のベーシック系のファッションとは異なる個性的なものが多いです。
 また、同じ物がないだけでなく値段もどんどん変わっていきます。 このへんがドン・キホーテのジャングル展示と同じで人気をよぶ秘密 のひとつのようです。

 大注目!日暮里発信のヤングカジュアル。日暮里繊維問屋街には安くておしゃれなカジュアルショップ多し。
 その名も「ニポカジ・スタイリスト」では独自ルートで流行素材を仕入れて商品にしているためブー ツ(800円)などが激安価格で店頭に。生地店「トマト」では1m100円の紙より安い生地が目玉、主婦やデザイン系専門学校生で大賑わい!

「ニポカジ」 ファッション〜ひとことレポ〜
http://homepage2.nifty.com/INandOUT/fation/2001/1004.html

 この雰囲気はどこかハザールや南大門市場に似ています。人の商いをするにぎわいがあります。来ているの人たちも10代から80 代と幅広いだけでなく、チャドル姿やターバンを巻いた人もちらほら、耳を傾けると中国語や韓国語も飛びかっています。  高級ブランドやユニクロに押され気味の商店ですが「ニポカジ」の ような創意工夫で逆襲に転じられ可能性があります。  さて、駅に戻り反対側にいくと昔の横丁の雰囲気です。普通の道 に面している所は今風ですが、奥に入る細い通りがありこの通りは まさに横丁と言う感じです。ここにはかなり年期の入った木造住宅が 並んでいて昔にタイムスリップした気分にさせてくれます。
 ここは駄菓子の問屋が集まっています。ここも日暮里繊維問屋街と同じように最盛期にはたくさんの駄菓子の問屋がありましたが少 なくなったそうです。
 商品は昔懐かしいものばかりです。子供の頃なら高くて買えなかったものもいくらでも買えますよ。それも、30〜50袋がビニール袋 に入っていても大した値段ではありません。
 あと、おもちゃのパンチガムとかもあります。パンチガムというのはガムを取ろうとすると指にバネが当たって「痛い」というあのおも ちゃです。まだここにはこんな物があります。
 でも、この世界にも「モーニング娘。」が進出してます。小学生が駄菓子屋さんでお菓子を買ったりするでしょうから、考えてみれば包装 に登場して来てもおかしくはありませんね。
 懐かしいばかりでなく、今を見据えてウケも狙うところは「ニポカジ」 と共通しています。

 厳しい経済情勢と国内の商業・産業の全般的空洞化で私たちは 「身近で切実な『国際化』の時代 」(1/17号)に直面しつつあります。日本で商売したり物をつくることがますます困難になってきましたが、そういう中でも創意工夫の「ニポカジ」でしのいでいる日暮里繊維問屋街や駄菓子問屋は商店も「それでも、どっこい生きてるぞ」と私た ちに示しているのかもしれません。
 今年から日暮里駅前の再開発が始まり2003度には「ゆりかもめ」 タイプの新交通日暮里・舎人線が開通する予定です。そうなれば街の様相が変わるかもしれませんが、この日暮里では従来の再開発事業のように既存の商店や商店街が没落していくのではなく、この開発の波をプラスに転化していくかもしれません。

 さて、駅前には日本で唯一の邦楽専門のライブハウス「和音」もあり ます。帰りには邦楽でも聞きながらお酒を飲むのも粋かもしれませんよ。  

 イベントの紹介


 ここでも、全国の「それでも、どっこい生きてるぞ」が見られます。去年より会場の数は少なくなりましたがお近くの方はどうぞ。

  「全国地場産フェア’02 」  

   http://jibasan-fair.com/

 趣 旨:

 地場産業製品の展示ゾーンと即売ゾーン、全国各地の地場産業振興 センターの活動と地場産業製品の紹介を行う地場産センターコーナー を設けます。会場内にイベントステージを設置し、各地の伝統芸能等の 紹介、実演コーナー、体験コーナーを設置します。是非ご来場下さい

日時・場所:

 東京会場 1月25日[金]〜1月27日[日](10時〜18時[27日は17時まで])
  池袋サンシャインシティコンベンションセンターTOKYO

 大阪会場 2月15日[金]・2月17日[日](10時〜18時[17日は17時まで])   マイドームおおさか

 松山会場 2月8日[金]2月10日[日](10時〜17時)   アイテムえひめ  

 福岡会場 2月1日[金]・2月2日[土]・2月3日[日](10時〜17時)   マリンメッセ福岡

主  催:経済産業省中小企業庁 全国中小企業団体中央会

入場料:無料


 デマメール注意報


 昨年も注意報を出したウイルスファイル削除に関するデマメール(「ネットワークセキュリティ」2001/6/14号)が再度広範囲に流 れており注意してください。
 『sulfnbk.exeというファイルはウイルスなので、削除しなさい』と いう内容ですが、このファイル自体は、元々パソコン内に存在す るもので、必ずしもウイルスが感染しているファイルではありません。また、sulfnbk.exeはWindows で必要としているファイルですの で、削除するとWindowsにトラブルを招く結果にもなる恐れがあり ます。
 誤って、sulfnbk.exeファイルを削除してしまった場合は、オリジ ナルのCD-ROM等から再インストールする必要があります。再インストールの方法は、マニュアルを参照されるか、お使いのパソコンメーカーまたはマイクロソフト社のサポートセンターにお問 い合わせ下さい。

  「sulfnbk.exe」に関するデマメール情報  http://www.ipa.go.jp/security/topics/alert140108.html

  また、コンピューターウイルス対策の基本的なことは下記の情報 をご参照ください。

  当サイトの「アドバイス」の「ネットワークセキュリティ」

   http://www.ne.jp/asahi/cyber/lab/ad/vr.htm

  情報処理振興事業協会セキュリティセンター

  http://www.ipa.go.jp/security/  

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